詩 って なんだろうね?
君がぼくに訊ねる
ぼくは 脱いだばかりの
クツ下のにおいを無心に嗅いでいて
君の問いに答えられない
君とぼくの目と目がゆっくり重なる
例えば 早朝の草野球 ....
小 に
瓶 う
は よ
た の
....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
鏡に映す)顔が白く仄めく
朝日の刻々と刻む音に
変容する影
どうしてか かなしくなる
私という生きものは、。
例えば(いけないかしら躍るように)、
昨日買った手鏡が、
私を映すという ....
付加価値。
経済学においては「商品の生産・流通の各段階において新しく生み出される価値」となるようです。この付加価値という概念はじつはとても広義で、一概にこういうものだとは言えません。グリコのおま ....
続き。詩の「商品力」向上のポイントとして、
1.質を向上させる
2.特性を理解して訴求する
3.付加価値を付ける
この3つを挙げました。で、今回は1の質の向上について書こうと思ってたん ....
詩について個人的に考えていることを話していくので、時々独断と偏見に満ちたものになるかもしれませんが、そこはそれ、テキトーによろしくということで。というわけでまず、詩の「商品力」について。
「 ....
{引用=
それは周辺の
}
ルート19はいくつかの人で溢れた湾を通り過ぎ
最果てのような終着駅で小型バスへと繋がる
集落の丘を越え、一息つくとカーブへと向かう
そして視界が開け、海と丘がぶ ....
幾日か後
妹の手を引いて
池まで降りていった
石畳は少し先の
見えないところまで続いていた
水面には遺影に良く似た温もりがあり
生き物たちの息継ぎまでもが
今ならわかる気がした
....
ジョニ黒を飲み干してしまって
夢も希望もない
心臓に負担がかかるから
少し休みをください
誰の目にもはじめから
わたしの存在などなかったかのように
赤の他人のほうが
嘘もつけ ....
コンクリートうちっぱなしの部屋で
魚と空を見る
(完成することなく終わったものは、廃墟というのでしょうか)
(生まれることなく死んだのは、あれは、)
トレーの中で魚が跳ねて、
吐 ....
こんな気がする。
書きつけるぼくらの身の上は怠惰で、
ありふれた人に、靴下の夜に、
まるい、まるい気持ちを。
ぼくには、いざというときはないからだ。
とるにたらぬ ....
小指が曲がらなくて
指輪がはまらない
意図しない動きから海中を流れるくらげまで
水面に浮かぶポリ袋が
月明かりを反射した
まぶしいとは言えないまでも
指輪を包むには充分すぎました
輝 ....
いま この傾いた陽の中で起こる
出来事を讃えよ
祈りは虚しく 鳥撃ち落し
霜の降下は 胸患いの効果を現す
空にかかる花は 萎れ 枯れ果て
この寒気にふさわしい 闇が
笑いを噛み殺して ....
高層マンションの谷間に
ひっそりと公園
そこだけは昔のまま変わらずに
闇の中に
ぽっかりと
術後麻酔のなかで
すべてをかけた無意識で
あなたがいま
探しつづけている
あなた自 ....
地下を抜けて
階段を昇り外へ出ると
どこからか雨が降っている。
どこから降るのか見上げると
灰色の空が視界を埋める。
空一面から
雨の音がする
{引用= 空をイチョウが渡っていった
最初は一枚
次には乱舞
真上を通った瞬間に
くるくるイチョウの形が見えた
落ちてきながら
落ちてはこずに
....
最近の空はうまく出来ていて
オレンジに似合う色を作り出している
オレンジに合う色が水色だって知っているかのように
空がその色を作り出す
だから空色って呼ばれるんだろうけど
....
冬の空のしんとした質感に
しなだれる肺のたおやかなこと
木枯しに枯れていく太陽のもと
不透明な雪の結晶となる重さを
熱く呼吸して火照る
湾曲している波に共鳴する
空との境界で
風 ....
一.
夜
と
おなじ速度で落下する
きみと
きみ
の 心中しようか
亡命 なら
考えたかもしれない
二.
きみに似ているもの
・深夜のガソ ....
頭が悪いので
ワルツのリズムもとれません
あなたは
ワルツなんて
踊る気にもならないでしょう
だから
ワルツを踊る男と
踊るのよ
いち に さん いち に さん い ....
(中央から濡れていく
ひりひりと)
赤い林檎を剥いて
がぶりと噛み付き一口目
昨日の出来事
不思議な果実の甘さ が
歯に沁みる
涙が
(ひりひりと)
二口目
....
午前、町の本会議場では
一般質問に立った初老の議員が
延々と演説をしていた
議員も当局側も
数名が舟を漕ぎ始めている
誰が忘れていったのだろうか
傍聴人席には一冊の事典
その立派な装 ....
お父さんにじゅうりんされて
きもちいいとおもったことが
いちどでもあるこどもたちが
おとなになって かいた詩が
ポエムから追放されて
どこにも国がない
戦車をのりもののようにのりこ ....
濁る水のほとり凍て石を
つまぐりつつ死人はわらめく
騒ぎ落つ枯れ葉あかく
みょうとして沈黙ににたり
くらめき惑う
せらせらと
せらせらと
腐肉をこそぎ
白糸のたばし ....
死んだネコを抱いてまちを歩いた
ひっく
具合の悪いかげたちがのびたりちぢんだりを繰り返している
ひっく
おりの中のサルたちとその腕が地面から離れていく
水槽の中のイソ ....
トップスピードの悲しみ
えもいわれぬ快感に酔い痴れて
俺の身体の真芯に電流感じた
インチキでマガイモノで信頼できない心とやら
ダムの底で眠った家屋のように
いつに ....
ぱたむ
と
頭の中で
効果音をつけながら
目前で閉じた電車のドアをみつめる
なめらかに閉じた金属の扉はわたしがいっぽ後ろに下がると
そのままよこすべりしていった
くらり
....
そのひとは
ひっそりと
木漏れ日の中にいた
何かおこりそうな空だこと。
そういえば、このあいだの鳥は、
どうしたかしら。
陽にひらめいて、
虹を食べて、
七色になって、
空へと消 ....
ダッシュボードに置かれた
紙コップ入りのハ―ブ・ティ―
香ばしい湯気がフロントガラスを照らし
ホログラムの金魚のように泳ぎ出す
「ミントのカナシミ」
透明な犬が、僕の見えな ....
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