すべてのおすすめ
それは命を宿す なみだをながす そして朽ちる
やがてこどもたちはそれぞれの死を選択せねばならない
たやすく眠らせるようにやってくるのだから
ぼくがあの子を選ぶのに理由なんていらない
指 ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ
茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った
だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ
藁を燃やして送 ....
女って 大好きだ
女を喩えるなら
血の滴るような野薔薇の朱
生真面目な緑に身を固めた
この暗い原野の世界を点々と彩る
秘められた また明かされた 情熱の色
その両目は 傷つきや ....
垂直な光のピンで留められて
横たわる朝は散乱した昨夜の屍だった
まだ誰もいないスーパーの駐車場で
ぬるい風が砂埃を吹き上げている
一匹の小さな蛾が
逆らいながら飛んで行く
....
どうしたら
靄が
取れるかなぁ
あたたかな鍋
美味しい御喋り
綺麗な音楽
爽やかな朝・・
ひんやりと
乙に澄ました器に
シャキシャキと
君が
降り積もる
すでに膝小僧が
溶けかけていた
僕は
やんちゃな眼差しで
それを見守る
じんわりと
熱を帯びた午後に
....
もう少しだけ私の人さし指が長かったら
彼女と繋がっていただろうにと
どちらからかかけたのかわからないが
久しぶりだねと携帯電話で話している
今何をしているの
今まで何をし ....
風鈴が鳴る
気のせい
エアコンで冷やされた身体は
動かすたびに耳のうしろあたりで
ごおりごおりと
暗闇で白クマがふりかえったような
私も同時に身体をうしろにねじると ....
変化するものが
含まれたやや重い空気がある
ぼくやきみは様々な角度ですれちがう
ぼくのプロポーズは何かの手違いでとなりの
おやじに届いている
変化しなければいいものを
わざとずらし ....
とつきとうか
出口の見えないトンネルの中を
さまよい歩く気分でした
年中睡いくせに
その眠りは浅く
私は大海に漂う一枚の木の葉のようでした
{引用=沈みかかっては(眠りに落ちて ....
120808
木偶人形のため息を
有人に託した
触ると
ざらっとした感触の灰皿
古くて錆びて汚れたままになってるが
ご馳走様の声は聞いている
出番 ....
張り巡らされた鉄条網に
体当たりでぶつかっていって
やっと出口と思っていた
からだから滴っているのは
紅い色した言葉の絶叫
纏ったままで視界にみたのは
さらに取り囲む鉄条網
なぜ ....
波打ち際の子ども
陽炎に揺れる海の家
空を仰ぐ向日葵
総てが夏を歓迎してる
僕はただその向こうの秋を見ていた
君を連れ去った夏を
受け入れられな ....
打ち込んだ言葉が
操作ミスで 消えた瞬間
何もかにもを なくしてしまったような 喪失感に
さいなまれそうに なる
目の前で 笑う 姿に
かなうものなど ないのにね。
ブリューゲルの「イカロスの墜落のある風景」
野間宏に暗い絵と表現させた作品のひとつでもあろう
ボッシュなどの流れを汲んだ暗い閉ざされた色彩に
海中に墜落したイカロスの足だけがみえる
ギ ....
孤独じゃないと感じてる
孤独じゃないと案じてる
二人でぐっすり眠りたい
月あかりだけ浴びながら
青いツラの皮うかんでる
きのうの戦争銀メダル
世界で何位なら満足 ....
海がわたしたちを生んだの?
わたしたちが海を生んだ気でいる
飼おうとして噛まれた手が痛む
波はなにかを
探しているから
常にかきむしって
大地をけずってゆく
砂浜が綺麗に
みえ ....
もしも鳥だったら?
あたしゃ、きっとペンギンさ
灰色の空を見上げるだけのペンギンさ
瓢箪から駒みたいな約束
吐いて
はしゃいでみたものの
閻魔様にも負けず劣らず
舌抜いて
いっそのこと
こっそり禁○の看板
燃やしてしまおうかと取り出して
マッチ棒擦って
暖めてく ....
とんぼが にげない すこしも
とんぼの 目の中に わたしが
たくさん いるというのに
あぶらぜみが にげない すこしも
目線のたかさ で なきはじめた
あぶらぜみ わたし ....
ルノアールで珈琲を飲む
革張りの椅子に座り
香りを楽しむ
入っては出て
出ては入ってくる
人を眺めながら来し方行く末を思う
大学生のころ
通っていた喫茶店はルノアール
だったか ....
風邪でやすんだら
テレビの前にふとんをひきなおし
教育テレビを見つめていた
いちばんお気に入りの番組は
はたらくおじさんだった
あの頃働くのはおじさんだった
な ....
{画像=120805195041.jpg}
一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられてい ....
何かを言おうとしたまま
羽蟻に覆われて行く 月
寝苦しい夜の何処からか
微かに 悪寒が流れ
顔を隠した二人の忘却が
そっと 水浴びをする
乳房のように膨らんだ闇
白い 流 ....
うなじに貼りつく蝉の声を
拭ったハンカチの上に
炎天下の用水路に浸した
素足のこそばゆさを重ねて
最後の線香花火が消えた後の
かすれた火薬の匂いの上に
水着の跡 ....
おひさまに干されたふとんは
懐かしい匂いがする
平屋建ての木造家屋
屋根より高く育ったヒマワリ
リュウノヒゲにふちどられた細い通路
赤いバラのアーチでは
テントウムシがアブラムシを食べ ....
僕の冷蔵庫ではつぎつぎとものが腐ってゆく
賞味期限は半月前は当たり前野菜は黴としなびで
使い切れないぞ独身奇族
そこで整理もかねて古い野菜をかたっぱしから検閲し
余命少ないあるいはアンチエ ....
電話を待っている
便利になったものだ
子機を取りにいかなくても
いつも電話はかたわらにある
包み込むような
文学的文章を書く人は
どんな声をしているのだろう
そう思いなが ....
亜寒帯のオフィスを出て
果てしない温水プールを
東から西へ
亜寒帯の百貨店を目指し
思考停止のままの潜水で
東から西へ
最後の力を振り絞って
エレベーターのRボタンに
タッ ....
雨上がりの
苔の上で眠る
あの幸せを
私はどうして手放してしまったのか
雨上がりの
苔の上で眠る
それをするには
私は大きくなりすぎてしまった
雨上がりの
苔の上で眠る
極 ....
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