すべてのおすすめ
海藻の匂いが漂い
干し蛸がぶら下がる漁村の道を
おとめは エシエシ笑いながら歩く
焦げ茶色に焼けたうなじを
苦い潮風が打つ
塩をまぶしたような髪をほつらせ
おとめは よだれを拭きながら ....
アナログ時計の夕日が沈む頃
わたしにSOSが届く
しなやかな息継ぎが人人を魅了する
そんなクロールに憧れるだけの

泳げない魚は歎いて、ついに
陸に出て腹をみせて
跳ねて転がってそして
 ....
春の風は遠くから来ます
夏の風は遠くへ行きます
あこがれ、とは違う
何処か知らない所へと
私を誘います

秋の風は通り抜けます
冬の風は通り過ぎます
喪失を知らしめ
懐かしい者どもと ....
焼き芋売りのおじさんが
自慢の芋を 「新聞に包むんが一番 うまいんだ」とか
「栗より甘いよ ほら十三里だよ」と渡してくれて
九里たす四里で 十三里なんだよ とか なんのこっちゃか解らんこと ....
  五月、
  牛舎はくたびれて
  立っているのもやっとのようだ
  風のにおいはつんと饐え、
  鍬があちこちで土に埋まっている



  午後になり、積まれた干し草を
 ....
明け方
素になった
あしのうらが
のんびり呼吸をしていた

朝、起きて
人が再び活動を始めたときから
あしうらは忙しい
意にそまない誰かであっても
一緒に過ごさねばならない
破れか ....
 
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
 ....
違う私になりたいなんて
思ったことは一度もない

違う私になってしまえば
たとえば
眼もくらむほどの美貌とか
今より
たぶん7センチ
すらりとのびた背筋とか

だけど
あなたに出 ....
月はね 二つあるのだよ 
望遠鏡から離れて 自分の目で見てごらん
三日月の尖ったあごは二つに分かれているだろ
昔の人が見た乙女や兎が住んでいる月
今見る乾いた月の後ろに少しずれて
ぼくに ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話

熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
父の母が亡くなり
その後しばらくして
父の兄が亡くなった時
父がぽつりと言った
「今度は俺の番だな」

その順番の通り
父は亡くなった

四十九日が過ぎた時
母がぽつりと言った
 ....
バイクで信号待ちをしていると
学習塾の窓がそっと少し開き
にゅうと黒板消しを持った手が現れた
ぱんぱん一生懸命腕を振って
ぱんぱん外壁に叩いているのだが
あまり白い粉は出てこないみたいだ
 ....
  {引用=―M・T君に―}

「てんぎゅうをとりにいこう」
きみがそう言った夏休みに
ぼくらは残忍なハンターになる

もくもくと青空に湧く入道雲
稚魚の群れが回遊する島の海を
ぼくら ....
本日をもって閉店させていただきます

うちから徒歩一分の
スーパーマーケットが何十年かの幕を閉じた

棚はがらがら
生鮮食品とお惣菜ぐらいがあるだけなのに
人が溢れてうねりうねって彷徨っ ....
ぱたぱたとひるがえるちいさな二足のズック靴
幼稚園への近道で
つないでいた手を離し
走ってもいいよというと
かならず笑い声をあげながら
細い坂道を駆け下りていった
その弾む後ろ姿を
おぼ ....
白いアスファルトの上を
やわらかい風が渡り
ときおり小鳥の影がすべる
小川の水がきらきらと光る
草が光を透かしながら揺れ
はだかのどろの木も白く芽吹き
細い枝々が一心に空に手をのばす
私 ....
なにも 間違えじゃあなかった
自転車とは 自分で ころぶから自転車
自転車の練習をして みごとに こけたのは わざと だよ
わざと 痛い目にあってみただけさ
新しく自転車を買って その ....
目玉焼きの黄身が箸から崩れ落ち
食卓からも外れて床に落ち
砕け散った
バラバラのきみを
拾い集めては捨て
床の汚れを拭い取る
そして再び橋に向い
目玉の白目だけを食べ終わると
味気ない ....
娘の担任の先生から突然メールが届く
件名は娘の名前
かすかな心臓の高鳴りを覚えながら
本文を開ける
文字が目に飛び込んでくる
“She had an accident!”
アクシデント!? ....
天気がいいですね
きれいな庭ですね
(踊りませんか
いいえ、食事中です

