恋の壊れる音を
はじめて
私は聞いた


恋は
すがるしかなかったのだ
制度に
あるいは約束に

あなたを
愛しむ理由がないように
あなたを憎しむ
理由もなくて


強 ....
恋がまだ私に生きていたころ
私は

夏の校舎を一周する
鼓笛隊のパレードだった


恋がまだ私に生きていたころ
私は

夕暮れを味方につけた
見えない星だった


恋がまだ ....
あなた
あなたは夕焼けの罪で
無期限に
私の記憶から
逃げ出すことは出来ません

あなた
私の胸に
秘密を差し入れた
私はあの日どうかしていた
いえ
それはあなたもきっとそう
 ....
指は
君の小さな生き物だった

どこか
遠い異国の調べみたいに

時おり
弾むように歌ってた


君が僕の指を食む
君が
少し子供にかえる


遠いね、
   
とだ ....
ぼう、と
汽笛が低く鳴いて
遊覧船が桟橋を発つ

湖の真ん中
ボートにたたずむ私たちを
避けるように右へと進み
エンジン音が湖畔に響く

よかったね
あのまま
まっすぐ来たならオ ....
携帯をなくした。警察に届けて、あとは使用を停止して。きっと誰かが、海に投げたりしたんだろうな。さよなら。2年間ありがとう。

必要なとこには連絡した。しばらくは予備のPHSで暮らすことにした。解約 ....
いろんなこと
楽しいこと
しよう
いっぱい
尾行されて
ばらまかれて
いいじゃん
よくないけど
よくないこと
してるのはどっちかと
わからない人たちに
いわれるような筋合いはない ....
ひとつひとつは とても小さな
出会いだったり さよならだったり
やさしかったり 冷たかったり
忘れていく 揺らいでいく

確かめるすべもなく
流れていく 壊れていく
それがとてもゆるやか ....

コウちゃんはプチ家出中
あるじのいない暗い部屋には
ただ
散乱するユニフォーム

ことの起こりはこうだ
高校生のお弁当タイム
コウちゃんは
意気揚々と開いたらしい
すると

 ....
薄紙は
とても破れやすいから
私はいつでも
言いなりになる

ことばの数だけ
肌を重ねて

ほんとうの恋は
最初だけだと
いつのまに
私は気付く

あとは
薄くなぞるだけ
 ....
父が逝ってしまったあとも
私たちは変わらなかった

私は
時々メールを送る

ふるさとの母に宛て
その辺の草木とか
カシャリ、と撮って

しばらくして
母が大げさに
電話をして ....
遅刻の朝
川沿いの道を
自転車で走る

もう
どのみち間に合わないので
鼻歌混じりで
ゆっくり走る

交差点でひしめき合う
白シャツの高校生たちも
子供を乗せたママも
いない
 ....
真夜中。わたしはシンクの前に立つ。わたしの右手にはナイフ。左手には、先輩からいただいた、いかにも高級そうな白桃。

何をかくそう、わたしは白桃が大好きである。薄い皮を剥いだあとの、あのけば立った白 ....
もういいかい
まあだだよ

目かくし鬼が
心の中で
かなしい十つを数えてる

もういいかい
まあだだよ

たぶん
囲みをほどいたら
ボクらはすぐにたどり着く

もういいかい ....
その色はウソ
その香りも
存在もウソ
甘さも

その声はウソ
好きだよって
確かめるためのキス
わすれて

あなたの胸で
はじける
泳ぐ

メロンクリームソーダな私
 
 ....
四ツ谷にもコンビニはあった
赤坂にもあった
渋谷にも日暮里にもあった
たぶん静岡にもあるし
屋久島にもあるだろう
たぶん

中央線を降りてしまうと
唐突にプリンが食べたくなって
私は ....
あなたは私を見抜いてるでしょ?でも私は気にしない。

自転車で並んで走るっていうのはいい。歩道を並んで走るととっても迷惑でごめんなさいって思う。

自転車で並んで走ると手をつなぎたいって思って ....
あなたが
私の本棚の
背表紙をそっと
撫でる

私が
親しんだ本たちが
小さく
揺れているのがわかる

ああ
それは
古本屋でね

そっちは
お風呂で濡れちゃって

 ....
CQCQ
これから
ハイウエイを逆走します

アクセルを
思いっきり踏みます

みんな青くなって
右へ 左へ

ハイウエイを逆走します

走行車線と追越車線
ちょうど
うま ....
もう
やめようかと思うんですよね
仕事

そういったあと
君は
じっと空を見上げて

道ばたにしゃがみ込み
嘔吐する

それは
あっという間の出来事で
君は
泣いてなどいな ....
ごめんね
としか言えないよ

おとというさぎ

あたたかい
あなたの腕は
やさしい

私は
幸せなんだと思う
だけど

噛み切るような凶暴さが
この恋にはないことを

 ....
メタファだといってしまえば
なんだって許される?

