雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている

雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
何もかもがかすんでゆく
人も 街も

さくらの艶列が
そこだけ
重ね着みたいに咲き誇る

生きのびる
自信がある者の
惜しげない
笑み

見下ろす川は
あの夏
爛れた皮膚を ....
家に帰ろう
そこには
なにもなくても

買ったばかりのソファ

ごろん
天井に
幾何模様を
いくつも描く

うまく
伝えられないね

ただ
あなたの存在に
ありがとう ....
私の心は
すでに理由を失って
ただあてもない収縮を
繰り返すだけなので

仕方なく
ショップで買ってきた
恋愛ペースメーカーを
左の肩に埋め込んだ

どうやら
とび色の電線は
 ....
きのう
夢の中で
誰かが死んだでしょう?

ボクの夢の中で
毎日
誰かが死んでいく
君はそのことを知っている
それは
君が仕組んだことなの?と
おそるおそる聞いてみる
ひ・み・つ ....
新幹線のドアの出口を
今日もニュースは流れてゆく
私たちの住む国は
800兆円の借金をしている、と

そう
そうかも
私たちの豊かさは
何を犠牲にしたのだろう
労働があって対価がある ....
旅行から帰ったら
あなたと
さくら見たいです

あなたのメールに
胸が詰まる

そう
そうだね
はなびらが
はらはら落ちる川沿いは
きっとまだ
風も冷たく

見上げた角度に ....
私には孤独がない

あなたが
孤独と呼ぶものは
ただ
声を求めてる

くちびる 重ねても
あなたの孤独は変わらない

私には孤独がない
私はもう
ここにはいない

あなたが ....
あなたは曲線で出来ていて
髪の毛
しなる腕も
無駄のないポオズ
その
なだらかな曲線を
ていねいに
なぞって

あなたの
曲線とは裏腹に
こころには
ちいさなささくれが
いっ ....
となりに君をのせて
海沿いの夜をゆく
波は
そこにあるのに気づかない

君はたぶん
空気で出来ていて
誰の目からも見えないけれど

見失いそうになるとき
君をのせて夜をゆく
ボク ....
お昼。ランチタイムでごった返すコンビニを出て
二車線の道路。向こうからきた白い車は、低く構えて
まるで動物か何かのようだった。獲物を狙う。

クラウチング・スタート。

不意に。夏の情景が ....
低く
飛び出すことだけが
あの夏のまぶしさ

クラウチング

ゴール
そこにあるものを
めざせ
めざして

響く
号砲が
おわりのはじまり

まっすぐ
飛び込むことだけ ....
肩ひもがナイロンなんだとなぞられて まとわりついた背中の汗に


抱き合えばあなたのかたち胸が押され どちらの鼓動かわからなくなる


かぶさって唇奪う君を真似て 私も肉食動物となる

 ....
ヘリウムを
胸いっぱいに吸い込んで
あなたの街に
飛ぶんだ
飛ぶんだ

川をこえて
ビルを
入江を

ほら
雪めいた季節が溶けて
あなたに
春の雨が降る

今年は
ちょ ....
あなたの愛と 私の好きは
いったい
どこが違うのだろう

あなたの
愛 はやわらかい
私の 好きは
とげとげしてる

あなたは
愛 で包み込む
私は
好き で武装する

ふ ....
雨が降っていました。春のくせに、冷たく。雪の方が暖かい。漂いながら。
雨の一滴にこころは惹かれますか?ではゆきのひとひらには?ゆるやかなものに惹かれるのはなぜだろう。でも、場合によっては激しい連続に ....
唐突だけど。

死ぬ真際に何を言おうかっていうのは、だいたい考えてるんだ。この人には、これって感じで。

死はとても唐突で、残酷なものだ。美化する勇気を、自分は持たない。

  *  *  ....
  「ルイーズの空」

    ルイーズはいつも空っぽだ
    ルイーズはいつもとんがっている、山高帽の
    だらしない紳士の椎骨あたり
    途方も ....
あなたのしあわせを願うその端で
あなたのしあわせを
憎んでいる

