なまこだって恋をするんだろう
からだをくねらせて寄り添ったりするんだろう

どちらがおしりでどちらが頭か
わからないけどきっとキスだってするんだろう

海草のすき間に溶けゆくような
ひど ....
毎年この時期は、白神神社の奉納だ。
家々の軒には細縄が張られ
白い紙のお札が下がる。
それは
家々を超えて渡される。

学校。
コンビニ。
クリーニング屋。
古いアパート。
ラブホ ....
死が消えていったね

薄暗い画面を見ながら
私は思う

地面が割れて飲み込んだ
山が崩れ地を這った
水がすべて押しさらった

今も

だけど死は画面にはいない
あるのは
凍え ....
君を抱いても
終わりがないので
次の日曜日
殺人しましょう

生きている意味を
見つけたいなら
忘れるだけじゃ駄目

対極を見極めること
対極を見極めること

ぬるま湯な恋には ....
ほんとうのこと
言わなくちゃって
思うから苦しいんだよ

ほんとうのこと
知ってるのは
世界に誰もいないのだから

幻のような恋をしようよ
幻のような恋をしようよ

朝は夜へ
 ....
孤独が好きな人など、どこにいるのだろう。と思う。
みんなどこかで。小指ひとつの重なりで。
つながっていたいのだ。

自分は今こうやってパソコンの前に座って、ぺたぺたとキーを打っている。
誰か ....
ある種の魚は流線形で
泳いでいないと溺れるらしい
そのために
むなびれも
尾びれも
つやつやと 光る

人魚は奇形だと誰かがいう
交差する足がないので
ソファーは苦手
ぺとり、と
 ....
私の中には
無垢な少女も棲むだろう
あざとい人買いも棲むだろう
まっすぐな少年がいる
うそぶいた門番も

近道はどこ?
不機嫌に
ことばを探す
浮浪児の目で

ナルキッソスの夕陽 ....
パレードがいってしまう
オープンカーがいってしまう
紙吹雪がいってしまう
にぎやかな楽隊が
歓声がいってしまう
   
パレードに手を振った
誰かが
こちらに手を振った
私が手を振る ....
画用紙に書いた思い出を
消しゴムで消してゆく
書き込む時と
同じくらいにていねいに

そしてうすくけばだった
画用紙を抱えたままで
真っ白になりました、と

少しだけ泣いた
  
 ....
逮捕されたそのオトコには
十億円の借金があったそうだ
四十年のジンセイで
どうやったらその借金が出来上がるのか
そしてそのオトコの数年は
十億円の価値のある
ものだったのか
それとも
 ....
コウちゃんはどうも
歌うのが苦手らしいと聞いて
ギターを抱えて
コウちゃんのところに行く


行ってはみたものの
お互い知ってる曲というものが
実はないのだ
君が代、とか
それは ....
それはずいぶん昔のことだ。

あたしはその日、夕食の当番だった。当時の我が家では日曜日の夕方
を時々あたしが担当していた。といっても中学生の作れる料理なんて
たかが知れている。カレーライス。
 ....
公園の真ん中に
ぽつんとジャングル
あの
お人よしの頂上に
登ってみたら
気がすむのかな
それとも
もっと複雑な
迷路だったらよかったのかな
そこは
夕陽の沈むのが
ほんのちょっ ....
まず
弱いヒトを見つける

弱いヒトは
遠巻きに見ているのですぐわかる

弱いヒトを
包み込むように
それでいて
背中を見せながら
ことばを

ことばは水のようにアナタを包む
 ....
こそこそと
チャットに入る
そこに
見知った名前があるから

こんにちわ

私は言う
あのう、あの作品
よかったですね
好きです

ほんと?
ありがとう!

