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雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの ....
「ねえ、これは骨?」

チキンナゲットを食べ慣れているお前達に
フライドチキンを与えたら
飢えたライオンの子供のようにそれを貪りながら
何かを思い出したように下の娘が訊く

「そうだよ。 ....
底から
蒸発した
温かい水が
蓋裏で
冷たい水になる

ほんの少し
傾けただけで
それは
ふたたびのしずくとなって
ほとばしる

涙の成り立ちを
まぶたの裏で描きながら
わ ....
 

あなたの ちいさな裸形に わたしは慎ましく泣いた
蒙古斑の青さが 赤子のあなたを
きわだたせていた 
ゆがんだ顔だと 云った人もいたが
あんな うつくしさを わたしは それ ....
遠く
離れたままで
聴こえない
聴くことのできない
あまりにも
薄くのばされた夜
わたしたちは
南回りでまたたいている

天球儀は
魚眼レンズに切り取られ
森の陰影に
ふりがな ....
平凡な沿線のこの街に
夕暮れが密度を増してゆく一刻

零れ落ちそうに客をのせて電車がレールを軋ませ
商店街は夕餉の想いに満たされて

帰ってくるあるいは帰ってこない主人を待つ願いも時間が経 ....
まっすぐに
引けたためしがない
まっすぐに似た線なら書けるのに
フリーハンドで書く
まっすぐは
ほんの少し曲がっている
骨が湾曲している
私のなかに
直線がない
失ったわけではなく
 ....
秋のまん中で
道に迷って
帰り道

自転車の形をした風に
追い越され
背中の向こうがわが
透けてゆく


ぽつぽつ と
散らばってゆく人影が
視えない帰路へと続く轍の上で
ぐ ....
成層圏の牧場に
幾千匹もの
群れなす羊

どこまでも透明な
追憶の彼方

舞い降りる
黄色い{ルビ木=こ}の葉

堆積する秋

深海の底に届いた
月光のように
青ざめた記憶 ....
沈んでいく
高層ビルの乱杭歯を
掠めて

噛み砕かれる
西の稜線の
大臼歯で

この街で生き長らえるなら
むやみに懐かしがってはいけない

闇の中でも決して眠らない街は
執 ....
耳を塞いでよく聞きな
俺の生い立ちはこうだ
頭を巡らせてみると
格子の向こうに四角い光
その中からこっちを見ている一本の木
やっと首の据わった俺が
ベビーベッドの中にいたというわけさ
何 ....
平然と響く
アナウンス

「一番線を 列車が 通過します
 ご注意ください」

急流の中に
取り残されてある中洲のように
ホームは心細い

トンネルの出口のように
はずれに開ける ....
(瞳をもたない
(いきものの
(においがする

夏が
眠りにつくよりも
早く
底辺の夜は
その
密やかな手のひらを
ひらいてゆく

仄かにひかる土のうえ
満たされない
季節 ....
風と光
肌触りと眼差し
雲と微笑
素っ気なさとほつれめ

先週より軽い靴音
長袖シャツの袖口が気になる
温かいコーヒーを飲もうと
財布を探った手が
ポケットの温もりを探し当てた
 ....
サーカスも消えた広場に
日付が変わった南瓜の馬車
燃え落ちた隕石
既に 青くない地球


十二色のクレヨンを握り
極彩色のテレビに見とれている児


やり過ごされていく毒の風に晒さ ....
「お父さんは、いつもむっつりしてたけど
 家族は結構大切にしたんだよ。
 日曜日の度に色々なところへ
 連れて行ってくれたんだから。」
 
週六日精一杯働いて
やっと巡ってきた休日なのに
 ....
何かを綴ろうとして感情が一目散
転がり落ちる一日の終わりが
階段のいちばん下で悪い頭の打ち方をして昇天
きちがいじみた断末魔だった
どうしてやることも出来やしない


通信を何 ....
少女、
月曜日の放課後につくった詩が
火曜日の朝には消えていた
細い指でなぞった物語が
校舎裏で砕けていた中2の夏
西の空がまぶしい
あれは現代詩ですか
いいえ、
夕暮れです
毎日す ....
雨が降り出した
大粒の

