すべてのおすすめ
闇にうまれた水滴
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音階があるならば
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まどろみの向こうで
たまごが焦げる
かしゅ、かしゅ、と三つを割って
手馴れた指は
ぬるく充満した昨夜の空気と
朝とを掻き混ぜたのだろう
ふっと白くなる意識と
休日の実感とを
贅沢に ....
ほんとうの事が知りたいけど
正しいかどうかはどうでもいい
つまり、とりあえずは磁北を信じて
夜どおし動かない星を探し出す
北極星、と呼ぶのは僕たちだけで
イトスギ達にはきっと別の呼び名がある ....
四国の夜
ひっそりとしています
ひっそりとしているのは
夜ではなくて
わたしなのですが
宇宙のどこか小部屋から
その魔法なら知ってます
四国の夜
....
ピアノのあしは楽器を支えているのか
それとも音楽を支えているのか
ギターをかき鳴らす仕草は
そのあしに似て、共鳴する独り言
マイクを持って空を指したとき
ひとはただのマイクスタンドでしか ....
現実はいつも
残酷な音をたてるからね
いまだに
感情をふりきれないこの男は
情けない、と
つぶやくコトバ以外を思い浮かべられなかった
あてもなく
わらい顔をつくっ ....
森林の中
ひっそり潜む
小さな月
あさい眠りの
はざ間を泳ぐ
黒い魚影が
ゆらり と
身体をしならせ
ついばんでいく
冷たい魚の接吻に
吸いとられていく
....
それは約束された儀式
かりそめの情熱
どちらが先に瞼を閉じるのか
けものの眼差しとなり相手の出方を窺い合う
わざとらしく歯を閉じ
拒んでみせるのは
初々しさをこころにまとい
....
野いちごを食べて、細いけものみちをわけいった。
蔦が絡まる門が、行き止まりを告げているが、
白い壁に覆われた一対の塔をもつ建物は、
わたしを甘い蜜のように誘惑した。
とり憑かれたように、門をく ....
今日は静かな雨
君と焚き火をしよう
やさしいぬくもりでは
凍えてしまう夜だから
黒松の薪なら
煙は雲まで届くだろう
そしたら湿り気の凝集で
雨が雲から
絞り出される
だから焚き火 ....
ハンカチが飛んで、
きみのスカアトがめくれて、
ぼくの目線をとらえて、
きみはウインクをして、
踏切の音がして、
知らない歌が聞こえて、
人々の足音が止まって、
ギタア ....
未来とは
刹那の最果てのことである
未来とは
刹那のはじまりのことである
未来とはつまり
現在、という
この一点に包含され
現在、という
この一点を包含 ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても
しあわせなら
よりしあわせになるように
そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように
できることなら
あなたの ....
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
衣類を剥いて 手足を縛った
跡が残るように きつく きつく
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
....
哀しみのあなたの窓辺に秋桜いちりん
――凹
灰色に覆われた低い空に
押しつぶされて
想いと呼ぶには小さな
いくつもの欠片が
重たくなって
沈んでゆくだけ
雨ならなお一層
....
1
真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
曇る窓の先は雨
バスの湿り気に汗ばむ
ポケットのハンカチ
フロントガラスをぬぐうワイパーの往復が
息苦しさをリズムにのせようとする
雨の降るしくみは
学校で教わった ....
うそは泥棒のはじまり
だったはずなのに
ひとは誰でもうそをつく
愛するが故のうそだからと
あのひとは
目も合さずにつぶやいた
その場しのぎのうそを重ねて
針千本の〜ま〜す
....
変わらない時間
それが繰り返されている
そういう場所が
きみの心にはありますか
きまりきった場所を、
足ばやに、ゆき過ぎる、
魂を、みがく暇すらありません、
....
いま
あの日、に立っている
右手をのばし
空の高さを測るきみ
手招く左手は
薄の穂の間に
見え隠れして
黄昏の
目で追う背中には
金色の翼があった
喧嘩しても
すぐに忘れ ....
幸運の女神は前髪しかないって
どんな髪型だ
女性として
いかがなものか
というのも今
詩のしっぽつかみ損ねた
また
行っちゃった
詩って
あの、その、あれなあれ、だから
タ ....
生きている限り湧き上がってくる
もう駄目だと諦めかけた思いを
励ますかのように
五体のひとつひとつが
出口を求めようとさざめきだすのを知覚し
もうひとつの確かな意思
本能だとか呼ば ....
藍色のなかを
冷えてゆく町
この色のなかに
おまえたちのカルテが
ある
形なきものから
藍色のなかを
冷えてゆく町
この色のなかに
おまえ ....
ポケットに小さな星を隠して
君に会いに来たんだ
少しだけおっきな夢
いっしょに追いかけたいから
手をつないだまま歩いてね
君の手はちょっと細いけど
私の宝物なんだよ
指輪をあ ....
雪に閉ざされた街と
鉛に封じられた空が
防風林の向こうで
混じりあって、深藍に
レールギャップを鉄輪が踏む音
ポイントを焼く篝火の色
私は泊まる宿も決めず
真っ白な駅 ....
ひらひらと散った 夏
インディゴブルーに染まる、前に
秋へ化けた
通り雨が隠した
暗い雲に気を取られてしまった
春
もう二度と出会えないかもしれない ....
ああ、
ほら、
もう、
お前が静かに歩かないから
雑誌連峰
映画岳と
音楽山が
崩落しちゃったじゃないか
捨て猫に飼われている
私は 捨て猫に飼われている
飼われているから『捨て人』ではない
飼われ人なので
そのしるしに首輪をつけている
鈴もついてるので歩くたびに
リンリンと鳴 ....
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
ちょっとだけ
前向きな自分
ちょっとだけ
頑張ってる自分
そんな自分を
好きと思える自分
ちいさなしあわせ
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