街があたたかくなってゆく
街があたたかくなければ何も生まない。
白……それは猫の名前?
(それとも人の名前だったのかしら……)
海辺においてきた貝殻ひとつ
かけらがかけらを探していて、
や ....
”お百姓さんの手だね。”

というのが、

不細工なわたしの手にかんする彼の感慨。
なんてファンタなの? 豆板醤入り。

ドクペも毒虫も、静御前も真っ青[姉]……

と、華のあたまを掻く泣き虫さん。
あさってくまモンと、
砕けた六角形公園でデートなの。
わたし、
電話帳のカスタネットが、
バチン、バチン!と、なんて音!?
へんなのね、
こちこちパンチの893の番長さんが、
<そりゃ、唐来ものだぜ?>
なんて、視線を促す広告の先。
テ、テ、テ、テ、テ:
向こうから合図して、こちらは無視。
こちらから合図して、向こうは無視。
信号機のない交差点、子供が! 飛び、出し、ては……
<だめよ!>
後ろを振り向けと、馬鹿な兄さん ....
あなたなんてまあ、やっと分かってきたのね?

(そうさ、語りかけたのは僕だったんだ……)

キャンベルのスープが6缶あるから、それで夕食を作りましょう。
冷蔵庫。
開けたしゅんかんに在庫の確認してさ、
今日は「お味噌汁のおでんだよ……」あっ、
いけねえ、そんなのないっけ、
今日は「しじみのお味噌汁だよ」それと「おでん」
<しみみ>もないっけ? ....
わたしの球体はふくらんだ。

ト音記号をまず描いたように、

カンバスには出鱈目な刷毛の何塗りか、

(おぼえていない……p)。

砂丘を越えて。いつだって、ラクダはたどり着いて……
 ....
ブロッコリー、ブロッコリー、ブロッコリー、です父上。
それはブロッコリー、あれはカリフラワー、これはキャベツ、あれは菜の花。
ブロッコリーはね、花のところを食べるの。
白いのがカリフラワー、緑い ....
薔薇の花束を届けようとしたU子さんが、
通りの曲がり角のところでふとかけ足になる。
こそばゆく、茎と葉と棘と包装紙は揺れて。
今日は雪が降った初めての日、
それからずいぶんと経って、また雪が降 ....
あなたはただ、わたしではなく親御さんを選んだだけ……
と、あなたがとうに大事ではなくなってしまった今に思う。
あまりにも若すぎたから真剣だったんじゃない? たぶん。
もうあなたの面影すら覚えてい ....
[ ── ここからモノクローム ]

の た め に 立 ち 上 が っ て 青 空
か す か な と ど く ほ ど 耳 ま で
ざ っ く り と 雪 割 っ た 悔 み の
人 知  ....
レンガが降ってくる

##### 線路

十字ボタンで突き刺したんだよ

 夕闇の水田のなかを、幽霊たちがとぼとぼと歩いていく。
おぴよさまが、

 つめたい庭にとび出たよ

えんどう豆の、

   さや、さや、さや。

きょうがくもりか雨か晴れか、

    みなみさんに電話して聞いてみようね。
 あの日、わたしは友人といっしょに一本の映画を観た。黒澤明の「まあだだよ」。
 友人と待ち合わせをしたのは、午後のことだったろうか。たしか、銀座にあるマクドナルドだったか、日比谷のウェンディーズの前 ....
龍田姫の誘うがまま円舞する

