すべてのおすすめ
頭痛の理由は
きっと記憶の右裏にあって
鎮痛剤は捜し当てられない
迷路を更に複雑にした
毛細血管の集落で
私は愛してるを
どのくらい循環させられるの
耳から ....
指の動きでドレミを造った
見たことのない音
奏でることに夢中だった
何に夢中なの?
そう聞いて返ってきた言葉に
私は膝を抱えた
寂しいからじゃないよ
....
死にたい と
高齢社会に溶けた脳で
夏の高い湿度の中
叫ぶ
肌にまとわりつく
生き甲斐 は
段々と煩わしいものになってゆく
短い命で
生きることを精一杯謳う
セミに ....
目を覚まして
つけっぱなしの電気に
駄目駄目と首を振る扇風機
頭上ではコンポが唸ってる
抱かれない抱き枕に
足だけ投げ出して
ヨガのポーズをとってみた
ちょ ....
タオルケットに包まれて
ひとつ
大きな夢をみた
色は 知らない
音は 要らない
そんな
ただぼやけた場所
温かい
夢だとわかっていた
から
....
沢山 沢山
愛でた花は
いつの間にか
僕の身長よりも
伸び て
初めて買った
赤いガーベラのように
僕の右眼は紅くなった
細かな艶やかさを
「綺麗 ....
いつまで経っても動くことのない
「もう一度」
を求めながら
僕は夢遊病者のように歩くよ
てとてと、と踏んだ畳には
陽にやけた跡が真新しく
そこにあったある物を思い出させた
....
貴方の呼吸が掠めるだけで
私の芯は熱を増す
もどかしい想いに
指先が悩ましげ
貴方が瞬きをする瞬間で
私の奥は影を作る
はやりだす想いに
唇が熟して
....
間違ってもいない公式を
何かおかしいな
疑って消してみた
もう二度と正しい公式はたたなくなった
暗くもない部屋の電気を
何か違うな
怪しんで回してみた
もう二度と ....
朽ちてしまった
想い、は
2000年になった瞬間に
冷凍庫にしまった
7年経った今
解凍しようと
キッチンに出しておいた
月日が長かったせいか
カチコチに ....