台風が遠くの海にさしかかったと聞く。わたしのいるところは、晴れていて、暑いがきちんと秋の日差し。さしこむ光の色が橙で、日が傾いているのだと思う。

わたしは空調のきいた室内で、窓の横に座ってい ....
しらない人が
にやにやしながら
ついてくる

ああ
わたしは
人を殺しつつ
誕生に感涙し
星空にふるえながら
少女の処女をうばう

わたしの命から
意味が剥がれおち
あな ....
だれか
汚い戸をあけて
入ってきて

つめたいお皿に
生ぬるい血を
注いで

あけはなして
去って
だれかのものにして
心臓を
落としてしまった男が
こちらをみて
口を開けている

あのときから
うたが歌えなくなった

かわりに
詩をかいている
かわいた心臓が
膨れあがり滴るような
詩をかき ....
空を引きずり
波を止め
人を変えた
いくつもの声が
きえた

さかい目のような悪夢を
人々はみた
それでも
悪夢のような日常には
すぐに慣れる

都市の陰欝を
打ち抜くように ....
あらゆる可能性があり、またあらゆる不可能性があるが、それらに大差はない。それらはみな頭のなかにあり、実在する一匹の蝿に勝てるものはない。引き金を引けるのは実体だ。実体化する可能性。 まなざしが果実のように熟すなら 情も枯れゆき朽ち果てるのか

鰯雲 終い忘れた風鈴がからからと鳴る かなしいみたいに
明けがたに仕事を終えて
20分だけ男のひとに会った
くちの中に
たんぱく質の味を覚えながら
台所で立ったまま桃を食べた

うす暗く うす寒い からだのなかに
うす甘い桃が
ぬまぬま ....
わたしは
鬼を育てている
小さくて可愛い
鬼を育てている

百年を わたしは三つに分け
大きいものは土に埋め
小さいものは火で燃した
一つ残った手まり程のを
わたしはするりと飲み ....
わかりきってることだけど
それがそこにあることが重要なのかもね
なにも言い切れないぼくたちが
届かないなにかをほしがることは必定で
それがそこにあるってことだけが重要なのかもね
あなたがたと
話したり
笑ったり
していると
こころが平べったくなるのが
よくわかる

あなたがたは
正直で
親切で
寛大だが

あなたがたと
話したり
笑ったり
し ....
完璧な森  深い緑色
完璧な埋葬 残酷な金色

完璧な・・

森、埋葬、そして墓標
額縁、衣、カンナビス

矛盾・・
贅沢な墓標


(ひとごろし)

///・・・
 ....
こうばしい匂いは
おとこのこの
おへその上からする

おんなのこたちは
それを知って
おんなになる
青い朝も
青い夜も
青い汗も

過ぎてしまえば同じようにいとしい

はやくすべてが過ぎさって
いとしいものになりますように
あらかじめ壊れたものを受け入れるのは、
壊れゆくものを見つめるよりも、きっと易しい。

でもどっちみち、
どちらにしても、
空気のすくない星で暮らすようなもの。
わたしの家族は、みなそれぞれにパソコンを持っていて、わたしはといえば、専用のものはないのだが、家族供用とされた一台はもうほとんどわたしだけが使っているので、実際はそれがわたしの占有のようになってい .... なにもない
ふたり同士
ひとつにはなれないで
身をかさね
日をかさね
それでいて
ひとつにはなれないで
なにもない
ふたり同士
ひとつにはなれないで
ひとりずつ
べつべつに
 ....
細いうでを腫らして
まっている子ども

