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高い夜空が澄み渡り
晴れてはいても、なんともさみしい
きらびやかなネオンサイン
きれいだけれど、中身はからっぽ

あゝどうしたらたどり着けるのか
あゝどうしたら充たされるのか

途方も ....
戦慄の瞬き、濃緑のうねり
冷え冷えとした岩峰、空に貼り付き
街道に沿って、男は進む

連れの女の乳房は揺れて
朝の四時まで密室に二人

都会から、遥か離れ人影無く
恐怖にすくむ、ガード ....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている

その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでいく

 ....
ちりちりと
夜風が弾ける
肌の面
肉から解離し
タマシイの
涼やか響く
原音が
辺りに木霊し
光っている

脳髄はとろり
蕩けるよう
夜風にうっとり
流れ出す
彼方此方を巡 ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の奥処に蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく

西の空が
 ....
この夜陰、
独り在ることに寛いで
宇宙の時流に乗っていく
すっと孤独に留まりながら
この隙間だらけのあばら家に
雷鳴が轟くのを待っている

境界の門が開く、その時に
意識は異界の木霊に ....
黄色いチューリップが群れをなし
大きな風に揺れている
地平遥か彼方から
沸き起こって来るあの風に
身を委ねて群れをなし
黄色いチューリップが揺れている

うっとりと
蕩けるバターのよう ....
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった

静けさに沈む
 何もない
静けさに沈む
 足場を欠く

俺の肉体と意識は解離したまま、
新緑の芳香をひたすら嗅いでいた
そ ....
降り続ける雨に
深く
深く秘められた瞳

まだ夜明け前に

音もなく迫り来る
もの
群れをなし
閉じられ、見開かれ
保たれ、放たれ
瑪瑙のように
深く渦巻き
浮き上がる

 ....
稲穂の先のビー玉の喧騒
夢はわちゃわちゃ過ぎていき
白雲もくもく青空に湧く 

花の街には太陽燦々
老婆と少女が手を繋ぎ
廻り廻るよ廻り廻る

死の標的を撃ち抜いて
生の目醒めに眩め ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く

二度と取り戻せない時の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不意 ....
荒波、白波、眼底痛
堪え堪えて書いて書く
笑っておくれよ、地蔵虫
少しの集中で火を噴く目ん玉
だから書けるうちに刻み込む

生きているから痛いのさ?

そんな生半可な答えでは納得せぬ
 ....
緑濃くなる街道沿いを
進むと終点が反り返り
生死の境がむせ返る
草いきれの香と共
立ち上がる

不可視の世界は余りに遠く
すり減る日々は余りに間近く
カウントダウンの切迫が
歓喜と恐 ....
風は帰っていく
見えない世界へ
この世の熱を帯び
(孤独の歓喜に覚醒し)
極北の地に、極北の地に
すべてを担い
帰っていく
紅いつつじの花びらに
雨滴が留まり
艶やかに
膨らむ、透明の
二滴、三滴、
輪になり
映える
灰の空に

やがて
緩やかに吹く風に
揺られ
つつじの花弁から
零れる雨滴
紅 ....
剥き出されている

神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
葉桜は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した

何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょろひ ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
青空に
白雲湧いて
僕は虚脱
外界は余りにも眩しく
チューリップが無数咲く
庭園を通ってイートインへ

コンビニの旗が揺れている

人々が通り過ぎていく

僕は苦いコーヒーを飲む ....
鮮やかな轍を残しつつ
決して姿を現さぬもの
いつかの時を夢見ては
永遠にさらに逃れゆく

底に沈んだ泥団を
清められた手で掬い上げ
透過する心の底
遥か彼方の源頭に
耳鳴り繁く接続す ....
闇夜に
突き刺さる
サイレン

神々は未だ
現れず
嘔吐感だけ
せりあがる

千の眼が
砕け
残骸を咀嚼する
音が鳴り響いて
何かが流れ出て
わたしが生まれ
太古のヒカリ
眠りの底から
力を貰い
未来のヒカリ
わたしから流れ出る

捧げられ 捧げる 全ては一途な捧げもの
うつらうつらする
この午後に
鳥は囀ずり
地は照り映え
私の憂鬱と倦怠は
一吹き風に溶けていく

)なんて優しい午後だろう
)遊ぶ子供の声が窓辺から
)うっとりゆっくり流れ込む
) ....
五本の石柱がたっていた
ねっとりとしたモスグリーンの水に浸され

洪水の街を泳ぐ人達
徘徊していた裸の老女は何処へ行ったのだろう?

目覚めて闇が迫って来る
自分という感覚が死んでいく
 ....
坂道に
水の流れ
大量に 
夜の透明
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人

君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地で
 ....
たおやかな
緑の群れ
揺れて
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの森のザワメキを聴く
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る

「寂しいのか」と尋ねると

鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる

と、

足許でカタ ....
夢の蝶、舞う
遠去かる
宇宙の縁に触れ 燃えあがり
忽然と消え また現れ

あらゆる現の美をよろめかせ

その軌跡のおぼろな輪郭を
響かせて 響かせて
日がな一日
謎は謎として在り続け
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺動し
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
予感 ....
連綿と続く人生の
響きの中に目覚めていて
この生の端緒と終点が
螺旋を成し繋がっていくのを
底の底で見つめている

それは焼け野原に咲く真っ赤な薔薇
何処にも行けないと知っていて
静か ....
反転した
薄暗い影の
なかに
取り込まれて
居た
なんだったかな
何処だったかな
うちゅうの窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
受け留められて
ふわりと明るみ目覚めた
午 ....
ナンモナイデスさんのひだかたけしさんおすすめリスト(1896)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不在通知- ひだかた ...自由詩1121-5-12
悪夢の足跡(そくせき)- ひだかた ...自由詩3*21-5-11
春の青大将- ひだかた ...自由詩921-5-10
帰郷- ひだかた ...自由詩7*21-5-10
夕闇の未知- ひだかた ...自由詩521-4-25
境界域- ひだかた ...自由詩421-4-25
黄色いチューリップが揺れている- ひだかた ...自由詩421-4-23
夜の律動- ひだかた ...自由詩521-4-22
春の残酷- ひだかた ...自由詩421-4-21
光輪- ひだかた ...自由詩5*21-4-20
掬う言葉- ひだかた ...自由詩821-4-19
疼痛宿痾(改訂)- ひだかた ...自由詩521-4-17
繁茂- ひだかた ...自由詩3*21-4-17
風の行方- ひだかた ...自由詩1021-4-16
雨滴ースケッチ- ひだかた ...自由詩721-4-14
露呈- ひだかた ...自由詩721-4-13
ヨラさん(再録)- ひだかた ...自由詩9*21-4-12
移ろい- ひだかた ...自由詩521-4-12
思考体- ひだかた ...自由詩621-4-11
サイレン- ひだかた ...自由詩321-4-10
捧げもの- ひだかた ...自由詩321-4-10
一吹き風に- ひだかた ...自由詩521-4-9
夢魔- ひだかた ...自由詩421-4-8
水色の街(改訂)- ひだかた ...自由詩721-4-7
緑のスケッチ- ひだかた ...自由詩521-4-6
無音の夜- ひだかた ...自由詩821-4-6
夢の蝶、舞う- ひだかた ...自由詩521-4-4
推移- ひだかた ...自由詩921-4-3
ララバイ2- ひだかた ...自由詩521-4-2
ララバイ- ひだかた ...自由詩521-4-2

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