すべてのおすすめ
たんねんに こさえた ゆきうさぎ
あなたが ふりむいてくださらないから
きょうも 赤い目の ゆきうさぎ
ぼくらは
いちども
愛してるよ
好きだよ
と
言い合ったり
していない
多分
私の片思いだから
ぼくらは
いちど
またねという
さよならをした
だ ....
息も乱れ、瓦礫の町を彷徨えば
徒(あど)なく見あげる空は燃えさかり、
逃奔する馬、羊、火を吹くF‐35ライトニング?
目視の肩撃ち式スティンガーに撃墜された、
――あれは有翼の機械獣。
や ....
きみのすがたのミニチュアみたい
さきぼそりの指
ちいさな肩?おおきな頭?
さきぼそりの洋梨
指もお尻もクリトリスも
世の中のひかり
すべてめぐりめぐって
きみ ....
もう
秋をくくっておしまいよ
ありあわせのヒモでいいから
週刊誌と新聞紙を
別々にするように
そう
風と光は
別々にくくって
お別れだ
わたしはかならず
まいります
( わたしなど忘れて
どうぞ握って
こぼれてください
もうすぐ
/わたしの
波打ち際で
ひたすら
ひたすら
なんときた ....
いつか死ぬ
ってことと同じくらい当たり前に
恋は終る
今座っている
椅子も無くなるし
すべてが
変更になる
もちろん
地面も無くなるし
きっと時間も
無くなる
ね、無
ね、 ....
夜は記憶の始まりから来たのだと
慰めるように紡いでいた物語を
君が聞くことをやめてから
どれだけ経ったのだろう
昨日から
世界にひびが入りはじめている
そこからあふれる酸素 ....
ふと 横を見ると
あのひとがいた
1年前
恋こがれて
夜の渋谷の坂を
走って追った ひと
横顔 今もすてきだ
30センチも離れていない
ところにいる
あっ
彼は ....
目覚めると真っ先に君の二の腕を求めた内側から蝶の刺青を浮かび上がらせるそれを僕はどうして失ってしまったのかほとんど無自覚のまま
本当に美しい言葉は永遠でも真実でも物語でもなくあなたの唇が開いたと ....
何かしら対価を見出したので愛するんだと思う
男のひとなら性欲の捌け口だとか
下心で膨らんだ股間を隠し
君だけを愛しているなんて恥ずかしくないのかな
女のひとだとしたら
無性に巣篭もり ....
通り沿いにガラス張り
湯島のちいさな洒落たカフェ ペグ
オーナーの娘だろうか店員女性にときめくわたしは
「おはようございます。玄関マットの交換です!」
の発声加減については役者なみだ
マ ....
今年最後の林檎もぎの日は晴れて
山に建つ我が家では霜が降り冷たかったけど
生まれた家の近くの林檎畑に長靴で行くと
陽気で 草露になっている
十月の葉取りから会社の休みには手伝い
雨の日は ....
かなしくって
悔しくって
ピザをとって食った
わたしは
安い赤ワインと
テーブルクロス
ナイフ、フォークその他のものを用意し
ピザを待ちかまえた
目のまえの机のうえにのっか ....
あなたには どの花がお似合いでしょうか
私に あなたをわかってあげられるでしょうか
お似合いの花を捧げられるでしょうか
贈る花は 言葉を伝えられますか
あなたに伝え ....
中学の用務員パンパカは
第二グラウンド裏手の平屋に住んでいた
戦争中はラッパ手だったのでパンパカ
短気な爺さんでからかうと怒り出すのでパンパカ
上級生の一部男子は面白がってかまっていた
かば ....
土屋さん
百日咳ではありませんでしたよ
あぁ
長引いた風邪は
大人の百日咳ではなかった
そう言われて
病院を出たとたん
おなかが空いてきた
朝 家をでるまで
ずう ....
気付かないで
気付かないで
ただ 貴方の横顔に
恋をしているだけ だから
気付かないで
気付かないで
ただ 貴方の横顔に
夢を見ているだけ だから
気付いてしまえば ....
背のちっちゃな女の子
男好きのする笑顔が印象的で
逢う度に違う男の子と一緒だった
背のちっちゃな女の子
いつも彼氏の背中に隠れてた
風が吹けば彼氏の体を風避けに
雨が降れば彼氏の差した ....
ひとりでふたりぼっちになるよりも
ふたりでふたりぼっちでいるほうが
あったかくてやさしくてなつかしい
今という時間に
ふたりでいれば
集中できたんだ
ひとり ....
どこからともなくやってくる
闇を切り裂いて光のほうへ
太陽が東へ沈みゆく
ときめいた心を壊すため
たんこぶ駱駝がやってくる
空を飛ぶのもいいだろう
野を駆けるのもいいだろう
地中へ潜るの ....
村田さんと 大谷さん(17歳〜27歳の女子2人組)
『 ヒーローインタビュー 』
* : * : * : * : *
村:もし男に生まれてたら 何になりたい?
大 ....
えんちゃんは、ピアノが大好きな女の子。
色が白くて細い、たくさんの人の中でいつもニコニコしている子。
だけど本当はいつも一人ぼっちなことを、私は知っていた。
ある日、えんちゃんは恋をした。
....
窓から
あなたは手を
しっかり振って
千切れた白い指をばら撒いて
電車と去っていった
撒かれた指は
日増しに
育って
鉄釘のように伸び
タイヤに穴を開けもした
だれも
どうす ....
台所が火事で燃えている
私が寝ている間に火が消えてくれるだろう
そう思って寝ていても
火は消えなかった
もうかれこれ
半年になる
強風が冬を迎えにゆき
冬を連れて戻ってきた
....
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった
公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた
で ....
うつろな視界の外側で小鳥の囀る気配
ひとしきり肩の上を行ったり来たり
動こうとせぬ私の様子をいぶかしく感じたのか
右の頬を軽く啄み樹海の奥へと飛び去った
時の感覚を失う
それがこんなにも ....
きみには本来だれもいなかった
血を分かつはずであった兄や姉はもう先に、
緑色のはなたれた地平で仲よくみつめあって
いた。ほとんど恋人のような握りかたの
手と手
は
かたくリボンで結 ....
きもちよかったから授業が終わったあともふやけるまでプールの底で自作のテクノポップ歌ってたら初潮がきちゃって、ドリルみたいに。あまりに前衛的でショックで水がピンクで、ねばねばしてるのをだれかに伝えたく ....
26年目の記念日
落ち着く和食居酒屋の個室で
あたしは
貴方に
指輪ケースを差し出した
もう一度 はめ直して
いつの頃からか
あたしの薬指には 指輪の跡さえ
なくなってい ....
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