どんなに泣いたって
 もう帰ってこないんだ
 みんながつらいんだ

 泣きじゃくる声と
 なだめるような太い声

 人影のまばらな待合室で
 空気の密度がそこだけ違う

 あんた ....
 結局のところ
 何もわかってないのかも
 ねえ
 さいごのさいご
 くるりと振り向いて
 ふたりの夜も
 ふざけたキスも
 ぜんぶぜんぶ
 うそぴょん、って
 そう言って君が笑った ....
 シェイム
 はずかしの国
 強い力でこじ開けようと
 国の決めたみんなの決めた民主主義の決めた
 ふりをして決めた

 シェイム
 だからもっと恥ずかしそうに
 ごめん ....
 あなたの胸に頬をあずけ
 うっとりと夢見心地で
 すき、って言おうとしたんだよ

 するとなんだか可笑しくなって
 よだれがこぼれそうになり
 あわてて口をついた 言葉は

 しゅき ....
 かたくなな心にも
 差し入れる
 隙き間はあって

 たとえば胸元は
 案外そうで

 防備するための
 ことばの固い服

 分け入って

 ぱさり、と落ちる
  
   ....
 哀しい事件の起こるたび
 想像せずにいられない
 あの崩れ落ちる父の母の
 それが
 自分だったらと

 私はまだ失ったことがないから
 あるべきものを
 まだ失ったことがないから
 ....
 愛情の意味を問われた
 愛情のかたちをボクは知らない
 たとえば
 キスはとても近いところに
 あるということは知っている
 だけど

 愛情だったのですかと問われた
  ....
 バード
 ボクを放て
 ボクを解き放て

 誰かが泣いている
 その涙のせいで
 ボクの足がすくむとしたら
 その涙は無駄になる

 バード
 遠い約束を
 明日の電話を信じる ....
 どこに潜んでいたのかと
 思いあぐねるほどのひどい雨だ
 駐車場までの短い距離に
 傘を開くのも躊躇するほど

 水は素直に低きを選ぶ

 アスファルトの起伏は今や
 世界を勝者と敗 ....
 あなたは認識されない
 あなたは白いサル
 あなたはジョージとマイケル
 認識されない
 あなたのことば
 認識されない
 あなたはドゥンガとスコバ
 認識されない

 ....
 明かりを落としても
 浮かびくるもの

 消し忘れた留守録
 ビデオの表示
 ステレオのスイッチ

 本当の闇は
 ここにはない
        

 どんなに忘れても
 浮 ....
 そんなんいやや
 入れ代わり立ち代わり
 きみの説得に訪れる
 大人たちの嘆きをよそに

 そんなんいやや
 そりゃそうだろう
 もうサッカーは出来なくなる
 自転車だって駄目だろう ....
 あそこから出ればいい
 私が
 最初に見るのはそこだ
 緑色の文字
 EXIT

 週末のデパートで
 午後のロビーで
 映画館で

 あなたとは
 いつも空の上で逢う
 私 ....
 まだ子供だったドラキュラは
 窓を開けたくてしかたない

 紙一重の勇気
 失うものたちへ
 もう過ぎてしまった、と

 くるくると 
 終わらない電車
 未来はいやでも降ってくる ....
セックス なんてするもんじゃない
間違えてしまうから

愛すること
わかりあうこと
歯車は逆転フォース
許しあうカタルシス
言葉だけ ナルシス

気持ちいいことは他にもあるのに
あ ....
 押し寄せる津波
 好きの次が嫌いならいい
 息を止めて波に沈む
 やり過ごすために

 だけど体は自然に浮いて
 嫌いの次に好きが来る

 いつまでこれを繰り返す
 好きの次にはや ....
 私の胸の
 小さな傷の
 隙き間に
 君は棲んでいる

 大袈裟な
 ガーゼの奥に

 ええ
 見える範囲での
 リンパ節は
 全部
 廓清しましたから

 麻酔から
 ....
 とある日
 父と母はSEXをする
 うらぶれた
 障子の影で

 佳き日の御縁で
 迎えられた若い女性は
 しかし
 戸籍に入れない

 「ちゃんとした
  跡継ぎが産めるかど ....
 壊れない
 程度に抱くんだ
 きつくきつく
 その程度で

 私?
 私は大丈夫
 柔らかいのは一つの凶器
 どんな形にも

 あなたの腕をすり抜ける
 自信があるからここにい ....
  遠い空の下で 私とは関係のない場所で
  突きつけられている 曇った
  誰かのために 無関係に 私は 
  突きつけられている それを見て無関係に
  卑劣な手段には屈しないと あるいは ....
指を折って下さいと
私は尋ねる

