オートロック
1486 106

鳴らないインターホン
一人では広すぎる部屋
無意識のうちに閉ざした心
誰が扉を開いてくれるだろう

疑うことはとても簡単だ
小さな綻びを見つけだせばいい
厳重に施錠された鉄の扉は
弱い自分を守るための壁

忘れてしまった合い言葉
無くしてしまった合鍵
鍵穴などは初めからない
誰も扉を開いてはくれない

信じることはとても難しい
小さな綻びで崩れ去ってしまう
厳重に施錠された鉄の扉は
弱い自分から逃げるための盾

本当はどうするべきか分かっている

陽の光さえ入らない窓
忘れ去られてしまった空間
外から鍵を開けられないのなら
自分から扉を開くしかない


自由詩 オートロック Copyright 1486 106 2006-12-12 00:42:46
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