たりないものは
たりないままに

愛せなくても
いいんだよ

なにもそんなに重要じゃないし
なにもそんなに重大じゃない

愛せなくて ....
宵のそらを見ていたら
きゅうに体がいっぱいになってしまった
寝そべる山の稜線が
きみの額にみえたの

たちあがり ゆらいで消える
とりとめもなく広大な
だけど身近で

見ていたら ....
たくさんの知らない人々と同じ電車に乗る。電車横転せず終点。降車し階段を下りる、42段降り左折のち道路を横断する。夏が四十五度に傾いて立っている。わたしにはわかる。人々は気付かないふりをしている。気付か .... 下方向への上昇が始まり
世界が裏返る
甘い唄をなめまわして
地球が後転する
同じ夜のしたで
「脚のながいスツールのうえで複雑な味のカクテルを飲んでいるってだけで、夜を知った気になるのはやめたほうがいいわ。」
「認識を変える必要があるかもしれない。お互いに。」
「世界は熱湯のなかにあっ ....
おわらない憂鬱を笑うように朝がきて
継ぎ目のない昨日をなくしていく
夜の隅っこに取り残されて
君がついたため息を飾ろう

裏切るようにうつくしい陽がさして
安心な夜を洗い流していく
 ....
十八、十九の女の子をみていると、不思議なきもちになる。彼女たちは、何もおそれていないように見える。同時に、何もかもがおっくうだという風に見える。その年頃の女の子たちは、たいてい自分が若いということを知 .... あらがわなければ、

おもったときには
もうあらがえない

うしないたくない、

おもったときには
もううしなってる

こどものころに
走っていて転ぶとき
ああ転ぶな、 ....
身体がすごくくたびれているときには、マッサージのことを思い浮かべる。
マッサージを受けるのがだいすき。手の平を腰にあてられて、くっと力をいれられると、わたしの薄い背中にちいさな電気うなぎが泳ぐよ ....
もう一枚、もう一枚と 剥いでいく 辿り着けないことを知りつつ

ずるずるの皮膚を引きずりゆく炎天 砂で身体を洗われるよう
かみさま
みたされて眠るわたしに
なぜ朝をあたえるの
今日が今日のまま
おわるようにと
境目をつけたまぶたに

かみさま
からっぽな朝に
わたしたちをなげだす
 ....
海よりも空よりも青い夜を泳ぐ 果てたからだは一つによじれて 晴天のすみわたるほど影は濃く 向き合いながらも表情(かお)わからずに

晴天に雨を呼ぶこえ 薄暗い部屋で待つ指磨いた首筋

晴天を裏切るような白い肌 夕暮れどきには空より染まる
はるな(1724)
タイトル カテゴリ Point 日付
三年後は?散文(批評 ...210/9/17 15:08
しらない人自由詩210/9/17 2:41
汚い戸自由詩010/9/17 2:32
自由詩2+10/9/12 3:30
液晶(911)自由詩510/9/11 23:51
引き金自由詩0+10/9/10 23:35
かわり目[group]短歌210/9/10 23:30
落下する桃自由詩310/9/10 18:30
鬼を育てる自由詩210/9/9 16:11
わかりきってることだけど自由詩110/9/9 16:09
対岸自由詩0+10/9/9 16:06
金色自由詩010/9/7 13:50
こうばしい匂い自由詩2+10/9/7 13:48
残暑自由詩010/9/7 13:47
螺旋自由詩010/9/2 22:52
妹とパソコンのこと[group]散文(批評 ...10+10/9/2 12:19
夜あけ自由詩010/9/1 4:30
足りない自由詩310/8/24 13:16
生活自由詩110/8/23 2:11
注視自由詩110/8/23 0:18
下方向への上昇自由詩010/8/22 23:09
夜/雑踏自由詩0+10/8/20 18:58
明星自由詩310/8/16 23:09
女の子のこと[group]散文(批評 ...310/8/15 2:05
転ぶ自由詩510/8/15 1:50
身体のこと[group]散文(批評 ...2+10/8/14 23:53
untitled[group]短歌110/8/14 14:30
かみさま自由詩110/8/14 0:03
夜の魚たち[group]短歌410/8/11 14:43
晴天[group]短歌210/8/11 14:34

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