憤懣やるかたなし
といった風情で
彼は
動かぬ指を折る

ことばほど
指は曲らず
ただ
夕暮れが訪れる

もくれんの花びらの
やがて
春 ....
街にヒッキーが流れている
濡れた声で

あの頃の私が流れていて
きっとそれは
今よりずっとあがいていて
やるせない想いに満ちていて
それはいくつかの事象だったり
たったひとりのことだっ ....
    今日はとてもひどく雨が降っているので
    透明人間について考えることにした

    つまり
    自分の器官を透明にすることは
    どうやっても不可能なのだけれど
   ....
  よく冷えたふたりの恋に
  思い出エッセンスを少々

  泡立てすぎて分離しました
   
      
    その瞬間
    私の手の甲に
    冷たく鈍い痛みが走る

    うっすらと
    滲みはじめるその赤に
    私は泣いた

    聞き付けた母親が
    どこ ....
    新品の自転車は
    大人びた黒
    コウちゃんはゆく
    立ち漕ぎでゆく

    試運転の海岸線
    やがて
    登りにさしかかり

    みるみる
 ....
    ひとさらい
    なら
    まだいいのだ
    身体ごと
    根こそぎ
    さらってくれたら
    よかったのだ
    安心して
    甘えられる
   ....
真夜中のアイス・ココアは
可笑しい程
ひとり

カーテンの隙き間から
誰かが覗いたら

やあ
ひさしぶり

いない人とパーティーをする

君は
許してくれるかい?

ゆる ....
圧倒的にはみ出さない

駐車場の白いワクに
タイヤが
かかりませんように

そんな毎日を送っているのは
たぶん
踏み出す勇気とか
広がる意識とか
そんなものに欠けて ....
冷蔵庫が低く泣く

あなたを
確かめる右手

世界を割り算で
書きとめられたら

なんてね

何も言わないし
何も聞かない

ただ
さみしさを受け止める  ....
umineko(812)
タイトル カテゴリ Point 日付
ねえ自由詩004/4/22 21:50
うそぴょん自由詩104/4/22 21:44
シェイム自由詩404/4/21 0:54
しゅき自由詩704/4/20 19:23
ピスタチオ自由詩204/4/19 22:55
ポートレイト自由詩204/4/19 22:51
question自由詩104/4/17 15:15
バード自由詩104/4/17 15:13
フラッド自由詩704/4/16 13:25
リピート自由詩104/4/15 15:32
深紅自由詩104/4/15 15:30
きみをくん自由詩204/4/14 6:45
EXIT自由詩204/4/14 6:36
憧憬自由詩204/4/13 8:17
マリン・ブルース自由詩304/4/12 20:51
アトラス自由詩404/4/11 23:23
ガーゼ自由詩304/4/11 23:20
米研ぐ朝自由詩904/4/10 22:53
明日天気になアれ自由詩504/4/10 22:47
チョイス自由詩6*04/4/9 15:15
しろもくれん自由詩6*04/4/7 7:19
ヒッキーの流れる街自由詩3*04/4/4 21:40
羽化自由詩2*04/4/4 1:04
ホイップ自由詩4*04/4/4 0:57
剥離自由詩5*04/4/3 8:32
テイケットウの神様自由詩3*04/4/2 10:41
ひとさらい自由詩4*04/4/2 10:39
カラギーナン自由詩4*04/4/2 4:16
オーバー・ラン自由詩2*04/4/1 7:40
割り算自由詩4*04/4/1 7:39

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