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今日も空は青かった
にこりともせずただ青く
無限の沈黙のうちに
それは在った

今日も私は無力だった
宇宙の虚無に耐えかねて
あなたにあることないこと
喋っていた

今日も黄昏は優 ....
今日高曇りの空の下、
肉を引き摺り歩いていた
春という大切を
明るみながら覚えていく
妙に浮わついた魂を
押し留めながら、押し留めながら

離れていかないように
剥がれていかないように ....
たんとんたんとん
連弾し
主を濡らし
雨の降る

空は灰白、
遠い目で
見つめている
眼差しが
銀の雨足、
瞼に乗せ
すっと透過し
宙を舞う

後に響く
雨音が
たんと ....
冷気が肌刺す深夜だな
まだこんなに冷えるのだな

窓の外では月と火星が
煌々とランデブーし
窓の内では初老の男が
悶々と起きている

この不思議な惑星に生まれて
この不思議な惑星に居 ....
暑い
暑いなあ
まるで真夏の暑さだ
地球が狂い始めて
オマエラ、人間のセイダロウ
そう叫んでいるかのように

路傍に屈み
タンポポの種を
ふぅと吹いて飛ばしている
子供が二人、
 ....
無音の夜
また到来し
月はない
月明かりだけある
白々と
辺り、白々と
浮き上がり
寸断された記憶の
恐怖、また襲い来る

私は私の実感を保てず
意識の外郭だけが生き残り
やが ....
雨が降る
漆黒のタール、銀に輝かせ
雨が降る
懐かしい匂い、散布しながら
雨が降る
遠い記憶の感触、浮き上がらせ

今宵すべてすべて静まり返り
わたしは独り寝の床を整える
未知の予感 ....
声と声が交わるあいだ
柔かな光が横切って
わたしは不意にいなくなる

うねる大気が木霊して
小雨は
薄日を乗せて
銀の色

濡れて
照り映える
ふくらはぎ

白く優しく季節に溶け

小雨は
薄日を乗せて
銀の色

遠く
夏の予感を
膨らませ




 ....
満月が頭上にかかり
地に潜むものを照らし出す
私は月明かりを手で掬い
落ちる陰影の青白さ
いつまでも見つめ待っている
地に潜むものの輪郭が
現、露わとなる時を
忙しく過ぎる世相の奥に
 ....
すべての親しい者達が消えた日に
おまえは無感覚となりその鉈で
自らを切り裂く
遠い億万年の記憶と一体化し
どうして今此処に居るのかと
自問を続けながら
ひたすら自らを切り裂いていく
終わ ....
紅の波打つ
ツツジの原に

揚羽舞い舞い
光の海

広がり流れて
透き通り

両手を大きく
広げてみれば

遠く花野が
開けていく

  *

鈍色空は私の心
鈍色 ....
夜陰に
静けさの
微かに揺れ動く

ベッドを囲む白壁から
白の色 剥がれ漂い出し

微かに振動する
静まり返った
四方空間に

彷徨い落ちゆく白の色の
帰着すべき基体の不在
 ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右にかき混ぜる 
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように ....
流れていく
ゆらゆら揺れる電線の向こう
空の青を背景に
白雲、一つ
流れていく
ゆっくりたしかに
流れていく

そうして着実に時は過ぎ
百万年が過ぎていき
私も君も彼も彼女も
み ....
君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄 ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う、
揺るぎ ....
雨降りの
跳ね返りは
誰のせい?
そう問う端から
車が来て
水しぶき上げ
びしょ塗れに
私を濡らし
通り過ぎる

)あゝこの持って行き場のない気持ちを
)あゝこの不可避な連鎖を
 ....
書く、
打つ、
叩く 言葉
ひたすら 
書く、
打つ、
叩く 言葉

朝方
酷くうなされ
幻のなか
さ迷い出た
便所に行っても
幻に包囲され
恐 
の文字、
踊った
 ....
春の夜に
煌々と浮かぶ満月は
闇に艶めく大地のあちこち
銀の涙を溢しながら
陶然として傾いていく

