すべてのおすすめ
わたしがいたら
あなたは
うれしいのかな
よくわからない
わたしはあなたがいると
さみしいの
おなかが痛くなって
道のはじっこにしゃがんでいたら
知らないお兄さんがそばにきて
だいじょうぶ?
と聞いてくれた
わたしは顔を上げた
なんと言おうか迷ったけれど
「おなかが痛いんです」と ....
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
昨日も眠れなかったよ
ちゃんと薬飲んでるのに
何でだ
俺の体に
薬が慣れ親しんでいるんだ
俺の体が
薬に乗っ取られる前に
お前の腕で
その腕 ....
左の肋骨
3本目あたりに
ちっちゃいおっさんがいる
かゆいなあと思って
トイレでみると
3センチくらいの薄汚いおっさんがいた
隠れようとしてたけど
厚みのない胸に隠れる場所はなく ....
あの人は悲しい人だった
公園のベンチで
名も無い詩人の詩集を読んでいた
落葉を栞代わりに挟んでいた
あの人は悲しい人だった
誤字脱字だらけの
名も無い詩人の詩集 ....
ぽすっ・・・ぼすっ・・・
ぽすっ・・・ぼすっ・・・
ぼす・・・
ぽ ....
ピアノの上に跨って横から弾いてごらん
そう横から縦にショパンのエチュードを弾くの
指の動き早い早い早い
ねえどうやって弾いてるのねえちょっと見せて見せて
すごいよまるで曲芸だね
ねえわたしも ....
雨雲で曇った空の下
泣いてる子羊見つけたよ
『お前には血がお似合いだ』
孤独を知って
孤独に愛された
『お前は独りの{ルビ血まみれのマリア=ブラッディマリア}』
佇んだマリ ....
秋の風が冷たいね
こんな時は
君にそばにいて欲しい
僕の心の空洞を
どうか
埋めて欲しい
僕の命なんか
秋の枯葉より軽くて
たとえ消えても誰もわ ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと
血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
ゆらめいて水面
きらめいて光
やさしくなった季節に
少しだけ張り詰めた風が吹く
季節の狭間を
冬がくるまでゆらゆらと
揺れていよう
別れと ....
ぽっかり空いたこころの穴に
いつのまにか小さな庭ができ
そこに小さな花が咲きました
どこからか風に乗って
種が飛んできたのでしょう
知らない間に芽を出して
....
洗顔フォームで歯磨きして
口の中になんともいえない
厭な後味をさせながら
道を歩いていたはずなのに
道はなくなっていた
落ちたと思ったのに
光に包まれて空にいた
でも
やっぱり ....
数ある詩集を詠んで
それを真似て詩を書いた
詩人
辞書を調べながら
かっこいい言葉ばかりを並べた
詩人
落ちている言葉を
拾って繋げた
詩人
なにも綴らず
ただ心の ....
水に映る光を
この手に入れたくて
焦がれても
焦がれても
風が吹けば消えてしまう
たとえば
空にかかる月に恋するように
不可能なこと
たくさん ....
何かに追われているような日々
何かを追いかけているような日々
どちらも
こころが落ち着かない
何を探しているのか
何から逃げようとしているのか
なにも
....
シャワーを浴び
体をすみずみまで洗って
髪をつやつやにブローし
化粧水
美容液
下地
コンシーラー
ファンデーション
粉白粉
ここまでがベース
眉を書き
アイシャドウを入れ
ア ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している
その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
口裂け女の噂を広めた女性は口が裂けていた
公衆電話はワープ装置としても使われている
ティッシュペーパーの72組目は他と質が違う
夜が訪れると同時に太陽は体育座りをして行儀よく次の ....
触れ合うこころが欲しかっただけ
伸ばした手を引いてくれたのは
あなた
届かぬ想いを拾い集めてくれたのは
あなた
何がいけなかったというの
そっと寄り添いた ....
私のブレーキを壊したのは
私自身
私のハンドルを握っているのは
私自身
私をコントロールしてるのも
私自身
私が事故っても関係ないだろ
私にアンタの法律を押し付けないで
私の法律は ....
夢の中 嘘の塵に咽せ、目覚めた
まだ朝の始まっていないガラス越しの街を見下ろし
ベッドに戻ろうとす
ふと気付く
嘘は塵どころか、塊となり
生臭い悪臭を放って
私の体内で脈々と胎動していた! ....
もし君が欲しいなら
僕の時間をあげるよ
もし君が欲しいなら
僕のすべてをあげるよ
君の罪は僕の罪で
君の痛みは僕の痛み
二人だけで
星の海に小船を ....
よる寝ていたら
彼が帰ってきて
ひどく酔っていて
わたしは体を起こした
そしたら女の声がして
女もひどく酔っていて
大きな声を出してる
「もう帰れないんだし泊めてよ」
髪の長い
白っ ....
暗闇の中の大きな木
紫色の花がぼんやりと咲く
濃い緑と紫の混ざった匂いの下
わたしは靄のかかった月を見上げる
これはぜんぶ
いまわたしだけ
秋の長雨人恋し
時折激しい雨の音
耳に記憶を呼び覚ます
遠い遠い過去達の
雨にまつわる記憶達
哀しいこともあったけど
楽しいこともあったよな
....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う
乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める
「 ....
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