この都市の、上空100m 
本当の本当に 都市のど真ん中にて 
風に乗って舞い上がり
そこに留まっている羽毛
 が、もしあるとするならば

僕はこの都市が好きになる
本当の本当に ど真ん ....
やらしくない裸みたいな
蝶々が翅を広げて
紫色の光を頭の中で回させる
つややかな官能



ジェシカ、
君がセックスをせっくすと発音するから
僕はいつまでも取り残されている
いつま ....
 冬は好きではない。失業してから外出が減った。TVを見るか寝ているかだけで、二ヶ月が過ぎた。TVでマーメイド海岸のCMを何度も見る。海面から顔を出し泳ぐマーメイドの姿。面接や職安にも出かけるが、就職先 ....  春も夏も秋も、わたしにとっては短かった。あれから一年が過ぎ、長い冬がまたやって来た。失業し、仕事を探している。
(しばらくは会社に行かなくてすむ)
 わたしの元へは戻ってこなかったものもあった。 ....
あなたの手のひれが
わたしの頬にふれる、

見ているだけでは
かからなかった暗示は  せつな
私を滑らせる

あなたの指紋は渦となり
巻かれた貝奥の私を
するりと抜きおと ....
 冬はまだ続いている。海からの光で、部屋は青に包まれている。神話の本を繰り返し読んだ。岬には女の顔をした鳥、ハーピーがいるという。元は風の精ともいわれている。そのハーピーが舞う岬から、水平線の彼方を見 ....  冬になり、女の顔をしたバードは飛び去った。わたしは、あの時の車をスクラップにして、海の見渡せる丘に部屋を借りた。情報誌でバイト先を見つけた。倉庫の仕事に就く。朝七時半、精神安定剤を飲んでから、家を出 ....  一人でいることに、何年も飽きなかった。シートの、海に伝わる神話を読みながら、永く暇をつぶしていた。精霊の女、の横顔の表紙。空腹の中、海に向かう道、カセットで、オペラを聴きながら、わたしは車を走らせた .... 祖父のあとをついていく。

海を見渡す墓地で、親せきたちが鎌で草を刈る。わたしも草を刈る。

母が野の百合を、見つけ出した墓に供えた。

波は白い。
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
先生 この前のテストは100点だったけどBでいいです先生私先生が好きです。


ラメ入りの少年 惚れさせてしまうのは男どもばかり 生理も来ない


触れてとは言わない言えないでも触れな ....
古い倉庫、砂埃に覆われたコンクリートの床は
汚れた床とは二度と呼ばれることはなく
砂埃ごと床として在って
鉄パイプの配置もダンボールの配置も
いつしか放置に変わって


私は ....
コンビニで何弁当を買うの?

のり弁当だろう

図星だ

他のはみんな、

花火の客が 買ってしまったもの。

チンしてる間に、週刊何とかや月刊何とかの表紙を

元野生の狩猟本 ....
ショーウィンドウに陳列されている
マシンガンの前にくると
少女はいつも立ち止まり
その色や形に
うっとりする

名前も聞いたことのない国で
戦いが始まった
と、今朝ニュースで言 ....
おとうとの写真
って
いつも
いまいくつだろ、とおもう


ろうそくに
火をつけて
手をあわせて
いまいくつなの、と聞くと


それよりも
ねえちゃん、はだかだよと言う

 ....
(失うものすら持っていなかった女の子たちへ)

 ゆびのすき間から桃の果肉がぶちゅる、
 って逃げて行くというよりも追い出すような
 だからもう女の子たちはソフトクリームを
 溶けるまでしっ ....
・文章を書く基本原理として文法があるのではなく、私達は文法によって書かされているということに自覚的であること。
・明治期からの文法研究は、国学の文法研究をベースとしながら、バックボーンに西洋文法の体 ....
数学者は
0より小さい100の存在について考えながら

