生と死の狭間で
1486 106

「ひとりになりたい」
その言葉は適切じゃない
初めからずっと独りだった

「ひとりは寂しい」
その言葉は適切じゃない
誰かといても満たされはしない

最後のわがまま
悲しみの果てに行き着いた答え

浴室でプラットホームで校舎の屋上で
世界にピリオドを打とうとしていた

「ひとりじゃない」
その言葉は信じられない
誰も向き合ってはくれなかった

「ひとりじゃない」
その言葉は信じられない
誰も本当の気持ちを知らない

最後のわがまま
気付いた時にはもう手遅れ

8.3ミリの剃刀よりも
時速120kmの電車よりも
高さ12mの衝撃よりも
見えない未来が怖かった

泣きたいわけじゃなくて
逃げたいわけじゃなくて
叫びたいわけじゃなくて
捨てたいわけじゃなくて
どうしたらいいか分からないだけ

「ひとりじゃない」
その言葉はもう聞こえない
誰も本当の気持ちを知らない

浴室でプラットホームで校舎の屋上で
最後の一歩を踏み出せずにいる

…お願い誰か気付いて
今ならまだ間に合うから


自由詩 生と死の狭間で Copyright 1486 106 2006-12-15 01:14:32
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