すべてのおすすめ
愛するものに あらんかぎりの表現をあたえるために
図書館はある
道の途中で
トンビがピープルって 巻き舌ぎみに 私を呼ぶ
鳥に言われるまでもなく 私は人間さ
書物のよさ ....
まぶたを 閉じれば 海は すぐそこ
関門海峡の潮の音
あっちのほうが長門そどな
長門には 鯨さんのお墓があるそどな
おおけな鯨のちいさな墓に 南無阿弥陀仏を奉じると
波をみな飲み込んでき ....
空に向かって高く
超合金製の蟻の巣が
渦巻き状に伸びている
無機質でのっぺらぼうの蟻の巣も
夜になれば
綺麗に画一化された部屋には
優しい灯りが点り
街を照ら ....
コンビニを出ると
誰かがお菓子の箱を開けて
ぽいっと捨てたセロファンが
ちょうど私の目の前に
空から垂直に錐もみしながら落ちてきた
ひとときのま
私の頭はどうにかな ....
ポポタンが笑っている
太陽みたいに開ききって
その中でアリが泳いでいる
お菓子の家で溺れそう
ぼくは憶えている
きみのやわらかな面差しを
すべり台へ走っ ....
人間が春を選んだのは
寂しいのが嫌だから。
別れと出会いの季節なんて
とんだ嘘っぱちだ。
人間は死ぬまでお別ればっかり
なんにも気づいていない ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる
『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
....
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いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする
忘れてしまったもの ....
迷うたら負けやと、きつい一言
今でもうちのお守り
そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど
よっぽど
おなかすかしてはったんやなぁ、おつきさん
おひさん
たべてまうなんて
よっぽどやな
やけどするで
くちんなか
べろんべろんになるで
おとなしそうなかおして
やるときゃやるん ....
{画像=120521085659.jpg}
2012年5月21日 ほぼ晴天
本日待ちに待った「金環日食」だ
日食観察用メガネとスマホを片手に
あたしスタンバってます!
わくわくわく ....
赤い 熊出没注意の看板の右端上に
白い小さな張り紙で「最近」と補足されている
死ぬことより死に方が問題だ
熊に食われるのは天罰のようでどうもいけない
残された妻と子が葬儀の席で困ってしまうだろ ....
きらぎらしく耀へる湖面 滑る浮き舟
流れのまにまに 身を任せて
絡む水草を 押し分け行けば
彼方に見ゆるは 安土城
{ルビ古=いにしえ}の戦さに 敗れし{ルビ武士=もののふ}の
御霊眠 ....
ひっそりと
こっそりと
足を並べて立っている
大きくて哀しいこと
小さくて嬉しいこと
ひっそりと
こっそりと
歩いてみれば
誰も彼も何かに夢中で
....
雨に濡れたアスファルトに
並木のみどりが映っている
言葉に餓えた人たちが
傘に隠れて哭いている
雨は涙に良く似ている
昼は処刑台に良く似てい ....
今日の夢を支払って
明日にたどり着く
その繰り返しは
さむかったり
そっけなかったり
だからかな
風邪気味みたい
って君がいうから
部屋の中から見てる
出発前の月を
しんだらいい
というのは
新dollarいい
であって
あたらしい
ドルレルが
いい
という
いみで
リスク中立的な
ことばだから
べつに
だいじょうぶ
しんだらいい
....
ショーン・ペインが好きだ
蒼井優や
トミー・リー・ジョーンズや
エドワード・ノートンや
ソン・ガンホや
オダギリジョーや
ティム・ロ ....
運動場の
トラックを
規則正しく走る
小学生達
まるで
回遊する魚のようだ
こんなに小さいときから
命令されるままに
同じところを
何度も
何度も
回っていて
誰一人として
....
呼吸はソットヴォーチェだと言う
それが何だか分からないままだが
自分の足先も見えない程に急いで
手に入れたかった物はいつだって
遠い雨空の上にばかり拡がってた
....
かなうかなって
空を見あげて
思えばこそ
で足りたころ
からずいぶん
遠くに来て
しまった
ちいさな願い
なのだと思うこれは
とてもさもない
なみだなのだと
願う
....
こくさいほうが
とれなくて
たんいが
たりなくて
すてーきを
たべにいく
1000えんで
さらだばーが
ついていて
たくさん
べびーこーんを
たべて
きた
こくさいほうが ....
さわれないことば
冷えてゆくかけがえのなさ
いつもとぎれてしまうモチーフ
あたたかいスープもないテーブルでは
君の影がゆらめいてみえる
ほんとうは君の髪にふれていたかった
ゆびがい ....
わからないという
隠れ蓑を着てあるく夜
足跡も影も連れず
ぼっちぶって
背中そらして
なんだった?って文字に
どきりとするメール
わけもなくつぶやく
ごめんなさいと
暗闇の中に
長い間いるせいか
赤
と言う色を
忘れてしまった
他の色は
心もとなくも
なんとか
思い出せるのだが
どうしても
赤だけは
イメージできない
薔薇の赤
....
裏道で春を売る女たちの笑顔
謳わない金糸雀の末路を知る
深夜一人で自慰にふける大人
街中の虚ろな目をした子供達
皆が悲しい詩人だった頃の話
{画像=120514020301.jpg}
幼い日
五月五日
かしわもちが右手の親指にからみつく
ふわふわした髪
大きな耳
口元に大きなえくぼがあった
一瞬の喜び
木の床に ....
車椅子の母の髪をカットした
チョキチョキ ハサミで切りそろえる
黒い髪より 白髪の方が多くなったね
わたしは 母が年を取って授かった
上には 年の離れた兄弟たちがいて
望まれないまま ....
さくらんぼの花が咲いている
うっすら目を閉じ微笑んでいる
ソメイヨシノのような艶やかな色香はない
浮世を忘れようとその下で酒宴を張る者もいない
白く清楚なその花は
....
初夏
少年の頃
お話の木の絵を見た
広葉樹の木陰で
子供達が
眼を輝かせ
耳を傾けている
お婆さんのことば
森や草原を漂い
風に運ばれて
村や町や港や
海や諸国を巡り
....
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