リアルだといってしまえば
なんだって嘘になる?

ほんとうのこと
知っているのは自分だけ

愛してるって
それさえ嘘だ
 
 ....
どこかの古墳を解体して
壁画を科学することを
別に
否定はしないけど
私には興味がない

どこかのコロッケが
牛肉だろうとどうだろうと
それは
当たり前のこと

預けたお金が
 ....
とむらいの儀式には
いろいろあるらしい

風に流したり
星に浮かべたり

鳥についばまれる
それも自然だ

骨を
石に混ぜて焼く
というのもあるらしい



鈴にして欲し ....
あたたかい雨を
窓から眺めてて

ああ
私は孤独なんだ、と
唐突に気付く

もう
お前なんて
どうでもいいやって
そんなふうに言われるの
こわくて

 ・ ・

大粒の雨 ....
大切に思うほど
遠ざかるのはなぜだろう

お弁当のウインナー
最後まで 見ていた

カラダよりキス
キスよりもことば
ことばで

私たちはつながっていく

遠足の日
ずんずん ....
すべての作品は、過去。

自分は感情という生き物が好きだ。でも、どんな感情も結局は過去で、文字にした瞬間、それはもう古代エジプトの遺跡と同列の過去の遺物。

あるいは。表出ということ自体がなん ....
きみの憎んでいるオトナに
私は
一足お先になってしまった

オトナはずるいよ
オトナは嘘をつく
オトナは平気で裏切る
オトナは権力にひれ伏してしまう
オトナはいちいち言い訳をする
オ ....
ツバメが
車庫を低く飛び
チチッ
チチチッ

ふるさとは
ツバメの里だ
雨上がりの透明なそらを
自在に

いつだったか
納屋の真ん中に
ツバメが巣をつけて


それも仕 ....
みんな嘘をついているから
私だって生まれていいんだ

嘘に紛れて

貴方のメーラーは
見張られているらしいので
私は
何度も文字を消す

せいぜい
そちらの雨はどうですか、とか ....
umineko(812)
タイトル カテゴリ Point 日付
あめゆき自由詩7*07/11/16 7:39
恋に問う自由詩8*07/10/27 23:11
夕焼け裁判自由詩5*07/10/22 1:14
自由詩27*07/10/12 6:19
メドゥーサ自由詩3*07/10/8 12:10
あおいそら自由詩3*07/9/21 18:57
フルーツ自由詩3*07/9/15 23:11
さよなら遺跡自由詩6*07/9/13 4:54
いつかの少年自由詩2*07/9/12 2:47
トレース自由詩10*07/9/12 2:46
踏切草自由詩12*07/8/28 22:51
反射熱自由詩3*07/8/28 22:48
白桃自由詩3*07/8/10 7:00
かくれんぼ自由詩3*07/8/10 5:47
メロンクリームソーダな私自由詩2*07/8/9 14:53
あなたの心はコンビニじゃ買えない自由詩9*07/7/30 8:15
ソーダ水自由詩12*07/7/22 10:56
背表紙自由詩10*07/7/16 9:35
逆走自由詩2*07/7/8 0:55
夕涼み自由詩5*07/7/8 0:37
おとというさぎ自由詩5+*07/7/3 2:51
ネバーランド未詩・独白3*07/6/28 1:51
キトラスティヌスは夕暮れて未詩・独白6*07/6/28 1:43
鈴 葬自由詩15*07/6/27 0:22
ソリティア自由詩10*07/6/22 7:13
遠足の日自由詩7*07/6/20 7:35
逃げ水散文(批評 ...7*07/6/17 14:49
オトナ自由詩4*07/6/11 23:33
ツバメ自由詩7*07/6/9 23:56
お天気ドール自由詩5*07/6/8 23:53

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