そらを蹴って
そらを蹴って
つま先の
その先にある

ちっぽけな
ボクのうでが
鉄棒を
グンと引いて

成し遂げた
小さな充足を
夕暮れが
優しく包む

それだけで
よ ....
あなたの声が聞きたい、と
私は願う
空は
雨をしのいで抜ける青

会話している
あいだ
私はからっぽ
あなたに
あなたにとどくかどうか
私は次のことばを選ぶ
あなたが
退屈しな ....
公園の水たまりが
薄くひらいて
境界線が
ゆらいでいる

記憶も

楽しかったこと
寂しかったことが
薄くひらいて
たとえば
晴れた日に
振り向いたとき

もう
あなたは ....
根菜を切る
すとん、と
やわらかく
響くまな板

根菜を切る
おおまかに
あたりをつけて
あとは
力を込めるだけ

そんなふうに

もう
あなたに告げるのだ
楽しかった
 ....
札幌の街に来ている

なーんか 違うんだよね、って
まだ何度も来ていないくせ
妙にここを気に入っている
コウちゃんが舗道のさら雪を踏む

そりゃ、さ
新しい街だしね
歴史が街を作るん ....
みずすましが
水を滑る
虫の比重は
水より軽い

あなたの舌が
私を滑る
あなたの声は
水より軽い

あなたの中に
潜ろうとする
私の比重は
水より どちら

あなたの浅 ....
Helpという記号
Usという記号

私たちは言葉をまとい
言葉の中で
死ぬ

Stayという記号
Hereという記号

想いは
言葉に置換され
不正確なまま
空へと 
放 ....
祈る、という作業を
私は避けている
たとえば

あなたの幸せを
祈る
そのとき 
私は無力で
ただの石ころ
捨てられたガム

「君を想うと 
 やわらかな 気持ちになれるんだ」 ....
もう
おしまいにしよっか なんて
言わなくてもいいことは
空へ 空へ

さみしさは
出来の悪いコピー機みたいに
あやふやなものが
伝達されない

寒いね
寒さだけが本物だ

 ....
彼の欲しかったのは 身体
彼女の欲しかったのは お金

彼はそれを愛情と呼んだ
彼女はそれを愛情と呼んだ

愛情が破綻した、と
誰かがつぶやく
そうだろうか

天秤が
破綻したの ....
実家から送られた
みかん箱
食べきれないので
ざくざく捨てた

ああ
言葉だってそうなのだ
あなたの声が
古びていく

やさしさも
心配も
やがて
甘やぐ果汁になって

 ....
最小限だ
最小限を選ばなくては
引越しを間近に控えて
私はあせる


本は捨てられない
音楽
ギターはデフォルト
CD
取り込んだけど
それでもやっぱり連れて行こう

決 ....
ねえ。ちょっと思ったんだけど。聞いて聞いて。
世界は2種類の人種に分けられるんじゃないかなって思うんだ。意図災害に遭った人たちと自然災害にあった人たち。