あなたが誰かに
かきよせられるその事実を
感じないように努めている

あなたが傷つけばいいとどこかで思ってる
地球が ....
朝の街をあなたと
歩きたかったよ
腕を組んで

すれ違う2人連れ
女の子は笑顔でいる
男の子は笑顔でいる

夕べはどう?
私たちは
夕べはどう?
あなたたちも

まだ
デパ ....
私は
そらに放たれた宇宙飛行士
オフィスの
隅っこで見上げてる

ホワイトボード
お知らせのメモ
ホチキス

こんな朝から
遠い宇宙の孤独を想う
私とどこが違うのだろう

正 ....
大事なことは
ことばにしては駄目なんだ

ことばは
写真のように伝えるけれど
ことばの力は
限られていて

ことばにしては駄目なんだ

私は
今日もことばをたどっている
そこに ....
「1.せつなさとゆう魔物」

せつないとゆうことばをたどれば、刹那に通じるのだろうか?それとも漢字そのままで、切ない、つまり断ち切れないってことかしらん?とゆうことをチョコレート頬張りながら考えて ....
あなたとの通信を遮断する
私は

憎しみを浴びて孤立したい
すずらんの鉢植えを
根元から

引き抜く
踏みにじる
まだ花も咲かせていない
その前に

お前も
そういう運命なの ....
忘れたいって
あなたが言うから

そうだよねって
私は言うけど

あなたが
忘れきれないくらい
有名になれたらいい、と
私は
少しだけ思う

そうしたら
あなたは少し
後悔 ....
またその話か…。

正直、私はうんざりする。何度同じことを言わせるんだこの人は…。私は、兄と一緒にほぼ絶望的な説得を続けていた。

私たちの言いたいことはひどく単純だ。足を悪くしたその人に、こ ....
悪いのは手
あなたの
私を抱きしめた

悪いのは手
私の
背中を探しあて

ことばとは
たぶん違う生き物が
私の中で
惑う
戸惑う

力強く
さみしく
やさしい

 ....
ぴちゃぴちゃと
水の跳ねる音がして
君が
夜に頷いて

時間
我慢した方が
いいけど
月が
助手席で
背中を折って

ぴちゃぴちゃと
水の跳ねる音がして ....
そこが

入口なのか
さよなら なのか

それはわからないけれど
Please forgive me. ゆるす。私を許して。
Please forget me. わすれる。私を忘れて。

なんか他者との距離を試される言語だね。英語って。stop!止まれ!その主 ....
umineko(812)
タイトル カテゴリ Point 日付
傘をささずに歩く勇気を私はもたない自由詩19*06/4/11 4:54
春焉自由詩11*06/4/8 22:53
家に帰ろう未詩・独白7*06/4/8 22:51
埋め込み式恋愛ペースメーカー自由詩3*06/4/8 10:28
じゃあまたね自由詩10*06/4/6 7:13
流れるニュースを私は見上げて自由詩7*06/4/4 21:41
はなびらゆき未詩・独白11*06/4/2 23:59
鳥になって自由詩7*06/3/25 15:15
夜の笛自由詩12*06/3/21 7:56
となりに未詩・独白10*06/3/18 11:18
クラウチング -f.version-自由詩6*06/3/18 11:01
クラウチング自由詩7*06/3/17 0:47
薄闇に短歌4*06/3/14 7:37
春のゆき未詩・独白4*06/3/12 19:28
asleep自由詩7*06/3/12 19:25
「3.ブラウン博士の謀略」散文(批評 ...3*06/3/12 17:38
逢來未詩・独白2*06/3/9 23:52
「2.ルイーズの空」散文(批評 ...9*06/3/7 23:48
作用反作用未詩・独白3*06/3/7 7:59
時間を止めるなんて不可能だったから自由詩4*06/3/7 7:33
るりいろ自由詩17*06/3/3 23:42
大事なこと自由詩7*06/2/28 10:37
「1.せつなさとゆう魔物」散文(批評 ...9*06/2/28 7:53
デス・コミュニケイト自由詩5*06/2/26 13:01
さよなら時計自由詩5*06/2/25 23:28
継ぐ人自由詩12*06/2/19 23:06
悪い手自由詩7+*06/2/16 11:19
ミルク・ムーン自由詩7*06/2/16 11:17
引き返す気はないよ携帯写真+ ...2*06/2/11 13:00
フォギヴ・ミー散文(批評 ...1*06/2/10 6:46

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