すべてのおすすめ
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ
帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる
それなのにどうしてそんなことを言うのだろう
こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
この碗はわたし
ひんやりとした手触り
入っていたのはひと綴りのことば
自分に深い意味はない
ここまで来て
この次に至る中継点であっただけ
どうなるか分からない はいいろの海に
漕ぎ出し辿 ....
正でも負でもない0
0は虚数のようなものだ
実存から自由な
観念とは
0や虚数のようなものだ
ぼくはきょう
あるひとが美しいことを
発見したんだ
....
なんとなくって
あまり好きでないことば
でも毎日使うことば
なんとなく好き
なんとなく幸せ
なんとなくつかれた
意味なんて考えたことはないし
意味なんて
どうでもよかった
き ....
ごがつのかぜ、ごがつのかぜ、
さあ目を閉じて
さあ目を、
開いて
すー
はー
空から、山から、やってきて
ほほを撫でて
河童が顔を出して
また ....
かつて国鉄全路線に乗った
作家の宮脇俊三さんはこう書いた
「何かと不満の多い人間は
一度夕張線に乗るとよいと思う
いくらかおとなしくなるに違いない」
文句のある奴は夕張へ来い
文句のある奴 ....
なくしてしまったものが
消えてしまうわけではない
わたしのものでなくなっても
世界には全部ある
つまりそれは
みんなのものだけど
わたしものじゃない
すべてを知ろうとして
百科 ....
世の中には支えるひとと
支えられるひとがいる
支えるひとは暗い海に胸元まで浸かり
力の限り支え続け
次々と押し寄せる荒波に揉まれては
やがて力尽き海の藻屑と消える
支え続ければ ....
16のころ読んだ
大江健三郎の小説を
古本屋で文庫で百円で買った
道を渡った喫茶店で
39の俺が読んだ・・・
墜落する物体を見る興奮
幻のように確かな手触り
....
あなたはいつも
わたしの
開かれた窓でした
そこにはいつも
新鮮な空気が流れていて
清潔な水色の空とつながっている
たとえばそれは
岬の草はらの淡いスケッチで
たとえばそれは
ガ ....
?値の概念
きっちり敷きつめた箱
早回しの時計
生まれたばかりのドットに侵略
引き裂かれた白地の残骸
曖昧なグレイの幸福
水色の融合
ユデタマゴを食べる風景
ピンクの破壊
極 ....
二番地の内田さん 前田ふむふむ
白いあごひげをはやして、美味しそうに、キリマンジェロを飲む、二番地の内田さんと呼ばれている、この老人は、若い人と話をすることが、何よりも好きだ。よく、真面目 ....
森の夢―古いボート 前田ふむふむ
1
青い幻視の揺らめきが、森を覆い、
緩んだ熱を、舐めるように歩み、きつい冷気を増してゆく。
うすく流れるみずをわたる動物 ....
イヤホンから流れる唄も、口ずさむ僕の声も。
三号線の騒音に掻き消されて。
どこかに消えていく。
だから、って訳じゃないけど。
もう少し唄ってしまおう。
大丈夫。バレないか ....
魚が潜って行く絵だ
深海ではないような気がする
かと云ってこの頭の中だけではないのだ
大きな
魚ではない
小さな魚の大群でもない
どちらかと云えば弱者でありたい
大義名分 ....
埃に塗れたガラスに映る
くたびれ果てた繕い笑顔
二日酔いで始まる月曜日
やるべき事が頭を巡る
子供の声とエンジン音とが
交互に僕を追い越していく
皆一様に行くべき場所へ
望む望まぬの ....
080510
生まれたばかりの赤ん坊
歳を喰った赤ん坊
仲良くならんではしゃいでる
これから通る寄り道は
怖いお化けが威張ってる
拳骨 たんこぶ 雛あ ....
もう子供には戻れないのだから
一人目覚める部屋には今日の予感は転がってない
でもだいじょうぶ
もう子供には戻れないのだから
いつもの気だるさといつもの痛み
もう理由を探すことをや ....
響いているのは雨音
夜が深くなると
それはいつか
遠い海に似てさざめき
わたしは
波に洗われたひとつの貝を思う
ところどころが欠けた貝殻は
すこしの闇を内包しており
誕生からずっと ....
男と女をこえて
きみを抱きしめたい
欧米か!
なんて言われたいぐらい
そんな気持ち、なんだ
外灯や月がさやかになる
五月の闇が深くなる
月日は軽い足取りで ....
林檎がふるえている
暗い海の底で
ヒリヒリする電波を発しながら
傷んだ痕をさらしている
林檎たちがふるえている
共鳴しながら
いくつもの透明な触手を
スルスルのばし
痛みをそっ ....
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく
アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた
手術自体はあっと言う間ですから
こころにメスを入れる ....
{引用=いつまでも生きていこうよ}
桜を見に
車椅子を押す
その背中
“来年も見に来よう”
孫から貰った桜の花
手の中に大事にして
見つめながら
“それまで生 ....
眠りから覚めた繰り返される生き物のなだらかな営みの音を聞く
流される眼差しの辿り着くその先にぽつりぽつりと滴る雨だれが
森の入口から順番に整列する椎や楢 栗 椚に少しずつ吸収される
....
飛び立つ後ろ姿を
どこかで見た
朝
の記述を
探して
黒く浮かぶ
記憶の島を探し
脳内を辿ってゆく
鳥
ほの明るい
Cellの海の
上空に浮かび
....
浅い春だから
吐く息はわずかに白く
見上げてため息をつけば
ひとり六分の月
面影というにはまぶしすぎて
思い出というには遠すぎて
もう歌わないと決めたうたをつい口ずさむ
もう ....
まだ木蓮の蕾はろうそくのようだ
満員電車をおりて駅からでると汗は
まだ浅い闇の風に体臭をうすく匂わせた
いとなみはやわらかに撫でられている
爽やかな夜に
春の夜に
....
なくした言葉がいくつかあって
それを、また
見つけだすのにあたふたなんかして
正しい言葉
わからないんだ
ぼくは
言葉は無力だと知っていて
それで ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う
焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす
傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
....
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