ちちろ鳴く指揮者は月と心得て

ちちろ鳴く指揮者は空の上にありて
かけている時の眼鏡を赤とんぼ

パリ五輪夏に涼しやあつかまし

紫陽花を見たあの日から幾日や

朝顔のつるりつるりと手を伸ばし

夜更けてもかなかな鳴くやゆめうつつ

紅葉葉のよう ....
遊園地と思っていたのか家の蚊屋

台風の目は一重なの二重なの

背中から指さされてる浴衣の子

大花火地球はそんなに丸いのか

台風と言わず真夏の通り雨

笑わせてそして泣かせて ....
{ルビ朝=あした}明け梅雨に戻るか曇り空

懐かしの夏衣かなワンピース

化粧などしない自然の子ゼラニウム

蜜豆の味は母から教わりて

アゲハ蝶追い駆ける夢夢の夢

立秋にはほど ....
言い訳を何に帰そうか夏の月

病み疲れ若葉の想いも過去となり

真夜中に起きて明日は百日紅

見られない思い夏の日遠ざかる

粛々と夕立を待てば真夜中で

風鈴やガラスの音色涼し気 ....
梅雨明けて眠りを誘う掃除の後

ただ父に八月来ると伝えたくて

氷菓子溶ける前に食べなさいねと

氷菓子母はとにかく嫌いでした

美しき夏の暁我は{ルビ醜女=しこめ}

冴えかえる ....
痛み止めのかわりに睡眠薬を飲んで、
買い物へと出かけて行く。

主婦に休みなんてないんだよ。
あなたは主婦ですか?
いいえ、家事手伝いです。

わたしは単なる家事手伝いです。
昔は夢や ....
こんばんは。
今のHさんが高次元の立ち位置に立って物事を観測している、
ということであれば、それはHさんにとって正しいのです。

ただ、わたしは、例えばイチゴケーキを買おうと思ってもお金がなく ....
カフェインが入っているのが嫌いだから、

と言って、君はデカフェを飲む。

そんなのおいしくなくない?

って聞いても、君はくすくすと笑うだけ。
ゆりかごは揺れて、
赤ん坊は空に行ったんだよ。
ゆりかごは揺れて、
母親は涙を流した。
父親は、出稼ぎで都会へと出向いていた。
ゆりかごは揺れて、
亡き子はいずこに?
そして今、あの世で ....
アップルパイを食べて、眠ってしまおう。
アップルパイ? 飲み物には何を?
それはもちろん、アップルティーで。
君と自転車に乗って行こう。
白い(黒い)自転車に乗って、どこまでも。
海岸線にたなびく雲。
あの向こうの向こうに、青空があるんだ。
「わたしの背丈よりも伸びたね」って、母親が言う。
そんなことはないはずんだんだけれど、
父親の遺伝なのかな。
それとも母親が縮んだのか。
果てない、家族の団欒。
少しでもその役に立てれば。
ショー・ウィンドウのガラスのなかには、
首輪をされた二匹の犬。否、そのぬいぐるみ。
わんわん鳴くでもなく、ただ虚ろを見つめて……
ああ、悲しいって言いたいんだよ! 苦しいって言いたいんだよ!
 ....
白/黒(930)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
クールラントの詩文書グループ24/10/26
読むことのスリル──ひだかたけし小論文書グループ23/3/25
投稿作品
街があたたかくなってゆく自由詩4*25/3/21 0:57
百姓の手自由詩5*25/2/10 7:03
GOOSE、GEESE、GEYSER自由詩2*25/2/10 7:03
これはポエムです/これはポエムではありません自由詩3*25/2/10 6:37
きょうび丸善なんて流行らないんだからッ自由詩6*25/2/6 17:32
ボサノヴァは取り立てておもしろくない自由詩5*25/2/6 17:29
夕暮れにはひと番のFOOLISH自由詩3*25/2/6 17:25
夕食前即興御前(のらねこのねえ)自由詩5*25/2/3 17:06
バランスの良いいくつもの林檎自由詩6*25/2/2 0:16
ブロッコリー自由詩10*25/1/10 5:05
遷移するバラの花束自由詩4*25/1/10 5:04
言葉だけになって自由詩4*25/1/10 5:03
2階のドトールから見つめる、冷めた残酷の、風景の。自由詩6*25/1/6 1:46
なつかしさ自由詩11*24/12/28 20:09
あ し た の で き ご と自由詩4*24/12/27 17:31
「まあだだよ」散文(批評 ...3*24/12/26 18:03
つれづれと俳句(半分)俳句4*24/11/23 18:04
つれづれと俳句俳句4*24/11/22 19:20
俳句3*24/11/21 17:34
俳句3+*24/11/20 20:28
俳句5+*24/11/19 16:18
俳句3*24/11/18 20:52
自由詩12*24/11/11 13:52
ある手紙から自由詩11*24/11/7 21:39
デカフェ自由詩5*24/11/6 23:38
ゆりかごは揺れて自由詩4+*24/11/1 16:57
アップルパイ自由詩2*24/10/31 21:34
君と自転車に自由詩3*24/10/30 20:40
団欒自由詩2*24/10/28 19:13
ポエム自由詩3*24/10/28 2:10

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