目が赤いですね
ちゃんと寝てますか
(あの作戦うまくいきましたか
いいえ、忘れてました

陽が暮れて血がで ....
黄色の帽子をかぶった一年生が
朝の登校の集団に 交じっている

今時はピンクのランドセルもあり
小さな背中一杯に背負い込んでいて
初々しさに 車を運転しながら
自然と微笑み 見ようとしたが ....
どうしても海が見たくてしかたない時は
海の すぐ傍にまで行くか
それとも
あえて離れた場所に立つ
たとえば山を削った住宅地のはずれの公園
ゆるい長い坂の上から
遠く見る海は
白い岬をした ....
せっかくの天気なのにバイクがパンク
すぐ近くのバイク屋さんにかけこむと
オートバイがたくさん詰め込まれている

車体の骨組みだけのもの
部品が飛び散ったスクーター
似たようなハンドルやライ ....
羽化したばかりのモンシロチョウの
おぼつかない羽ばたきが
風にあおられ

じりじりと後ずさる濃い霧の中を
触角も羽もなく這いずる夜も

誰かの仕掛けた銀色の罠に
迂闊に絡めとられる朝も ....
一.

雨あがりの きみの靴は
つま先が いつも
虹のうまれる方角を ながめている



二.

黄のバイエルを
途中でなげだしてしまった
きみの
メゾピアノで吐く息が
ス ....
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました

私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんな ....
風は確かに冷たいのに
午後の陽のぬくもりが
耳に触れた

除雪作業が終わった後の雪道は
目を開けていられないほど
強い白さだ
瞼の隙間で青空も霞む

静けさをカラスが横切っていく
 ....
おやすみって言わないから、おやすみって言われなくなったの
「流れないように。」ってメッセージがすべて無視されて、流れないことを願った深夜
居もしないベランダの鳥にやつ当たって、しまわない布団を抱い ....
先生を壊したら
新しい先生が出てきた
この先生を壊しても
きっと同じだろう
マトリョーシカ
そういえば
前よりもいくらか小振りである

小さいくせに
目の中に入れても痛くない
など ....
小さな恐竜が噛みつきそうな顔で
こっちをじっと見ている。
つぶしてみろ、ガオー。
大きくはないけれど
小さくはないのは価値があるから。
その恐竜を倒せばお金がもらえる。
コツコツと1匹づつ ....
平瀬たかのりさんの自由詩おすすめリスト(813)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おとめ- 壮佑自由詩14*13-5-17
間違えたかった魚- もっぷ自由詩613-5-17
便り- salco自由詩29*13-5-16
栗より甘い- るるりら自由詩11*13-5-16
牛舎- 草野春心自由詩313-5-15
あしうら- そらの珊 ...自由詩23*13-5-15
自分お料理は苦手なんだけど今夜はカレーライス- Lucy自由詩26*13-5-14
東京恥ずかしい宣言- umineko自由詩18*13-5-14
- イナエ自由詩8*13-5-13
蜜と毒- 砂木自由詩20*13-5-12
順番- 夏美かを ...自由詩24*13-5-11
黒板消し- 灰泥軽茶自由詩10*13-5-10
天牛と島の少年- 壮佑自由詩28*13-5-8
さよならスーパーマーケットさん- 灰泥軽茶自由詩10*13-5-6
坂道をのぼると- Lucy自由詩28*13-5-6
晴れの日- Lucy自由詩11*13-5-5
【始】転んだ日__- るるりら自由詩22*13-5-4
朝食- ただのみ ...自由詩20+*13-5-4
八重の優しさ- 夏美かを ...自由詩35*13-5-4
ほとんど地獄- 左屋百色自由詩10*13-5-3
花の傘_雨道に- 砂木自由詩13*13-5-2
遠くから見る- Lucy自由詩16*13-5-2
町のバイク屋- 灰泥軽茶自由詩4*13-5-2
風読み- Lucy自由詩12*13-4-29
初恋- 佐東自由詩11*13-4-21
バス停- salco自由詩27*13-4-11
待っていると- Lucy自由詩17*13-4-4
自重ゼロパーセント- 未満ちゃ ...自由詩13*13-4-3
ちぇんちぇー- 佐野権太自由詩213-4-3
ぐるぐる労働- 自由詩413-4-3

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