すべてのおすすめ
この時代、未熟な力が求められている。いまだ生まれえない、いつ
までも成長することのない力。たとえば秋のにおいのする草原に行
けば、妹という名の下にそれはごろごろと転がっている。妹のやわ
らかさを ....
傾いて
その周囲に小さな
豊穣を張り巡らせながら
季節の同調を軽んじてゆく
絵の中の成果
熟れすぎたくだもの
(あるいは くだくもの)
裂かれるために実る
歯のいのちの前でおびえるもの ....
水の中に深く潜ると
魚たちの溜息がきこえてくる
どうせ水のある場所でしか
生きられないいのち
われらの時には
乾いた真実が欠けている
ソレイユ!
ソレイユ!
光は水の中にまで入りこみ
....
人が日常生活において言葉を発する時、それは普通ごく近い場所を対象にしている。家庭でも、職場でも、あるいは街中でも、言葉は近くにいる人に向けて、または自分がいるエリアの中に存在する人に向けて発せられる ....
昔、一九九八年から九九年にかけて「夜、幽霊がすべっていった……」という連作を書きついでいたことがある。後に「現代詩フォーラム」に投稿し、個人サイト「21世紀のモノクローム」にも掲載した。
いまさ ....
いきなり「近代詩再読」などと大きく出たが、僕に出来ることは限られている。一般に近代詩人に分類されている人たちの中で、僕が好きな詩人、興味を持てる詩人をとり上げて、数ヶ月に一回のペースで、何がしかの文 ....
冷えた夜が
低地を這っている
これもまたもうひとつの
忘れられた夜であろうか
――あの人は
貴重な生を召し上がりました
何ひとつ 言い残すことはなく
混沌の角度で経験は薄まってゆく
....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
いま この傾いた陽の中で起こる
出来事を讃えよ
祈りは虚しく 鳥撃ち落し
霜の降下は 胸患いの効果を現す
空にかかる花は 萎れ 枯れ果て
この寒気にふさわしい 闇が
笑いを噛み殺して ....
いまさらながらだが、まったくおかしな時代になったものだと思う。恐らく多くの人が感じていながら、それでも黙っているのだろう。二十一世紀という現代に生起する現象、人の思惑同士が交差し合い、とんでもなくお ....
久米一晃さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
妹のはじまり
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
07-10-18
死物
-
岡部淳太 ...
自由詩
10+*
06-6-1
不在票
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
06-4-30
遠い場所へ届こうとする言葉_——中村剛彦『壜の中の炎』につい ...
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
7*
06-4-6
「幽霊」についての私的覚書
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
5*
06-2-26
近代詩再読_草野心平
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
10*
06-1-29
雨になる前に
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
06-1-17
世界の別名
-
岡部淳太 ...
自由詩
33*
05-12-19
真冬の惨事
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-12-11
異常な時代に抗する言葉
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
21*
05-8-7
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する