1
月に憑かれたピエロが
ぼくにずっとささやきかけていた
ぼくは我にかえった どうして
こんな遠くまで来てしまったのだろう
2
満月に
子供のオバケがひとり
さ ....
惚れるひとつ。
溺れるふたつ。
ここにひとつ影。
ふたつ追憶に溺れる。
果てる波みっつ。
どたりどたりと浪打っていた。
それから割れているでソウスルトネ、はおそろしそうに割り合いにその年の「、こう答えた。あった。、じき学校にそんな事を睡られないなんて、イマイマしそうにして、根強い曲者(く ....
いきなり「近代詩再読」などと大きく出たが、僕に出来ることは限られている。一般に近代詩人に分類されている人たちの中で、僕が好きな詩人、興味を持てる詩人をとり上げて、数ヶ月に一回のペースで、何がしかの文 ....
月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 ....
(世界は、毎日終わっているのになんで誰も彼も平気なの!)
さんざぐずった女の子は、清潔なシーツですぅすぅ眠る
おもたいミルクの呼吸が、部屋中に立ちこめる
22時、最終 ....
薄馬鹿下朗だっきゃ工場さ勤めで長げくて、数年前から屠殺係についでらっきゃさ。
レバー上げれば格子さ固定されでら豚運ばれで、
レバー下げれば豚の首っこ飛ぶ。
一日中椅子さ座ってさ。
塗装し直 ....
開かなくなった国語辞典に
埃が積もる
もう勉強しないから
鉛筆削りの音だけがなんとなく快感
学校の先生は
いまだ粉だらけ
黒板もチョークもべつに要らないのに
それが似合うのは木造校舎 ....
http://www5.ocn.ne.jp/~kzt/toudai/sekiguchi-ouhuku.htm
フランス在住の関口涼子さん(昭和63年度現代詩手帖賞受賞)によるフランス現代詩事情の ....
白線の内側におさがりください
融けかかった身体が通過して行きます
主成分は耳とし耳けるもの
声のいくつか
危険ではありませんが
触れると昔を思い出して
いささかに寂しい
窓とし窓 ....
私は、過去に一度も異性に好かれた事がない。こう書くと、コアで、およそおしゃれ感とは無縁の詩を書く一部の男性から「うおお。共感出来る」という言葉をいただけるのではないだろうか。
詩人に変な顔の人は多そ ....
彼女は街の一番高い場所にあるカフェで
眺めは先をゆく教会の尖塔に係留させて
クランベリーケーキを焼いている
その白い腕
夜、二人は黙ったまま、二の腕を削った
蝋燭のカスが ベットに散らか ....
幹さん、
どうでもいいですけど
高円寺のキャバクラで詩人っていう名刺配りまくるのはやめて下さいよ。
大将二号店で2本目のつくねをほおばりながらキムがつっけんどんに言い放った
どうでもいいけどキ ....
部屋には鍵を掛けて出る当たり前 か?
ニクロム線の髪の毛を引きずって漏電する婆が
俺の部屋に忍び込むかも知れないからだ
空き巣と一緒にすんな
婆の目的はもっと高貴だ
そんなこと現実的には ....
言葉のひとつひとつに歓声があがり
思い思いに笑い転げ
級友たちの恋の話は
昼休みの教室で佳境をむかえていた
数年も経てば
誰もが通る道である
ということを知るのだろうが
その前に ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
コッポラ:ミゼット、最近よく眠れないって言ってたでしょう。
牛乳あっためたから飲んで。
ミゼット:あ、うん、ありがと。
テーブルの上にいつものカップが二つ。
縁の欠けたのがミゼッ ....
どちらも大きいんだけども◇右目が左目よりやさしくて◇きみは小さな女の子を連れていた
脱ぎ捨てたTシャツをデパガなだけに◇手慣れた感じにやさしくたたんでくれた君
その大きな瞳で◇ぼくの ....
鐘楼に棲みたい(と不動産屋で2時間くらい喚いて迷惑がられたい
鐘を打ち鳴らしてあの急行を止めたい
どんな目にあっても構わない
バケツいっぱいの濃縮クチナシ青色素を被って私は更に自由
私から ....
なくしたものと
もういない人とが
ありえないシーソーで
つりあってる
そんな救いのない話しか
思い出せない
と証言台で男は述べたが
語尾はすでに
空気と区別がつかなかった
街のい ....
:20060117
一昨日、飼い猫が死んだので
昨日の激情に任せて
今日で、お前の頭を輪切りにしました
頭部からっぽ、予想通り
先月、駅で見知らぬバター臭い女から盗んだペットボトルの ....
冷えた夜が
低地を這っている
これもまたもうひとつの
忘れられた夜であろうか
――あの人は
貴重な生を召し上がりました
何ひとつ 言い残すことはなく
混沌の角度で経験は薄まってゆく
....
僕は今日 すこしの間だけ死んでいた気がする
現代文の説明文を 担任が、眠たくなる甘い声で
まるでどこかの呪文のように話しはじめて
ネクロノミコン アブラカタブラ エッサイム
も ....
一
昼休みの男子休憩室の扉を開くと
新婚三ヶ月のM君の後ろ姿は正座して
愛妻弁当を黙々と食べていた
「 おいしいかい?
結婚してみて、どうよ・・・? 」
と買ってきたコンビ ....
詩という言葉を着飾って
僕は一途な絵を描いた
津津と波立つ光の隙間に
無心にコントをしている
7歳の子供
大爆笑!!
放物線で虹は描けるか
天気予報の先生などこ ....
半開きの、口の中に
指を一本、ぶち込まれて
悦んで、およぐこと。
誘われて
許して、拒むこと。
夢の中で。
かよわいラビットは
あなたよ。
寒い部屋で、うごめくもの。
黒いぼ ....
朝日に窓枠は枯れて
錆付いたカーテンからは
夜が死んだ匂いがする
炊き立ての白いご飯が
今日はもう仕方が無いんだよ
と生きる糧を与える
箸に摘めるだけの物を
....
私は詩を書きます
心が健康であったならば
私には詩を書く必要などありません
心が病んでいたのであれば
私はポロポロと言葉をこぼします
汚物のようなそれを
自らの手で処分するのです
私 ....
隣のクラスの美少女が
休み時間に
ざわつくしじまのなか
窓際のぼくの席までやってきて
ぼくの手をにぎり
これが
永遠のかたっぱしよ
と微笑んだ
美少女はそのまま
開け放した教室の ....
両手いっぱいの雨に
涙がまじっていたら
うけとめる方がいいのか
ふれない方がいいのか
なやみます。
うけとめた涙は
そっとしてほしかったかもしれません。
....
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