祖父が死んだ夜、私は世界の夜たちが一斉に瞬くのを知覚した。私はそのとき、一つのうつろな音階として瞬きの中に捕えられ、祖父の死んだ情念に触れた。その日、夜は間違いなく私を通過したのだ。背面から視界に向 .... 君との約束 前の夜
うれしすぎて 眠れない

君を見つけた瞬間に
夢の中に落っこちた

笑ってないで 早く助けて
きっと楽しいから


君と一緒に食べたくて
作ったケーキ 数えき ....
「樹を」
折れてゆく私の直線をめぐって溶け出す樹々、の泳ぐべき海の直線。泳ぐのは海、ひらくのは海。樹の斜線は海を分解して新しい樹々の斜線を生産する。いくつもの遠さに囲まれながら樹はかわくのをやめない ....
(一)

駅の改札を出て
長い階段を下りたところで
醜く太っていて、サスペンダーと蝶ネクタイをした
男に声をかけられた
公然わいせつ以外のすべてのこと。

世界と呼ぶには狭すぎる生活、 ....
たべかけのくっきいに
ゆうひのはがた
これは いったいぜんたい
こんせいきさいだいの なぞですぞ
そういった はかせのくちもとから
うつくしいゆうひが こぼれてる

*

わ ....
日曜日の
スーパーマーケット
おれは鼻歌で
きみの国の歌

ねえ
この国には
アルプス乙女って
りんごがあるよ

宇宙食にも味があるんだぜ
きっと味が大切なんだ、
宇宙で
気 ....
一.


春待ちゆびが
くちびるにふれて
かた
むね
こし

跳ねていく

抱きぐせがつくからだめよ




二.


ぱた ぱた
と舞う洗濯物を
清潔とす ....
ただ一度
抱き締められた
その腕は

遠い日の
引き潮のように
わたしを
つれていってしまいました

ここにいる
わたしは
こい を
しているのですか

こい を
してい ....
傘にたくさんの
好きな模様を描いて
それからその後
他に無い、の

こんな日は
幸せに
誰ひとり
死ななくていい

美味しい珈琲だ、ね
これはきっと
朝から何も
降りてな ....
「恋してないのに恋の詩がかけるんるんですか?」何年か前にある女性から問われた事がある。その人は小説を書いていて、自分が必ずしも体験していない事も書いているのに、詩は気持を書くもの、そういう気持になるき .... 「理由」
 
 今、また飛び立っていった

その跡地に残っている匂いを慈しみ
つま先に少しだけ残った春を払い落とした 
することもないので、踵の重さを告白する
あなたが、立ち尽くしていた ....
天使の胎内の世界で私達は
楽園を希求する、完全なハーモニーを

屑篭に堆積した睡眠薬のシートや
血の斑点で汚れたティッシュ、空のアンプル
其れは私達の詩の産湯だ
神父の死後の、祝福の欠落し ....
 人が日常生活において言葉を発する時、それは普通ごく近い場所を対象にしている。家庭でも、職場でも、あるいは街中でも、言葉は近くにいる人に向けて、または自分がいるエリアの中に存在する人に向けて発せられる .... 重爆撃機 が 胎児 を 投下する。
絨毯爆撃 される 肉塊 は、
思い思い の 姿勢 で 重力 に 従い
従順 に 自然落下 する。
透き通る 空間 に 散りばめられた 有機物 の 群れ。
 ....
ちょっと待って、あと五分したら取り合えず着替えます
からまったイヤフォンをぶらさげた女の子
解っているのに1曲リピートで
泣きそうだ
斜め下から太陽は見えない


果てなくつぼみ
つま ....
一枚ずつはがれてゆく沙漠から抜け落ちる温度に眼の奥を洗われて、新しい沙漠が水上に浮かんでは映発する様をいくつもの角度から剪断する。つぶらな音覚が限りなく前転してゆくその先では泣くことになるだろう。手の .... 在る

始まって以来続いてきて
この枝の伸びやかな道道に
茂る葉の呼吸は瑞瑞しい

それも
小雪のちらつく昨夜の雲上の月も
陽炎のゆらめく送り火も
私を育ててくれる花娘

季節の ....
 私には自分が岩であった頃の記憶がない。だが、確かに私はかつて岩であったのだ。恐らく私は、人の欲望に汚染されることのない高山の頂上付近で、時折空から降ってくる虚無の波を一身に集めていたと思うのだ。ある .... うすい鎖骨の層をすべり落ちるひとつの円く欠けた球体
それが、

あら
早いのね
雲はしびれて そろそろ雨の匂い
届かなかったのね
手を伸ばしても 反射する灰色の空気を泳ぐ
稚魚の透けた ....
こんぺいとうくらいの幸せがいいな

かくれんぼ上手の冷たい季節
やっとしっぽ、つかまえた
それっくらいの発見で、こんぺいとうの幸せ一粒

赤い駅弁、あかるい器
きらいなしいたけが入ってた ....
写真の顔が赤く焼け焦げた頃
天然水が飲めなくて心が濾過していた
早熟な豚は獣道に魅入られたまま引き返せなくなっている
ブースリー ブースリー 美しい声、マグネットに吸い寄せられ
弾けるようにあ ....
「機械ってね」
「ああそうですか」
「小動物の骨の無数の結合からできていると思っていたんです」
「ほうらやっぱり……」
「易しい感じがしませんか、ほら、こう……」
「むしろなまぬるいと」
 ....
ぼくは詩人

詩になるものを綺麗に
そして美しく表現することに
努力を惜しまない
それはぼくの熱意
それはみんなへの満足

道ばたに咲いている花を見る
そこには1つの詩がたたずんでい ....
街は妖しい気配を包んで
機械になってゆきました
段々球体に近づいていって
機械は原口陥入しながら球体内部へ取り込まれていくのがわかります
そうして溝が塞がって
球体が完成する!!
まさにそ ....
メロディーがその仔猫を取り込むと
仔猫は
おびえた!!
あまりにも当たり前の光景なのでしばし見惚れると
たくさんのメロディーたちが仔猫を片っ端から取り込んでいった
これもあまりにもおあつらえ ....
全てを平らにする力を持つ少女は
本当に思い詰めた表情で
『もう猫を飼うしかない』と呟いた。

鳥は逃げてしまったから
鳥かごは太陽だけを飼っている。

信じてた歌い終わらない世界も
今 ....
詩集にするために
詩を集めて

何になるんだ
って あなた

詩集になるんですよ

あんまり驚いたので
だって あまり変な事いうものだから

そんなことして どうなるんだって ....
想われニキビが駄々をこねている
そっとなでてみると
「もっと、愛されなさい」と言っている
スターウォーズ〜シスの復讐〜でアナキンと師匠が悪の擦り付け合いをしているがこれはまったくナンセンスだ
ジェダイは暗黒面を恐れすぎる
そして恐れ「すぎる」ことにより逆に執着してしまっている
それが ....
声は告げる
「風が少し強くなったような気がします」

問う前に答える
「岩と岩の間を行きましょう
枝で隠された路を」

独り言のようにつぶやく
「昔は水のにおいがしたもので ....
久米一晃さんのおすすめリスト(541)
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ファザー・グース(3)- たもつ自由詩19*06-4-23
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断片集「幸せの庭」- 簑田伶子自由詩47+*06-4-15
引き潮- とうどう ...自由詩36*06-4-14
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嘘つきは詩人の始まり(下書きよりの抜粋)- 窪ワタル散文(批評 ...15+*06-4-9
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- 葉leaf自由詩10*06-3-28
二点空間の- こしごえ自由詩11*06-3-28
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