反復
ひだかたけし

君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄してもいいんだよ
そう言われても手足は止まらず
茜に染まる夕空を
遠い目をして見つめている

)もう放棄してもいいんだよ

君は最後まで諦めない
同じことの繰り返しだと
分かっているのに諦めない
いったいなぜなんだろう?
君は決して応えない
僕からしたらこの究極の問に
君は決して応えない
それが唯一の答えであるかのように

君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

死するまで続くこの反復、
遠い目をして君は行く











自由詩 反復 Copyright ひだかたけし 2020-04-23 19:16:19
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