マチルダ
1486 106

鮮明に思い出せるのは一面に広がる花畑
降り注ぐ陽射しの中で貴方と恋に落ちた

永すぎる時間の中で数え切れない思い出を刻んだ
素晴らしい人生だったと胸を張ってそう言える

だから、私が私であるうちに貴方の手で終わらせて


僅かに思い出せるのは一面に広がる花畑
色褪せていく記憶の中で微かに揺れている

数え切れない思い出が少しずつ消えていくのが分かる
いつかはそれさえ分からなくなってしまう気がしてる

だから、私が私であるうちに貴方の手で終わらせて


怖いのは、知らずに傷付けてしまうこと
怖いのは、知らずに迷惑かけてしまうこと
怖いのは、私が私でなくなっていくこと
それよりももっと怖いのは、貴方が―――


綺麗な花畑の中で出会った人が私の手を握った
その温もりに触れて甦ったのは残り少ない記憶

貴方のことを心から愛しています
だから、最後は貴方の手で終わらせて


自由詩 マチルダ Copyright 1486 106 2018-01-11 08:02:49
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