夕陽ヶ丘
1486 106

此処までずっと歩いてきたけど
なんだか一休みしたくなって
夕陽ヶ丘のベンチに腰掛けて
刻んだ足跡を振り返ってみた

知らない間に時は流れていた

仲間と乗り越えた苦悩の数々
ささやかな愛に包まれた生活
何度も道に迷ったけれど
残されたものはまっすぐな轍

知らない間にこんなに歩いていた

世界の理を覚えていくたびに
皺や白髪は増えていった
刹那の時と人は嘆くけど
心はこんなに満たされている

だから安らかな眠りを前に
思い残す事は何もない

そろそろ家へ帰ろうか


自由詩 夕陽ヶ丘 Copyright 1486 106 2006-12-19 00:49:47
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