歯を磨き
大学前の坂道を登り
故郷の母親に手紙を書きます

今日は
0より小さい100の存在を確認するため
のみ市で
中 ....
詩とは何か、と考えることは、無限に循環する出口のない問いであるから、しばらく措く。
では、いわゆる「詩の言葉」とはなにか、について考えてみよう。
もちろん、「詩」専用の言葉があるわけではないし、日 ....
「読み」の中に批評行為自体を含み込んで「読み」が実践されている過程を運動としてとらえてみる。
ここには、批評する者、批評される者、そして批評されるべきテクストが存在している。
批評する者はある種の ....
とりあえずここで、書かれた詩作品は、それを書いた作者とは一旦切り離されたものであると考えよう。もちろん、現実にその詩を書いたのはまぎれもなく作者であるし、作者は思いつけばいつでも書いた詩を書き換える・ .... くちびるを閉じると
世界とわたしは
分かれます
くちびるを開くと
世界とわたしは
またつながります
分かれたり、つながったり
くりかえし、くりかえして
わたしはまた少し
遠くへと ....
今ここに熟した食べ頃のバナナがあると仮定する
しかし、そのバナナをあなたは食べることができない
何故なら
そのバナナは仮定の話の中でしか存在できないからだ
例えが悪かったかもしれない
 ....
ひつじが鳴いていた
ひまわりが咲いていた
人がいた 好きだった
目を閉じる
陽だまりのなか
明日なら
死んでも良かった
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
俺はそうやって空を飛ぶ、毎夜。
昨日は肉を喰った。かたい肉だ、ブラボー!
だから俺は肉が好きさ、裏切らない。
肉喰えば俺はまた空飛べる、今夜も。
いつまで肉を喰える体でいられるか分からない、
 ....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる

昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
県立文化会館の大ホール!大ホール!大ホール!と
すっかりはしゃぎ過ぎてしまったのです
誰かサイダーを持って来てください
僕は観客席で日めくりカレンダーをめくり続けています

県立文化会館 ....
この原稿を依頼されたときの特集名、
「女を口説く為の詩」でした。
じつはこの、「女を口説く為の詩」ってのが、
すでに口説くという行為から外れてるんですね(爆)。
「女」ではなく、せめて ....
駅のホーム
喫煙コーナーのベンチ、夕暮れでは少女が
メールを打つ少女
メールを打っている

少女はメールを打つ
指、その速度の指で
穏やかな夕暮れ、穏やかな煙
少女よ、今、僕はカフ ....
久米一晃さんのおすすめリスト(541)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
都市の中心- 英水自由詩8*04-10-29
バタフライジェシカ- からふ自由詩1604-10-26
マーメイド海岸(連作集5)- 光冨郁也自由詩11*04-10-22
冬(「バード連作集4」)- 光冨郁也自由詩8*04-10-19
うみほおづき- つきのい ...自由詩1704-10-18
翼(「バード連作集3」)- 光冨郁也自由詩12*04-10-17
ブルースカイ(「バード連作集2」)- 光冨郁也自由詩15*04-10-15
バード_(「バード連作集1」)- 光冨郁也自由詩20*04-10-13
- 光冨郁也自由詩12*04-10-11
あるカーブで- A道化自由詩3204-10-8
破壊活動- ピッピ短歌45*04-9-12
愛称倉庫- A道化自由詩704-9-10
夜勤明けのガードマンへ- 馬野ミキ自由詩19*04-9-7
マシンガン・ストリートの少女- たもつ自由詩1504-8-29
はしょる、はやさ- みい未詩・独白47*04-8-15
最悪なものばかり選んでいく- k o u j i * ...自由詩704-8-7
言語解体と凶暴化計画のための箇条書き。- ななひと散文(批評 ...604-7-28
童話(春告鳥)- たもつ自由詩1304-7-25
詩の言葉と拘束具- ななひと散文(批評 ...204-7-22
「批評」という運動が体現する解釈の現場- ななひと散文(批評 ...204-7-21
詩を読むこと=読まれること−幸福と殴り合いの- ななひと散文(批評 ...504-7-21
童話(声)- たもつ自由詩1904-7-18
シュガースポット- たもつ自由詩904-7-10
ひねもす- たもつ自由詩30*04-7-3
「こときり」- たもつ自由詩25*04-6-25
空飛ぶ肉男(フライングミートマン)- k o u j i * ...自由詩12*04-5-27
てんぷら- 月音自由詩4004-5-23
県立文化会館の大ホール!大ホール!大ホール!- たもつ自由詩1004-5-16
詩で女性を口説くためのマーケティング論- いとう未詩・独白17*04-5-11
穏やかな夕暮れ- たもつ自由詩1104-5-4

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