すべてのおすすめ
昔々
あるところに
お爺さんとお婆さんが住んでいました
お爺さんは山で光る竹に見とれるばかりで
芝刈りはしていなかった
お婆さんは川で流れる桃を見送るだけで
洗濯はしていなかった
そんな ....
西日が射す
階段の踊り場から
子供の声がする
懐かしい声が
あれは
ボクの声だ

 ボクがそこに座り
 マンガの本を読んでいると
 台所のほうから
 タンタンタンとリズムよく
  ....
その日の激しい夕立で
空の埃も洗われて
静まり返る夜の水面に
ゆらゆらと揺れる月

僕らはそのずっと下
仄暗い水底の上
その薄明かりの中
沈んだままで抱き合って
水の中の密室で
唇 ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け

ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる

 満員電車とすれ違うたび
 何かが足りないような
 そ ....
午後からは雨がやんだ

小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う

雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる

会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
さくらさんの皆月 零胤さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アリとキリギリス- 皆月 零 ...自由詩1408-10-11
踊り場/台所- 皆月 零 ...自由詩11*08-10-1
水面を漂う糸- 皆月 零 ...自由詩6*08-9-19
夏の終わりという駅で- 皆月 零 ...自由詩18*08-9-3
溺れる魚- 皆月 零 ...自由詩21*08-8-9

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する