「本当にごめんね」
その口癖を聞くのも今日が最後
本当は私が悪かったのに
貴方は一度も怒らなかった
返せなかった部屋の合鍵を
そっとキーホルダーから抜いた
帰りの駅のプ ....
15分延長のバイトが終わり
駆け足で向かう先は待ち合わせのツリー前
震えて待つ君にごめんねのキスをして
イルミネーションの町並みへ繰り出した
今夜のプランはウィンドウショッピング ....
午前二時
ブラウン管の海は大荒れ
漕ぎ手のいない舟は進んでいく
水平線の彼方に光る不知火
Is it a dream?
午前四時
ブラウン管の砂漠は砂嵐
駱 ....
靴紐を踏んで転んでしまった
消毒液が擦り傷に染み込んだ
もう二度と転んでしまわないように
靴紐を固く結び直した
赤い糸が誤解で解けてしまった
生身の言葉が心に染み込んだ
も ....
名前を知らない人にとっては
五つの星にすぎないけれど
カシオペヤは輝いている
名前を知らない人にとっては
七つの星にすぎないけれど
北斗七星は輝いている
そして中心で輝 ....
汚れてしまったら洗いなおせばいい
破れてしまったら縫い直せばいい
だけど捨ててしまったら
どうする事も出来なくなる
掛け違えたら着直せばいい
シワになったら熱を与えればいい
....
一人きりの夜には
君が残した最後の言葉が
走馬灯のように甦る
夢の中でさえ君は
私を許してはくれない
一人きりの夜には
携帯電話を握り締めながら
ボタンを押す事を躊 ....
I wish...
すべての子どもたちが
武器の使い方を教わることなく
大人へ育っていけますように
I wish...
すべての大人たちが
憎しみや悲しみを教えることなく ....
I know...
多くの子どもたちが
命の重さを理解しないまま
平気で人を傷つけていること
I know...
多くの大人たちが
子どもの心を理解しないまま
力でねじ ....
季節外れの海辺に残されたものは
一夏の甘い恋物語
青春時代最後の思い出
そんな綺麗なものじゃない
あるカップルは
変わらぬ愛を誓い合いながら
かき氷のカップを砂浜に投げ捨て ....
此処までずっと歩いてきたけど
なんだか一休みしたくなって
夕陽ヶ丘のベンチに腰掛けて
刻んだ足跡を振り返ってみた
知らない間に時は流れていた
仲間と乗り越えた苦悩の数々
....
「ひとりになりたい」
その言葉は適切じゃない
初めからずっと独りだった
「ひとりは寂しい」
その言葉は適切じゃない
誰かといても満たされはしない
最後のわがまま
悲 ....
小さな種が風に乗り
何もない原っぱへ流れ着いた
恵みの雨から栄養を貰い
小さな小さな芽を出した
その芽は太陽の光を浴びて
人間くらいの高さになった
巡る季節を幾度も ....
鳴らないインターホン
一人では広すぎる部屋
無意識のうちに閉ざした心
誰が扉を開いてくれるだろう
疑うことはとても簡単だ
小さな綻びを見つけだせばいい
厳重に施錠された鉄の ....
コンビニへと向かう無花果の坂道は
街灯の灯りがほとんど無いから
月の光が際立って見える
変わらぬ愛に誓いを立てる人
変わってしまった愛を嘆く人
平和な世界に願いを託す人
誰 ....
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