白詩
みもる

先生は
花瓶に一輪の花を持ってきて
作文を書けと言う

こんなやつでも先生になれるのか
僕が代わって授業をしてやろうかと思った

考えても考えても
頭の中の言葉たちが整列してくれない
まるでこいつら馬鹿なクラスメイトだ

綺麗な言いまわしも
あの子を思い出すと手が止まった

百文が一見だとするならば
僕はいったい何文書けばいいのだろう

大声で叫んで机を蹴飛ばして
脳みそをぐしゃぐしゃに丸めて捨ててやりたい

諦めて僕は
真っ白な紙を見つめる

そこには

見たこともない雪景色
雲の中のくすぐったい世界
まぶしくて何も見えない朝
何一つ置かれていない部屋

自由

僕は一番に席を立ち
白紙を提出する

「先生も、想像してみてください」


自由詩 白詩 Copyright みもる 2007-03-20 01:53:45
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