私が
伝 ....
あなたは知っていましたか
すべての細胞は 
自殺するということを

遺伝子の片すみに 
小さな時計が隠れてて
もういいよってささやくと

それきり細胞は 
すべての作業を放棄して
 ....
子供らがそらを指さして騒いでる
何事かと思いぼくもそらを見る
この角度でそらを眺めるのは
ずいぶんと久しぶりだ
見慣れたビルの屋上付近は
見慣れない広告でひしめいている
そのすき間ほどのま ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
君にあてて手紙を書こう
便箋
ティファニーの
スカイブルーな

世界は
そうだね
まだもう少し続くみたいだ
ボクは
ボクの周りの
ごく限られた人たちが
平和でいてくれたらいいと
 ....
 ぬ
  ぬま
    ぬた
     ぬえ
      ぬらりひょん

 ぬ
  ぬうど
   ぬれちゃった
    ぬきさしならない

 ぬし
  おぬし
    ....
多くのヒトにとってみれば
他愛のないスポーツニュースに違いないプロ野球
ストをするとかしないとか
チーム減るとか消えるとか
よくある合理化
よくあるリストラ
別にたいしたことじゃない、と
 ....
いきものがいきものでなくなるしゅんかん
世界は
小さなポケットで
ゆりかごのたわめきで

いきものがいきものでなくなるしゅんかん
そらはそらいろ
うみはうみいろ
くももたいようも
か ....
お母さんボクは東大にいきます
やりたいことがあるとか、ないとか
これからは好きなことを仕事にする時代なのだ、と
そんな黄色いハローワークで
幸せになれますか

お母さんボクは東大にいきます ....
もう9月になって
昨日を忘れたような雨が
じとじと降っているとゆうのに

どっこい
コウちゃんちのカブトは生きている
たしか6月に
さなぎからかえったはずだから
もうかれこれ3ヶ月の
 ....
君を裏切るのは
とても簡単

ハロー
そういって
右手を上げて

その手は
ゆうべ
誰かの内部や
その内部に近い小さな花を

ハロー

小さく震えて
開く扉は

ハロ ....
愛してると見せかけて
上手な嘘を
つこう
つこう

手を
つないでも
こころは遮断して

サイレンに呼応して
どこかで犬が遠吠える
私も

あなたに呼応して
上手に

 ....
   
   あと5回セックスをすれば
   さみしくなくなるんだって
   聞いたから

   だから

   今晩中にやっちゃおう
   そしたら

   さみしくなくなるの ....
今日
歯車の音が
聞こえました
かちり、と

有無を言わせぬ
確かな
ひとこま

わたしの
こころで
戻れない
何かが

そう
ほんとうに
おわったんだね、と

か ....
さみしい と打ち込んで
いっせいに
知りうる限りのアドレスへ

やがて何通かの同情と
おざなりな相槌と
迷惑な入れ込みが届く

そんなものは望んではいない

薄らぐ窓のすき間から
 ....
umineko(812)
タイトル カテゴリ Point 日付
なまこの恋自由詩604/10/29 23:52
白神大祭[group]自由詩204/10/28 8:12
ジャパニーズ・ライスボールをふたつづつ自由詩504/10/24 23:40
ネクスト殺人駅自由詩504/10/24 20:25
ほんとうのこと自由詩204/10/21 18:16
どこにもいかないで自由詩1304/10/20 19:29
流線形のさかなのそら自由詩704/10/15 7:52
ナルキッソス自由詩504/10/11 10:32
パレード自由詩604/10/9 12:51
もう一度自由詩1204/10/8 14:44
十億円コミュニケイト自由詩904/10/7 3:40
泣くつばさ自由詩604/10/3 23:42
カタクリ・カレー自由詩504/10/3 12:08
さよならジャングル・ジム自由詩504/10/1 8:01
さみしさを増幅させる2、3の方法自由詩304/9/29 14:39
夜の閉じ方自由詩304/9/28 21:53
アポトーシス自由詩504/9/27 21:11
そら自由詩1104/9/25 16:39
真空フラスコとティンカー・ベル自由詩45*04/9/20 0:43
背の割れた魚自由詩904/9/18 10:52
素描 「ぬ」自由詩104/9/14 20:21
いつか古田が握手をする日自由詩504/9/12 22:09
そらいろの自由詩404/9/7 19:40
お母さんボクは東大にいきます自由詩2504/9/5 22:54
9月のカブトムシ自由詩704/9/4 17:14
ハロー自由詩404/9/3 23:27
呼応自由詩004/8/31 19:25
湾岸プールサイド自由詩704/8/29 18:31
歯車自由詩404/8/26 14:13
カーテン・コール自由詩304/8/26 14:09

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