すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの
こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ
たましいがぱちぱちな ....
また新しい朝をもらって
水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる
足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる
有る ということについて
猫の前足の ....
・・・雨。
空は願いで満たされて
重く沈んでゆく(まるでヒッグス粒子だね)
それでも
雨上がりの夜空
皮肉でしょうか
なんだか空気が澄んでいるようで
夏のわりには
綺 ....
輝きを追いかけ続け立ちすくむ向日葵は今も恋をしている
雨上がり雫きらめく紫陽花の空の彼方に七色の虹
睡蓮は神話の国の夢を見るまどろみながらたゆたう水辺
満月の月の光に誘われて待宵草の ....
ざーざー雨の日曜日
レインブーツは水のたま
ぼくはしっかりにぎられる
柄の先からつめたくしたたっても
しとしとぽたん月曜日
こつこつと歩く・先をつく
ぼくはしっかりにぎられる
お ....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
雨の日の憂鬱の原因が
洗濯物が乾かないせいだと
今、気付いた
湿っけた洗濯物が
部屋中に吊るされて
うっとうしい
ベランダに干された洗濯物も
いつ乾くか分からず
さらに絶望的気分になる ....
歌を聴いて
映画を見て
美しい自然に触れて
素晴らしい芸術に出会って
誰かを心配して
努力が実って
幸せを実感して
絶望に悲観して
人は死ぬまでにどれだけの
涙を流すの ....
じめじめと蒸し暑い日でした
それは一目ぼれと言っても過言ではない衝撃
帰りの飛行機、声を殺し嗚咽をもらしながら泣く中学生
恋を知った
お酒もたばこも解禁だ
貴女に引き摺られる、引き寄 ....
たうえがはじまると
どろのにおいがしてくる
すがすがしい
どろのにおいがする
わたしのさいぼうも
にわかに
ぶんれつしはじめて
はだがかぜに
すきとおっていく
....
なんにもいらない
もうなんにもいらない
なんにもいらない
記憶にものこらなくていい
あなたが望む証が来るなら
ぼくは存在しなくてもいい
なんにもいらない
もうなんにもいらない
なん ....
歌声をたよりに 君を探してた
夢だとわかっているのに それでも君を…
点々と続く足跡は猫みたいに小さいのに
その向こう側に君がいると確信する僕
足元が滑って まるで地球儀の上を歩いてるみた ....
まだ恋の列車に乗ってすらいない改札口をくぐったところ
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幼い日
五月五日
かしわもちが右手の親指にからみつく
ふわふわした髪
大きな耳
口元に大きなえくぼがあった
一瞬の喜び
木の床に ....
それ以上どこにも行けない場所で
言葉をどれほどつみあげてもかたちにはならなかった
ささやいて
抱き合って
口づけあって
交わりあって
罵りあって
それ以上どこにも行けない場所 ....
今日
わるぐちを投げた
うまくいかない 輪投げみたいに
二度ほど
書き直してから
送信
ほどなく
私の書いたわるぐちが
白い画面に現れる
匿名の
小さな怒りだ
ああ
私 ....
確かに歳はとったよ
正直に言うなら老いたのかも知れない
からだは正直に歳月を投影する
そりゃ60年も酷使してきたんだ
無理をすれば音も挙げる
死にかけたことだってある
でもぼくの精 ....
去年
被災地カーネーション
母の日に
贈ることも
贈られることもなく
カーネーション
津波にのまれ
それでも咲いた
カーネー ....
車椅子の母の髪をカットした
チョキチョキ ハサミで切りそろえる
黒い髪より 白髪の方が多くなったね
わたしは 母が年を取って授かった
上には 年の離れた兄弟たちがいて
望まれないまま ....
古本のあいだにみつけた四葉のクローバー
これをはさんだのはどんなひと
幸福をひとつ逃したのかなあ
それならかわりに僕がもらっておこうか
きみの幸福の受信感度は良好かな
太陽にはいま怪物級 ....
さくらんぼの花が咲いている
うっすら目を閉じ微笑んでいる
ソメイヨシノのような艶やかな色香はない
浮世を忘れようとその下で酒宴を張る者もいない
白く清楚なその花は
....
初夏
少年の頃
お話の木の絵を見た
広葉樹の木陰で
子供達が
眼を輝かせ
耳を傾けている
お婆さんのことば
森や草原を漂い
風に運ばれて
村や町や港や
海や諸国を巡り
....
ママ あたしはアンタが大嫌い
ママ アンタはあたしを殴って出て行った
あたしを捨てて出て行った
ママ アンタを殺したい
ママ あたしは絶望してるんだ
アンタをなぶり殺しにしたい
憎 ....
みえないところで
さみしそうにみえること
みえないところで
さみしそうにきこえること
わたしをうつしているのかな
わたしはおなじくらいさみしいのかな
しゅんとなるわけではないけど
....
叩いても
返事のない扉を
一生懸命叩き続けて
もう何時間たったんだろう
呼び続けた名前は
扉の隙間から
君に聞こえているのだろうか
分厚い扉を隔てた
君と僕
....
嵐の海を
さまよう
一艘の舟
なすがまま
耐えるのみ
時間が経つのを待ち
天に祈る
無事に帰れますように
次の朝港につく
灯台は一晩中
見守っていてくれた
感謝します。
....
少し大げさに
五月の朝を吸い込んだら
つまらない不純物など
軽々と許せてしまうくらい
気管が心地好くせせらいだ
少し控え目に
五月の朝を吐き出したら
ためらいや秘め事を
うっか ....
白んだ朝
淡々と家事をこなす女たちのような夜が明ける
現実の襞をめくると、憂鬱に垂れ下がった雨が、湿度と共に滞るように霧状に落ちている
五月の喧騒は静かに失われている
....
雨上がりの傘はステッキ代わり
クルクル回してスキップすれば、水たまりにパシャリ
そして、キャッキャ、キャッキャと
いつも独りで膝を抱えて座っていた
遊びと言えば砂に絵を描くことだった
お母さんは気付かない
幸せでも不幸せでもなかった(はず)
もう少しおじいちゃんちに居たかったな ....
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