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全部奪いたい 独り占めにしちゃいたい 
全部奪いたい 独り占めにしちゃいたい 
幼そうに聞 ....
わたしたちの目の前で
落ちるブルー、ブルー、ブルー、





ブルー、ブルー、ブルー、
いちにちの、落ちる、朽ちる、空はやがて
静かに液化して海となり、闇となり
ざ…、 ....
タオルケットに包まれて
ひとつ
大きな夢をみた
 
 
 
色は 知らない
音は 要らない
 
そんな
ただぼやけた場所
 
温かい
 
 
夢だとわかっていた
から
 ....
八月が終わらなければいいと
願っていた

そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
君の声を聴くと
絶望するんだ

I hate you
それでも
I need you

狂っている世界
濁っていく視界

It's a nauseating world
それ ....
あるひとが言った

  世の中の戦争は
  おとこが起こしたもの
  おんなには罪の無いはなし

そして
ほかのあるひとが言った

  そんなおとこを産み
  育てたのは
  わ ....
夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく

夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ

夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
銀幕の中
貴女に焦がれる
紙コップを手に
今日もぶらつく街中
オレンジジュースの曲がり角
毎夜飲み干す
ぬるい橙
 
 
沢山 沢山
愛でた花は
 
いつの間にか
僕の身長よりも
伸び て
 
初めて買った
赤いガーベラのように
僕の右眼は紅くなった
 
 
細かな艶やかさを
「綺麗 ....
砂漠の王様に
すべてを捧げたサティ
月が昇り
希望に満ちた今夜
サティは眩く輝いた
大道芸人は
すべてが美しく見えるよう
呪いの言葉と共に
七匹のコブラを
火の釜へ
投げ込んだ
いくつもの停留場が
いっせいに
羽を広げ
南の方へ渡って行った
停まるべき場所を
失ったバスは
大人たちの口から口へと
走り続けている
高層ビルが突き刺さった
地平線の向こう側
 ....
路面に{ルビ陽炎=かげろう}ゆらめく 
真夏の正午 

長袖の作業着に 
ヘルメットをかぶる 
眼鏡のおじさんは 
汗水たらし 
鉄パイプを{ルビ担=かつ}ぐ 

路面には 
夏空 ....
いつまで経っても動くことのない
「もう一度」
を求めながら
僕は夢遊病者のように歩くよ
 
 
てとてと、と踏んだ畳には
陽にやけた跡が真新しく
そこにあったある物を思い出させた
  ....
目の届かないところで 何度も僕は殺されていた
気づかないままでいられたら まだ歌を唄えただろう

誰が見るわけでもないのに 淡い紅の線を引いていた
覗き込む鏡もないのに どういうつもりでいるの ....
どうせなら 今宵
青 噛んで 殺りましょ
呆れるほど 月が眩しいし
余韻など 無い方が好い
明日の朝には きっと
顔も 思い出せないから
だから 言葉なんかで
繕ったりしないで
あたし ....
秒針の刻む音が 目に見えない傷を増やしていく
咳をする度に痛む頭 鏡では見えない残りの日々

敏感な周囲 細心の注意
気配り 気疲れ 気を失って倒れても
自業自得だと 無情な此処の性格
 ....
2トントラックに
沢山の腐った死骸を乗せて
叔父さんと二人で焼却炉へ

気まずい車内に酔ってしまうと
何故かだいすきなひとを
じわりじわりと思い出す


揺れる車内に散らされた腐敗臭 ....
フリカエル。

ふりかえる。

振り返る。

人生を振り返る。

自分を振り返るのが怖いから

人生を振り返る。



フリカエル。

ふりかえる。

振り返る。
 ....
いま おれ
日本語じゃない言葉で話したい
誰も知らない言葉で話したいよ



ハロー かみさま

そして グッドバイ



歌うように吐き捨てて
そしたら
ひと ....
荒んだ感情に とがった心で
向き合えば互いに傷ついていく

しょせん人間はこんなもんだよ
エゴでヒトを傷つけていく

戦のない平和な世界を 望めど叶いそうもない
いつの時代も 戦 ....
 
 
貴方の呼吸が掠めるだけで
私の芯は熱を増す
もどかしい想いに
指先が悩ましげ
 
貴方が瞬きをする瞬間で
私の奥は影を作る
はやりだす想いに
唇が熟して
 
 
 
 ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
全てを投げ出したくなるときがある
何もかもを捨てたくなるときがある

そんなとき
ふっと考えてしまうことがある



死にたい



いつかは死ねる



それが希望
 ....
ガラス窓が
ごつん、と鳴った
振り向いたら
何かがぶつかって
怪訝そうな顔をした
ガラス窓がいた

蝉が死んだのだ
わたしはそっと拾い上げて
犬にやった



窓の外には
 ....


わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている

トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
おれたちはみんな
けっして像を結ぶことのない欲望を
一人で処理する方法を
ビデオから学んで育ち
大人になるまでの
永遠のようなモラトリアムを
飽きることなく
オナニーを続けることでやりす ....
おれは一人で
けものみちを
歩いていくから

だから
身を守る
ピストルがほしい

持っているだけで
きもちいい
そんなピストルがほしい

あちこちに
死体が転がっていて
 ....
新しい名前をもらった。
前の名前が気に入らなかったわけではないが
やんごとなき事情で
今日から新しい名前で生きることになる。

前の名前を突如捨てるのは
勇気がいるし、惜しいものだ。
名 ....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
夕暮れに
打ち水をした小雨
気が付いたら
夏の涼しさが
玄関に居座っていた

そんなことが
嬉しく思える
わたしは
人に生まれてきて
良かった、と


意味もなく
悶々とし ....
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