ミモザかなレンギョウじゃなしなんだっけ
エニシダの花あふるるデイケアの窓
施術台ホットパックして昼寝して
デイケアで居残りをしてバカンスや
お帰りの体操曲は白樺だって
さぶちゃんに白樺って曲 ....
愛とは
相手に
安心を
与えるものなり
夜明けにだけ
列車の着く駅があるという
そこでは誰も降りないが
そこから誰か乗りこむという
言葉は置いてゆくという
言葉にはできないものを
探しにでかけるところだという
あたらしいものは ....
貴女は秋のあの日、
夜明け前の碧い天蓋に
独り揺らめき身を投げた
硬く冷たい肉体を現に残し
何処までも独り遠く逃れ去り
貴女という魂は私の中で生き
私という魂は貴女の中で生き
何度と ....
澱んだ空が憎たらしくて
蹴りをいれたいのだけれど
殴りつけたいのだけれど
想いさえも届かなくて
精一杯に唾を吐きかけ
考えつく限りの罵声を浴びせ
それでも気持ちが収まることはなく
さらに ....
瀧の夜
火を拾う指
音の無い径
水たまりの径
水の音は鈴
鈴の音は夜
夜の地図は水
光の指をひたす子らの声
火は火のまま底へと沈み
水面に言葉 ....
夕方ふと足を止めた
流れ去る風は何処へと向かうのか
気付いたらここまで来ていた
借り物の身体 何処まで行けるかな
明くる朝ふと息を止めた
細胞は許してはくれなかった
何だか胸が苦しく ....
入院すると
生きる目標が
はっきりしてくる
「退院」という二文字へ向けて
すべてが動き出す
入院病棟は
死と隣り合わせの生きる力が
みなぎっている
ボケた!という
自覚のあるうちは
まだだいじょうぶである
しかし
「ボケてない!」
と言うようになると
深刻になる
貴方が他の誰かを求めたりしないように
その腕を切り落としてしまいましょう
もう二度と何処かへ逃げてしまわないよう
その足を切り落としてしまいましょう
私のことを考えるだけなら
首から ....
画面ばかり見て患者をよく診ない医者
決めつけるような言い方をする医者
やたらと薬を出す医者
患者の質問にきちんと答えない医者
患者の不安を煽る医者
女に生まれた私は誰よりも自分自身の価値を理解していたわ
それは長続きしないものだと最初から分かっていたわ
気ままに生きてきたようで本当は焦っていたのかもしれない
私が一番欲しかったものを結局は手 ....
子供の頃体験した嫌なこと大人の今に影響及ぼす
あの夏の雨の記憶は湿りがち何をやっても駄目だった日々
蝉の声小さくなって夏終る夏のボリューム下がる一方
美しい言葉に宿る魂は良い変化へと ....
曇り空を見ていた
コンビニのベンチで
缶コーヒーを飲みながら
部屋に篭っていると
自らの身体の痛みに
意識が集中してしまうから
近所のコンビニのベンチで
ずっと空を見て座っていた ....
裏庭に面した
ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
レィスのカァテンが
待ちわびたように
それは見事な波を創って
(そして
....
「好きなことこそ
気をつけないといけない
やり過ぎるから」
と自分から口にしておきながら
本当には気づいていなかった
「深酒に冬場のマラソン」
この組み合わせが
心臓に一番良くなかった
....
まん丸の
焼き菓子みたいな
今宵の月
雲に隠れてみたり
顔を出したり
なんだか不思議な
態度をとるよ
朝にはクラゲみたいに
薄うくそおっと光る
....
あまやかしても いいのだ
けして つめたいだけの人ではないのだから
心のかよわない言葉しか 今は ないけれど
こどものころの私に あの人が教えてくれたレシピ
ビスケットケーキ
....
心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配 ....
いつもこころに青空を
宇宙の一部を
魚眼レンズで
俯瞰してやれ
いつもこころに青空を
曇り空よりも
ずうっといい
君もそうだろ
いつもこころに青空を
....
ふーっと息を吐いているつもりで
実はこれが溜息だと気付く
そこにまたやるせなさを感じる
なにを悩んでいるのか
そんなに悩ましいことなのか
大したことなんてなにもないじゃないかと
言い聞かせ ....
飲みに行こうかと
誘う相手がいない
飲みに行こうと
する時間がない
電話をしてみる
相手がいない
メールをしてみる
理由がない
結局
....
誰かが来るのを待つことはない
何かが訪れない理由を
考えることもない
途切れがちな映像の中で
ピアノの音と誰かの笑い声が
透明な膜を隔てて共鳴している
何かを
落としてきたはずだ
そも ....
黄砂にやられて
はじめての夜は何処へ
あなたと歩いた
東にまんまるのお月様
自転車を押して
帰るための駅舎に急ぐ
たそがれている
もう濃い影のような緑
....
月ぬ美しゃ
十五夜 眩しさ
十六夜 妖しさ
うそぶいて
まだ何にも届かなかった僕らの
ラグランジュポイントから
星々を眺めてた頃の声がする
それが十三夜
....
熟れた苺は
三温糖の甘さで身をもちくずし
林檎は
シナモンの香リを身にまとわせながら
北国の樹を忘れてゆくだろう
{引用=ずっと果実でいたいという純心は
換気扇のはねに吸われて}
....
ちいさな公園で
ブランコをこいでいる
あれはともだち
ほうりだされたカバン
あそびすり切れたクツ
おりおりのかわいい花
うつりかわる葉のいろ
近くなる遠くなる空
すりむいて熱い ....
虫はやたらに
ひとの周りを彷徨くものだし
騒ぎに慣れたら
気にもならなくなるもので
ところ構わず
火を放つ若造の手際は
そもそも美しくない
顔中に吹き出すニキビと同じで
醜悪な ....
入院を知らず
人生を語ることなかれ
入院は
もう一つの人生だ
生老病死のシャバだから
自分だけ
病気をしないというわけにはいかない
○過疎の田舎でも
病院だけは
みょうな活気がある
○バアチャンジイチャンたちは
薬はなんでもいくらでも
有り難がる
あの単純さが
うらやましい!
○バアチャン部屋からは
朝早 ....
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