郵便受けに葉書を取りに行くと
ワニが立っていて
小包は腹の中にあると言うので
両手で口を大きく開いて
上半身を口の中に入れて
ようやく取り出すことができた
小包を開けると
小さな電卓が出 ....
耳をあてると鼓動が
貴方が生きている音が
私は暖かい貴方の上で
安心してすやすや眠る
手の中には二つの錠剤
私の命を助ける二つの薬
心を満たす貴方ともっと
一緒に居たくて
苦くても ....
好きだよ君の事が何回断られたって好き
しつこい奴かもしれないでも好きだから
一秒だって好きな気持ちを忘れてた事無い
何回言っても足りないよ好きだよ君の事が
好きだからしょうがないじゃん好き ....
小学校に入る頃か、もしかしたらそれよりも前かもしれない。
僕のかなり最初の頃の記憶だ。
なぜだかわからないけれど、
僕は、自分の父も、母も、宇宙人かもしれない……と思っていた時期がある。
僕と ....
南アメリカの移民たちが
今日も公園のベンチにだらだら集まり
俺は隣のベンチで
空を見ている
ぽっちゃり太った女たちと
小柄だが生活を支えてゆく肩を持つ男たち
幼いのに遠い目 ....
キーを差込みカチカチッと回す
深くまでまわす
詰まったような音とけたたましいブルルンとが混ざって震えだす
動き始めるんだ
俺はまだ、コイツを自由には扱えない
....
女にふられたので、
ナイアガラへ行って死のうと思った。
三連休の初日の朝から、ビールを飲んで、
失敗した。
急にドライブに行きたくなったのだ。
もう遅い。
そうゆうものだ。
訳知り顔の大 ....
とにかく
自分の運勢が悪かったので
占い師にみてもらうことにした
これまでの自分の生き様を語る前に
その占い師は
ことごとく自分のことをいい当てた
この占い師は本物だ
占い師の言うことに ....
-永遠-
大地も
地球も
太陽も
宇宙も
その輪郭にすら触れられないもの
-人間-
刹那の命と
僅かな知識で
神の掟に逆らおうとしている
…そして力 ....
曖昧だ
曖昧だ
あーいまーいーだ
私の位置がそもそも
曖昧って
いうの
と
喉に焼け付く
胃液の味を堪能し
駅のトイレの水を流す
涙
うずうずと流れ
あの星
美しいわ ....
物語を聞いてしまうと
彼女は不満げに頬を膨らませた
小さな手がタオルケットの端を
強く握っているのが見えた
硬く白くなって
欲しいものを手に入れられない嫉妬に
震えている
だから
....
2007/02/10
ぶり大根のように
生臭くて
柔らかい物が好きなんですよ
歯がないお年寄りのように
笑顔を漂わせて
見知らぬ人が挨拶するから
....
モネよりも
ルノワールよりも
キスリングの絵が好きです
彼の描くミモザは
その小さい花の一つ一つが
どれも眩しいほど鮮やかなのです
それは美しい憧れです
あなたの目に
私はその ....
路面が凍りそうなほど寒い朝
彼は社長を迎えに行った
自宅に着くと
リビングのソファで社長が
頭から血を流して倒れていた
頭の中身は
アンティークの柱時計に ....
蒲鉾がなくなったので、
あたしは買いに行く。
近くのスーパーは深夜まで開いている。
あそこの練り物はコンビニのよりも美味しい。
そう彼が言っていた。
自転車に ....
問1
生きる事 □ 死ぬ事
四角に入る記号はどれ?… >, =, <
問2
一番大切なものはどれ?
愛・夢・金・平和・金・命・自分・他人
問3
愛とは何か
10 ....
「僕」という種をまいた
「僕」が芽を出して
高く広く枝をのばし
深く遠く根をはって
空からも大地からも
みんなを見守れるように願った
「僕」という種をまいた
....
走っているのです
よろめきながら
戦ってきたのです
血を流しながら
憎んでいるのです
憎まれているのです
疲れてしまったのです
そんな世界には
もう誰も憎みたくない
....
時の経つ速さを
矢の速さにたとえた言葉があるけど
そんなものじゃあ 計り知れない
時間の流れがそこにはある
半年しか経っていないのに
もう何年も 何十年も 何百年も ....
ミランダ やさしい亜麻色の髪
青い瞳で微笑みかける
ボッティチェリの絵から抜け出た天使
裸足で草原を歩くのが似合う
ミランダ 白鳥の細い首筋
もうすぐ居なくなると告げた
はかなげな ....
「あなたはいい人に見られたいのかしら?」
「悪く見られるよりはね」
「どうかしてるわ」
「どうかしてる」
「昨日、九龍城砦に行ったの」
「夢の話?」
「コンクリートの山の上で、煙草を吸 ....
牛さん豚さん鳥さん、たまに熊さん
お肉はとっても美味しいよね
ボクはお肉が大好き
けど、ボクがいつも食べてるお肉は
何のお肉なのか知らない
知ってるのは動物さんのお ....
寝ても醒めても真っ暗だぞ最近どうも
ぴとぴっと降りしきっている雨と雨雨
振り絞った空気には 氷酢酸の結晶が混じって
冷たいプロミネンスが心の野原を這いずり回る
ああ 明るい天窓から社会が垣 ....
冷蔵庫を開ける
冷やしたバナナを一房
あの娘にあげる
愛らしい目の
狸みたいな娘
どうしたい?
バナナは嫌いかい?
冷蔵庫がブンブン鳴って ....
外見だけ取り繕ってみても
貧相な中身は丸見え
ダサいね
周りから白い目で見られても
自分の信じた哲学を貫く
格好良いね
恥ずかしくないの?って
それはこっちのセリフです
面 ....
?.
ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ
桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
....
最近の紙ってのは
紙じゃないね
ケント紙だとかルーズリーフだとか
下らない
にじまない紙の何処が紙だというんだ
紙はね
にじんでこそ紙の価値が問われるのさ
とく ....
と、
いうわけで。
この国は美しくなりました。
美しい国に人間たちいません。
美しい国に人間たちいりません。
だから人間たちみんなで食べました。
美しくない人間たち ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
白い景色が絡まる
指から指へ
脳から脳へ
伝わる温度が生暖かく
存在するはずの無いVanilla
冷気にも似た刺激
背後から包んでいけば
固体にも近いIce
とろける様な仕草で ....
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