自然災害。洪水とか噴火とか、そういった ....
夜は私に嘘をつかない
たとえば

さみしさはさみしさに
想い出は過去へ

人恋しさに
幾度もさけぶ
誰も
私を救わない

ふりをして
ことばを這わす
今日も
何かになりすま ....
お見舞いの花が光を指して咲く 私の代わりに呼吸をしつつ

牛乳と着替えと洗面歯ブラシが お先にどうぞと譲り合う朝

薄い壁一枚隔てて悲しみと 希望の声で幼子が泣く

先輩ここめっちゃなじん ....
リストバンドを、している。認識のため。
たとえ裸になっても。私の腕に残るもの。

入院生活で、一番変わったことと言えば、そこか。
たとえば服を捨て、カードを捨て、携帯を捨てたところで。

 ....
朝陽が、まぶしい。
まぶしいけど、たよりない。
たよりないくせに、私を射抜く。
逃げられないよ と

病室の窓は 東向きで
私は ベッドの上に寝かされて
身動きできない私の左に
容赦な ....
明け方の君の東に浮かぶ月 結んだ笑みを天空に引き


ラベンダー色のネクタイ選びおる 君の背中に濃く秋が降る


風が吹いて波になって髪がシーツまた波となり


またするの?君が聞く ....
あなたの
生まれ日にあわせ
あなたの携帯を
短く 鳴らす

街中の
公衆電話から
海辺の道路から

マナーモードの
あなたの分身は

あなたの近くで
りり、

震えて
 ....
地面に
へたり込んで空を見る
空は
少しだけ遠く
夕焼け雲を連れてくる

犬の目線
猫の目線
カエルの目線
車の目線

テニスコートの
そばの車道で
ぼんやり
身体を投げ出 ....
交差点
真夜中のスクランブルは
冗談みたいな1車線

シグナルの
青い鼓動が動き出す

行かなくちゃ
つぶやきが
ことばになるまで
もう少し

ショコラ

輪郭を
残した ....
私たちは独房だ
私たちはセルロースの
薄い被膜で隔てたままの

私たちが抱き合ったり
やわらかな場所
探し当てたり

セル
私たちは独房だ
世界は私を番号で呼ぶ
間違いではなく
 ....
ごらん
朝が来るよ
眠れない 君にも
遠い 何処かの
青い草原

山の端が
やがて
ぼんやり浮かびくる
夜が
隠してただけさ

きのう
うまくいかなかったこと
もう一度
 ....
海が
最後の一滴が
空を映した自在の青が
私は

消えるのをみた

ささくれた
広い砂漠だ
私は
確かに思う
そうか
私の心は
こんなにも
砂漠だったのだ
それを
満 ....
愛も
そこにあるうちに
当たり前になっていく
わかるかい

勇猛な
ペリカンの後ろ 少し離れて
ぞろぞろ歩く人の群れ
小魚が
落ちていればいただきます

世界は
どこまでプラス ....
思い出すと
なんだか
苦しくなるから
思い出したりしないけどね

遠くから
ぼんやり
眺めていたなら
よかったのにね

恋は
いつでも私のそばで

楽しそうに 可笑しそうに
 ....
朝焼けの方角に
あなたがいることを
突然
私は思い出す

世界が
太陽にしがみつき
生きているように
そして
忘れているように

あなたを
思い出さない一日が
ひらり
乾い ....
さみしかったんだ
私は
さみしかったんだ

木々がその緑を
日増しに茂らせて

さみしかったんだ
ぽつんと

私だけが置き去りだ

あなたは
あなたの国で

こころおきな ....
花びらは死者
死者は孤独
遠い国の
輪廻のように

地を這いながら
眠る者
うごめくもの
見知らぬ

  その墓を暴いても
  父は目覚めない

  あるいは記憶さえ
   ....
空を飛ぶミサイルに。どんな意味があるんだろう。
大股で、私たちの空を、横切る。

たとえば。
眠っているあなたの頭の上を、だれかがのっしと横切るのなら。
蹂躙する。受け入れることを強いられる ....
umineko(812)
タイトル カテゴリ Point 日付
さかあがり自由詩4*10/6/1 22:49
淡い葦自由詩5*10/5/25 10:33
拡散自由詩4*10/4/29 11:00
宙(そら)への願い自由詩8*10/4/14 7:29
ポゼッション自由詩3*10/2/25 0:11
比重自由詩10*10/2/13 20:07
Stay自由詩5*10/2/2 9:15
アトム自由詩12*10/1/16 21:32
ゆうぁ まいん自由詩6*09/12/31 19:03
夕暮れポケット自由詩2*09/12/23 17:32
甘やぐ果汁自由詩2*09/12/21 8:26
エレメント自由詩4*09/11/25 0:56
朝のララバイ自由詩5*09/10/27 8:55
夜は私に自由詩2*09/10/27 0:03
入院半径2メートル短歌1*09/10/26 10:38
属性自由詩5*09/10/24 12:00
エデンの東自由詩3*09/10/23 12:13
秋の降る街短歌4*09/10/15 7:11
月命日自由詩0*09/10/12 20:31
とうめいピース自由詩5*09/10/11 23:59
ショコラ自由詩3*09/10/11 17:17
セル自由詩7*09/9/19 8:06
夜の君に自由詩5*09/7/28 5:38
うみのおわり自由詩20*09/7/14 22:14
ペリカン・ボード自由詩7*09/6/14 1:58
パンデミック!自由詩3*09/5/22 0:59
朝焼けの方角に自由詩3*09/5/3 11:29
そらに問うこと自由詩3*09/4/20 5:22
うずみ野自由詩3*09/4/8 1:06
さくらミサイル自由詩3*09/4/5 16:22

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