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雪解けの水がつるり、と窓にいて
陽射しはひらり
春、うたまつり



じわ、
じわり
布団を抜け出る子のように
ひとつ、ふたつ、と三月の砂利


太陽に追われて ....
うすべにの桜を頬にほころばせ
ふゆを咲くのは
あどけない、春




さむい夜
機関車さながら息をして
笑っていたね
星くずの頃


転んだらふわふわでした新雪は
 ....
赤い夕日を浴びたのに
かげだけ黒い、
そのふしぎ。


草木も花も野も山も
おなじくみどりと
呼ばれる、
ふしぎ。



 波の青さにあらわれて
 透きとおってゆく、 ....
氷の川を
停められるのは
時の流れにせせらぐ命


 つめたさを
 うたう刹那が底にあり、

 静けさを
 砕く車輪が
 渡りゆくから、

 氷の川は
 停まらない
 ....
しずかな雪のあいだから
わずかに土が
見えるとき

わたしは灰の
そらを見あげる


 まだそこに
 凍えるものはありますか、


小さな呼吸は
ぽつり、と白く
あ ....
今年
いちばんの正直者が
各地で猛威を振るっています



不満なことには覆いをせずに
可笑しいことなら囲いをはずし
感じたことを
感じたままに

まもなく
無上のわか ....
ありのままに
よごれていけたら、いいね

きっと、
すべてを
にくめぬように
そまればいい、
ただ

たとえ
だれかが
よごれ、とよんでも
それはかならず
うつくしい ....
およいでいる、ということに
気がついてしまうと
溺れはじめる


 わたしが
 わたしを忘れることも
 たいせつな息継ぎ

 うまれもった、すべ



音色、という文 ....
毛布になついた匂いをかぐと
やさしくおもえる十二月

ふゆという名のまぼろしが
ふたりのあいだに
許される



 つめたい風のひとひらは
 ぬくもりひらく
 手のための ....
欠点はね、
やさしく撫でられたら
十分なのです

無理をして語らないでください

いろいろな角度から
見つめないでください

寄りそうだけで
よいのです


見渡せば ....
吐息が
しろく曇るのを見ると
少し、安心できる

わたしの日々は
ほぼ偽りかも知れないけれど
熱だけは、進もうとする熱だけは
たしかに思えて
安心できる



いつだっ ....
とうの昔に
ほろびていたのかも知れない

ほろびという言葉は



まっすぐに立ち上がること

それを叶えた
わずかなものたちのいどころを
陸とよぶ

だから
陸 ....
巻き戻された、気がして

夜を
何度も聞き返す


この手が、
あるいはその胸が
用いようとする意味は
おそらく誰かの
船底だろう

唯一
月がおびえる頂


 ....
冬の
凍った路面を
手を取り合って
老夫婦が歩いてゆく

どちらが
どちらを
かばうでもなく

どちらがどちらに
もたれるでもない


ごく自然に
互いが互いを支え合い ....
いつかわたしも
潮風になる

いいえ、
それよりもっと目立たない
砂の声かもしれません

潮風が
きびしいながらも心地よいのは
おそらくそんな
匂いのせい



わ ....
つまずきなさい、
何度でも

ほんとの意味のつまずきに
出会うときまで
何度でも



傷つきなさい、
何度でも

深手のつもり、で
いられるうちに
癒しのすべが
 ....
ひらがな階段をのぼる子は
おとな、がそっと
支えましょう

大きな人、では
なんだかつぶれてしまいそう

それに
大きな人、など
めったにいらっしゃらないと
思われますので ....
咲いてゆく音が
きこえます

川が
はじめて山をなすこころ、
そういうものが
乱れていきます


置いていかれることも
置いていくことも
じつは
まったく
同じこと
 ....
きみに降る雨の日を
ぼくは知らない

いちばん、
知らない

余地の
あり過ぎることが
迷子という方角を狂わせて

ときどきぼくは
ひどくさまよう



ついつい ....
終わりは
すべて哀しいものだと
いつかあなたは
示したけれど

確かにわたしは
時刻をひとつなくしたけれど、

なくさなければ
始まることのなかった
時刻のなかで
わたし ....
蟻が
わらじの死骸を
運んでいく

気持ち悪い、とか
すごいちからだ、とか
そのさまに向ける言葉は
まったくの自由だ

だがそれは
彼らにとって
とても重要な生命の営みで ....
わたしから
こぼれるものは
いくらでもある

けれど
わたしはそれを覚えない


まるで
狭い空き缶さながらに
空をあおいでは
たやすく空に
うばわれて
ゆく

 ....
いまは
ちっぽけな木の枝も
十年、二十年の歳月をゆけば
おおきく生長を
とげる

その、
生長をとげた木の枝のもと
だれもが心地よく
風に吹かれるような
あかるい午後が
 ....
きのうを飾る
わたしの言葉の裏がわで

だれかの爪が
あしたを研ぎます


 輝こうとする意思は
 ばらばらに統一された
 石として

 きらきら、と
 眠るのです
 ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない


海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる


太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
 ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
空の高さに
かなうはずもないぼくは
ちいさな背中を
恥じらって

その、
重みに沈みこむ



けれど、きみは

願いごとを
ていねいに隠してみせるから

ぼくは ....
さくらさんの千波 一也さんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
◆春うたまつり- 千波 一 ...短歌2*09-5-22
◆ふゆを咲く- 千波 一 ...短歌6*09-3-2
ふしぎ- 千波 一 ...自由詩11*09-2-20
氷の川- 千波 一 ...自由詩5*09-2-16
二月列車- 千波 一 ...自由詩7*09-2-13
うそつき予報- 千波 一 ...自由詩6*09-2-9
ありのままに- 千波 一 ...自由詩21*09-2-6
水の器- 千波 一 ...自由詩12+*08-12-11
予告篇- 千波 一 ...自由詩6*08-12-10
同心円- 千波 一 ...自由詩8+*08-12-8
雪が混じる- 千波 一 ...自由詩20*08-12-7
きれいなうろこ- 千波 一 ...自由詩5*08-12-3
サルベージ- 千波 一 ...自由詩3*08-12-2
老夫婦- 千波 一 ...自由詩3*08-11-30
潮風- 千波 一 ...自由詩7*08-11-24
つまずきなさい- 千波 一 ...自由詩21*08-11-19
ひらがな階段- 千波 一 ...自由詩4*08-11-4
待ち針- 千波 一 ...自由詩5*08-10-30
柑橘- 千波 一 ...自由詩8*08-10-20
意味調べ- 千波 一 ...自由詩21*08-10-12
蟻をおもう蟻- 千波 一 ...自由詩11*08-10-1
羽追い人- 千波 一 ...自由詩7*08-9-19
木の枝- 千波 一 ...自由詩7*08-9-3
月光- 千波 一 ...自由詩8*08-9-2
かなしい理由- 千波 一 ...自由詩24+*08-8-30
プロミネンス- 千波 一 ...自由詩24*08-8-11
きみをのせて- 千波 一 ...自由詩5*08-8-9

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