白神大祭
umineko

毎年この時期は、白神神社の奉納だ。
家々の軒には細縄が張られ
白い紙のお札が下がる。
それは
家々を超えて渡される。

学校。
コンビニ。
クリーニング屋。
古いアパート。
ラブホテル。

隣り合った建物が、白いお札で囲われて
入ってくンなよ、仲間だかンな。
そんなふうにつぶやいている。

それは
背中合わせに腕を組む
押しくらまんじゅうに
どこか似ている。

(押しくらまんじゅう
 押されて泣くな)

(押しくらまんじゅう
 押されて泣くな)

はじき出されてはいけない、
と。

組んだ腕の力をぐっと
引き寄せ私は地面を蹴った。

はじき出されませんように。
はじき出されませんように。

神様は
誰を守ってくれるのだろう。

いい人がいく。
そうでない人も。

白神さまの大祭のころ
街には
からっ風が吹く。
  
  
  


自由詩 白神大祭 Copyright umineko 2004-10-28 08:12:54
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