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冬
中心と空洞
球面と化石
向かいあえない
水の砦
しあわせ
ふしあわせに触れずに
消えるしあわせ
夜の道をはばたく
濡れた鉄の火
曇りの地図が
晴れ ....
独裁者についてった時代を
その時代の人々を今振り返ってどうかしてたんじゃないかと思うように
百年二百年たったら
俺たちのことを
俺たちの時代をどうかしてたと思うのか
船はずっと北を目 ....
桜の花びらが散り
グラウンド沿いにつくられた遊歩道に降り積もる
つよい風が吹いて
目を瞑るしかなくて
吹き飛ばして
恐る恐る目を開けると
視界いっぱいに花びらが激し ....
一 秘密の楽園
二人の世界の入り口は
いつだってこの実験室
あなたはそっと私を呼んで
脱いだばかりの白衣を着せた
袖の長さが余っていて
なんだかとても不恰好なのだけど
....
「は・ひ・ふ・へ・ほ」という文字が
ひとつずつだと
「は〜」「ひ〜」「ふ〜」「へ〜」「ほ〜」
ほら、なんだかため息みたいでしょ
「は・ひ・ふ ....
遠くへ、じりりりと
八条口が大きく広がって
宇宙のノドちんこを官能的に触るように
水に溶けた塩のような関係性の匂いを嗅ぎ分けて
グローバリズムが歩いているけれど、
立ち止まる方法を知らない文 ....
インコが、ぴーちくちちちと鳴きます
空には大きな雲がゆっくり流れて行きます
風はまだ少し冷たいですが
日は少しずつ暖かさを増しているようです
さわわ、と風が街路樹を撫で
どこか遠くの懐かしい ....
ジョニーは
教えてくれた
好きな女に惚れられたかったら
まず
嫌われろ
どーでもいー男になるな
お前は人がいいからな
すぐ気に入られて
近くには置いてもらえるだろうが
いいか
....
何時も通り 起きて 歯を磨き パンを食べ 何時も通り ズボン履き 上着を着て 化粧して 何時も通り 電車に乗り 降りて 職場まで歩いて 何時も通り 昼がきて お弁当開いて ....
首都高は10kmの渋滞です
この町では思うように動けない
気を紛らわそうとラジオを捻った
今週末の天気予報
最近2箇所の天気を気にしている
それだけ僕等は離れて暮らしている
たった一週 ....
雨の日に嫁入りした
嫁ぐことの条件は
髪を切ることだった
『暁の魔王の花嫁』
髪は
『神』に繋がるから
あの人は其れを嫌った
逆に
嫁いでからは
....
「死」という物
すぐ近くにあって遠くにある物
体に触れているのにつかめない物
体は動けるのに逃げられない物
どんなに恐怖を覚えて哀願しても
....
静かに
静かに
この道で
風が眠っています
起こさないように
そっと歩いて
通ってください
風はとても敏感で
すぐあなたに
気づいてしまいます
静かに
静かに
この ....
小学生の頃
春の小風の中にふわふわと漂う
ケサラン パサランを見つけた
うさぎのしっぽのような丸い格好をして
まっくろくろすけが
まっしろしろすけに塗り替えたのかと思った
ぼくは
逃げら ....
今夜も眠れずに空を見上げた
今日もカラスと少しお喋り
眠れない夜の詩を共に詠った
漆黒に生やした羽が舞う
さ迷うことなく闇に溶けて
鮮やかに存在を示していた
僕は密かに憧れて
密かに ....
板金工場の常夜灯が鼻先を照らして
土手を越えてくる 河のすえた匂い 廃水とフナの
遮断機が下りてきて カンカンうるさくて
鉄橋を渡ってくる貨物列車 積荷の豚と目が合う
電話ボッ ....
いつも持ち歩いている
めぐすり大好き
ひんやりするし
さわやかーするし
おめめぱちくり
なみだもながせる
なによりも
めぐすりさすときは
どうしても
上を向かなくちゃいけません
....
わたしは毎朝目覚めると、
あなたの前で尿をする。
下半身を突き出し、
あなたがそうしていたように、
尿をする。
わたしの尿は、
黄色かったり透明であったりす ....
水は自由だった
形はなく
その場所がその形だった
自らの意志で
動くことができなかったが
絶えずすべてが動いているので
別に苦ではなかった
暑くなれば
空に浮くこともできた
のん ....
ちりとりの群れが
空を飛んで行く
南の方へと
渡る季節なのだ
僕らはその姿を見送り続けた
トリはトリでも飛べないトリは?
隣で君がつぶやく
答えなんて
いつか見つかる
深い海の底に
ずっとずっと
堕ちて
眠って
逝きたい 逝きたい
でも
本当は
歩きたい
掴みたい
においたい
笑いたい
....
郵便受けに葉書を取りに行くと
ワニが立っていて
小包は腹の中にあると言うので
両手で口を大きく開いて
上半身を口の中に入れて
ようやく取り出すことができた
小包を開けると
小さな電卓が出 ....
耳をあてると鼓動が
貴方が生きている音が
私は暖かい貴方の上で
安心してすやすや眠る
手の中には二つの錠剤
私の命を助ける二つの薬
心を満たす貴方ともっと
一緒に居たくて
苦くても ....
好きだよ君の事が何回断られたって好き
しつこい奴かもしれないでも好きだから
一秒だって好きな気持ちを忘れてた事無い
何回言っても足りないよ好きだよ君の事が
好きだからしょうがないじゃん好き ....
小学校に入る頃か、もしかしたらそれよりも前かもしれない。
僕のかなり最初の頃の記憶だ。
なぜだかわからないけれど、
僕は、自分の父も、母も、宇宙人かもしれない……と思っていた時期がある。
僕と ....
南アメリカの移民たちが
今日も公園のベンチにだらだら集まり
俺は隣のベンチで
空を見ている
ぽっちゃり太った女たちと
小柄だが生活を支えてゆく肩を持つ男たち
幼いのに遠い目 ....
キーを差込みカチカチッと回す
深くまでまわす
詰まったような音とけたたましいブルルンとが混ざって震えだす
動き始めるんだ
俺はまだ、コイツを自由には扱えない
....
女にふられたので、
ナイアガラへ行って死のうと思った。
三連休の初日の朝から、ビールを飲んで、
失敗した。
急にドライブに行きたくなったのだ。
もう遅い。
そうゆうものだ。
訳知り顔の大 ....
とにかく
自分の運勢が悪かったので
占い師にみてもらうことにした
これまでの自分の生き様を語る前に
その占い師は
ことごとく自分のことをいい当てた
この占い師は本物だ
占い師の言うことに ....
-永遠-
大地も
地球も
太陽も
宇宙も
その輪郭にすら触れられないもの
-人間-
刹那の命と
僅かな知識で
神の掟に逆らおうとしている
…そして力 ....
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