雨粒を弾くワイパーの動き
センターラインが見えにくくなる

アクセルを緩める
後部座席に乗る娘はどう感じるだろう

塾の帰途
メールの返信に夢中で

 ....
いくつもの交差点を越えて
道はまだ続いている
緩やかに弧を描くカーブの先に
終わりはまだ見えない

進んで 止まって 曲がって 進んで

約束事を守って運転していても
右折してきた ....
九月十三日の朝
風のこどもたちは
キッチンの西窓の向こうで
すでに足踏みを繰り返していたとみえ
私が縦長の窓を押し開くと同時に
遠慮なんかこれっぽっちもしないで
じゃれあうように
とびこ ....
校庭跡に残った桜の木
ビルに挟まれてわかりにくいが
駅の改札口を出てほどなくのところに
ふと足が向いてしまう
今はないという
桜田小学校
晴れの日の緑はすがすがしく
ベンチで
ブランコ ....
走りまわっていました。)図書館でファ
ミレスで墓地で迷惑の意味を知りませ
んでした。そして悩んでいました。校
庭で部屋で商店街で孤独に憧れていま
した。私はいつから空気が読めるよう
になった ....
当時、白石に住んでた保母さんと
絵本のことで随分と馬が合って
良く二人で素敵な絵本を見付け合っては
彼女の住むアパートに長居して
話し込んでいたものだ

まだ若かったこともあって
結構熱 ....
生前の祖父のことをよく覚えてはいない
祖父はわたしが物心つく前には亡くなっていた
抱かれた話を聞いても
、抱きおとされた怖さを聞いても
、色の剥げた写真に並ぶしわくちゃな姿だけが写る
 ....
たぶん今頃あなたは
見知らぬ女のために
木綿豆腐を切り分け
お出汁にすべりこませる
積算書にメモ書きをしてみせた
やわらかく白い指先で


一方残業を終えたばかりのわたしは
娘のお迎 ....
 
 
アパートに似た生き物が
背中を掻いている
古い窓を開ければ子供の声が聞こえ
秋の風も入るようになった

父が死に
母が死に
君は僕と同じ籍にいたくないと言った
もう昔みたい ....


時刻は朝の六時を
まわったところだった

ふたりはビルに囲われた
小さな噴水のある小さな公園で
撮影ポイントを探して歩いている

「青がよく映えるから
朝がいちばんいい時間帯 ....
引越しが落ちついて
さあどこかに食べに行こうという算段になり
歩いていける距離といえば
とんかつかフランス料理風か喫茶店かお好み焼きだった

「お好み焼きアキちゃん」は
とびきりの笑顔のふ ....
玄関の隅に蜘蛛の巣がある
大きな蚊の死骸が かかっている

ほうきではらい 外に掃く
小さな蜘蛛が逃げる

朝の外気が 玄関から流れ込む
蚊の死骸は やがて蟻に運ばれるだろうか

巣 ....
平瀬たかのりさんの自由詩おすすめリスト(813)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時間の重さ- 梅昆布茶自由詩1913-10-10
食卓- 夏美かを ...自由詩27*13-10-10
十月の扉- そらの珊 ...自由詩18*13-10-9
自立する_貴女に- るるりら自由詩20*13-10-9
秋の耳- 佐東自由詩1213-10-7
沿線暮色- 梅昆布茶自由詩1913-10-7
まっすぐ- そらの珊 ...自由詩20+*13-10-7
帰り道- 佐東自由詩713-10-6
赤いスカーフ- Lucy自由詩28*13-10-6
夕陽- nonya自由詩18*13-10-5
パターナル- salco自由詩13*13-10-2
ホーム- Lucy自由詩18*13-9-30
九月の子- 佐東自由詩813-9-30
9月28日_晴れ- nonya自由詩22*13-9-28
午後の祈り- Lucy自由詩19*13-9-19
無口で運転の上手い人- 夏美かを ...自由詩30*13-9-17
もし、そんなことをしたら…- ホロウ・ ...自由詩3*13-9-17
中2は今日も- 左屋百色自由詩14*13-9-16
雨のドライブ- kauz ...自由詩7*13-9-15
交差点- nonya自由詩21*13-9-14
風の通り道- そらの珊 ...自由詩12*13-9-14
大人のための桜田公園- 乾 加津 ...自由詩12*13-9-12
みらい- 左屋百色自由詩13*13-9-11
「ガンバの大冒険」- 板谷みき ...自由詩3*13-9-11
青黄黒緑赤- アラガイ ...自由詩18*13-9-10
アパートメント- 伊織自由詩9*13-9-9
電話- たもつ自由詩2313-9-9
おじいちゃんの手- 栗山透自由詩113-9-9
アキちゃん- そらの珊 ...自由詩20*13-9-9
巣編み- 砂木自由詩13*13-9-9

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