わたしは寝床でゆっくりと
その推移を辿りながら
迫り来る世界の無表情に
今夜もやっ ....
春雨が降る水曜日の午後、
刻まれた皺につうぅと雨滴が走り
男はしゃがれた声で
さようなら と言った。
雨が
木の幹を濡らしていく
緑の木立は微かに揺れて
時の狭間に佇んでいる

この四月馬鹿の一日に
優しく優しく照り映えながら
雨は
間断なく降り続け
やがて
街を静かに濡らしていく ....
夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれていき出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は
遥か彼方に飛んでいく

遠い過去と遠い未來、
今此処で円環し ....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く

久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
真夜中近く
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
揺らぎ明滅しながら
迫って来る迫って来る、
大雪原に独りぽつねんと立つ私に

小学五年の私 ....
この世での光は消えてのち
また射す光、止めどなく

覚悟せよ
全ては〃進化〃の時流に乗り

大地が割れる感触を
肉に刻んて進み行く

この世に在る限り
この世での光は消え去って
 ....
ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり在る

(空は妙に白く透き通り
皮膜の裏光り)

湖は波一つ立てず
こちら ....
夜寒さの無音の部屋で飲む焼酎

何故だろう独り静かに此処に居る

ゴォとまた街の彼方が唸っている

薄陽射す花野広がる忘却の果て

ひたすらに草を食む牛只在りて
毎夜夢に現れる人達の
考えていることが見通せない
それぞれがそれぞれの意志を持ち
まんまブラックボックスだ

私の夢なのに!私の夢なのに?

彼らは何処からやって来るのだろう?
彼らは ....
青空が見えている

静かだ

青空を見ている

静かに


呑まれていく
わたし


青空が見ている

静かに
ナンモナイデスさんのひだかたけしさんおすすめリスト(1896)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今日もまた(改訂)- ひだかた ...自由詩720-5-24
春の意志- ひだかた ...自由詩720-5-22
雨音- ひだかた ...自由詩620-5-16
月と火星と初老の男と(改訂)- ひだかた ...自由詩520-5-15
夏日- ひだかた ...自由詩7*20-5-12
月夜- ひだかた ...自由詩520-5-11
雨が降る- ひだかた ...自由詩9*20-5-9
街角にて- ひだかた ...自由詩4*20-5-8
銀の雨- ひだかた ...自由詩520-5-6
地に潜むもの- ひだかた ...自由詩4*20-5-5
対峙(改訂)- ひだかた ...自由詩320-5-3
呆(改訂)- ひだかた ...自由詩620-5-1
白のイマージュ(改訂)- ひだかた ...自由詩420-4-30
空と盲目- ひだかた ...自由詩920-4-25
流れていく(改訂)- ひだかた ...自由詩320-4-24
反復- ひだかた ...自由詩520-4-23
今という時- ひだかた ...自由詩620-4-22
連鎖- ひだかた ...自由詩3*20-4-13
書く、打つ、叩く(改訂)- ひだかた ...自由詩420-4-8
満月とのっぺらぼう- ひだかた ...自由詩220-4-7
お別れ(改訂)- ひだかた ...自由詩520-4-1
四月馬鹿の雨- ひだかた ...自由詩920-4-1
残響- ひだかた ...自由詩3*20-3-30
銀の矢(改訂)- ひだかた ...自由詩420-3-28
現夢〇他者(改訂)- ひだかた ...自由詩220-3-28
捨て石(改訂)- ひだかた ...自由詩520-3-27
VISION- ひだかた ...自由詩220-3-25
推移(改訂)- ひだかた ...俳句720-3-23
夢の他者- ひだかた ...自由詩420-3-22
空の青と本当の気持ち- ひだかた ...自由詩620-3-22

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