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非対称のしあわせ
暗がりのむらさき
すれちがう音
知ることなく去る音に
黒が結ぶ蒼
星ぬぐう想い
明かりの消えた
棘 棘 棘
招びよせたなら
(ぬくもりな ....
菱がたの声が地に灯り
空にも海にも届きながら
誰も呼ばずにまたたいていた
夜の鳥
飛べないのだと
想いたい鳥
水をざくりと斬る光
動かない縦の水紋
熟れた灯 ....
夜とカケラと
くず拾いの顔
コップをコップで閉じ込めた輝き
薄め 薄めて
水より薄く
足を伝った油の罪
月は彼等に殺された
私は月を想って泣く
封じた想いは耕され
見たこ ....
し と
くちびるに露をあて
朝の光を遅らせる
草の根元の幽かな揺れに
応える静かな笑みがある
雨の日
葉を持ち
あふれるうたの指揮をする
道のうた 流れに映るうた
....
夜の雨を燃す火があり
風をつかみ
家を鳴らす
屋根のかたちが
曇に映る
明日の水を知る花の群れ
遠い音を見て動かない
鼓動と鼓動のつながりが
水平線を巡っている ....
声は告げる
「風が少し強くなったような気がします」
問う前に答える
「岩と岩の間を行きましょう
枝で隠された路を」
独り言のようにつぶやく
「昔は水のにおいがしたもので ....