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日がな一日中考え。
また朝を迎え、一日を考える。
五月二十九回目の朝、今この時間。
五月二十九回目の朝を考えている。
三十四回目の五月。
死ぬ理由と生きる理由 ....
自らの愚かな手で
目の前をさえぎる沼を
つくり出してしまった時は
でくのぼうとなって立ち止まり
かけがえなき友の背後から吹き抜ける
風の言葉に耳を澄まそう
私は木になりたかった
幾 ....
毎日が
ずっと、遠浅だったらいいのに
って、言ったのは
あなただったか、わたしだったか、
もう わすれてしまった
うつろいやすいふたりだったから
ただ
手をつないだ
波が
....
あたりまえの、キスを、ください
追いかけるたびに
春はもう
ふりむきざまの、目くばせ
早足にからまるイヌフグリの、青
追いつかないのは
季節のせいなんかじゃ、ない、と
....
何か掴まなければ と
恐れなくてもよいのだ
いつでも繋げるように
私の両手は空いている
嘗て星々に触れたとき
驚きながらも微笑んだ
一秒よりもはやく
私たちは老いてゆくから
....
おいしい罪を食べなさい
と
黒い神さまが言ったので
その通りにしたの
おいしくなかったら
食べません
責任なんか
取りません
ときどきとても
愛を信じたくなるの
どうしても
信じたくなるの
夕方すぎ
薄闇のお庭
ブルーグレイの花びら
まるで浮いているみたい
何も信じていない
わたしの中に愛はあるかな
あな ....
仕事から帰ると
ぼくの部屋からは、なにもかもなくなっていた
電話台の上に電話はなく
テレビ台の上にテレビはなく
洗濯機と冷蔵庫は
黒っぽい埃の四角形だけ残し
スチールのベッドだけはなぜ ....
地球があと100kmのところで終わっている
と知っても
きみは歩いてゆくだろうか
靴ひものことなんて気にしてる場合ではない
見渡しても、海
はてしなく、海
そのかぎりの海の地球から ....
疾走感 と 焦燥感 の
折り重なった狭間で、
ドライブ
車の窓から手を出して
うしろへ、うしろへ、
流れてゆく景色を
さわって、あそんだ
ときどき
指のあいだをすりぬけて
流 ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった
引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
心が暗雲に覆われた時には
「透けた空から見守る誰かのまなざし」に
自らの汚れた卑小な裸の心を
ありのままに投げたしたくなる
そんな時、友の顔を想い浮かべては
いつかの語らいの夜を思い出す ....
ひとつ ひっそり咲いた恋
ふたつ 経(ふ)る間に熱を帯び
みっつ 見果てぬ宵の情事(ゆめ)
今尚 口に 数え歌
水面(みなも)に一つ 涙つぶ
今更 口に 数え歌
冷たき月も ....
パーッと行こうよ
と言いながら
道に倒れて男の名前を
叫んでみた
冷たい男が好きなのは悪い癖で
妙に愛されるとすぐに飽きちゃうから
不幸なのは当たり前なの
同情しなくていいよ
と言いな ....
はっと、
目を覚ますと
ベッドの足元に
等身大のアンパンマンがいた
といっても
実物を見るのは初めてだったから
それが等身大なのかどうか
本当のところはわからない
つやつやのほっぺ
....
どんなに雨が降っても
傘なんかささないで
道端にうずくまっていたい
夜がある
お花見
桜の下は
ゴミだらけ
ゲロだらけ
夜になると
涼しい風が吹き
山のようなゴミが
散乱していくよ
積み上がっていくよ
その上で
知らぬ顔をして
優しい顔をして
聖なる花は ....
1.
かみさまは、どこですか。
2.
かみさまは、どこですか。
道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
閉じたまぶたの裏側に
涙が透明なまくをつくるとき
あなたは
色褪せそうな今日を
濡らさぬように浮かべます
同じ空の下には
それぞれの時が流れていて
それはけして
噛み合うものではないけれど
どう ....
うたうたうあなたの口もとに
ほほつたう涙のあじは
悲しいだけではありませんでした
にぎりしめた砂の声を
聞いたことがあるだろうか
互いにこすれあいながら
小さくなってゆく声 ....
それは どこですか
滑り込むような夕凪ですか
平坦な気持ちを
乗り継ぐようにして目覚める朝には
透明なコーヒーの
一番底にある苦味を
噛み締めるようにして始まりになる
遠くない窓 ....
じわり、てをのばし
いろいろな ものを つかもうとする
まいにちの パターン
くりかえし またぎこし また ひがのぼる
ありがたいのか そうでないのか
ときおり わからない くうきょに ....
とてもとても「ひとり」なのを、感じてしまう夜。
いつもは居心地のいい部屋が、ずかずかと土足で入ってきた
「孤独」に支配されて。
はっと、息が詰まってしまう。
....
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした
まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
....
噛み合うことのない歯車のように
孤独は在り続ける
カラカラと輪っかの中を駆けている
小さな身体を懸命に動かしても
輪っかは空回りするだけで
前に進むこともなく
ただ同じところを回り ....
東京少年
空を見上げる
星が見えない新宿の夜空
僕達は 吸い慣れた煙草をふかして
何時も通り どんな通りだって
みんなして練り歩いていた
東京少年
空を見上げる
星が瞬く世田谷の夜 ....
「魚の目ん玉だったら、コラーゲンだし、役にも立つのに」
そう吐き捨ててアイスピックを洗いに踊り場へ
階段の壁面に喰らいついている蛇口をひねる水は冷たい
目ん玉は、掌の上で ....
人はなぜか
顔をあわせると
天候や季節の話をするらしいよ
それはね
昔、人が生きていくために
天候ってのは
生きられるかどうか、って
それくらい重要だったからだってさ
嘘、
....
夕闇に
かみひこうき
投げて
どこまで
飛んでいって
くれるのか
と
思い
を
馳せる
季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい
ふと
隣に居な ....
学校の中間報告を受け取った
まずまず、と言ったところ
単位を落とす危険性は薄目
だと思ったら
なんか頑張る気が失せた…
と言う
ナァナァで駄目駄目な毎日
....
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