夏の暑さに、包まれ、静まり、静かな怒りの流れのように、
今、雷鳴がとどろき、わたしは戦慄した。
……ざあっと、雨が降るね。おびえる目で見守る。
やがて、ぽつりぽつりと、頬を打つ雨は感動で、至らな ....
風が吹いたからって、何だっていうのさ。
わたしは人殺しのような目をして、アスファルトに小瓶を蹴って、
救われることなんてあり得ない、ボードヴィルに身をまかせていたよ。
涙……など、流れない。
 ....
その耳、分かるよ? ──分かるわけないさ!
頭蓋をうち壊して(死ぬ?)、わたしはわたしの頭痛を排除した。だからって?
ああ、どんな愚痴でもちょうだい。
わたしは一番街から五番街までの通りを走って ....
行き違い……死んでしまおうと彼女が言う。
いや、僕が言う。
辿っても辿りつけない、過去へと梯子を下ろして、
一歩一歩、深淵に向かって。
誰かが言ったよ、今日の青は明日の緑、と。
きょうは、わたしのふるさとも雨。
雨のなか、傘をさして歩いて行こうか。
それとも、レインコートを着て、自転車で行こうか。
肌をなでる風が、さびしくも涼しい。
こんな日には、いつかの思い出に包ま ....
遠く、はるか遠くの港で、船員たちが一瞬のくつろぎに、
身を任せている。
明日はまた、嵐の海に乗り出ていくんだよ。
明日はまた、セイレーンの歌と戦わねばならないのだ。{ルビ現在=いま}に心を委ねる ....
ひだかたけし「熱の同心居」
https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=384376

(1)

 これはまず、反戦の詩でもあるのだろう、そんなことを思いま ....
雨を乞う父が安らかに過ごせるよう

夢のなか眠りのなかまで空梅雨

青嵐三十日も遅れて来

雲もなく夕暮れてなお蝉しぐれ

明ける朝にわかにとまどい大暑かな

アイスティーマディソ ....
遠くから夜明けの咆哮トケイソウ

溶けゆくはアイスクリーム木陰の椅子

氷菓子まだまだだめよ母の言い

引き続く夏の星なら三角形

空梅雨のゆくえもどこか淋しげで

さらさやと青葉 ....
暑き日よわたしは果てる汝も果てる

長雨の宵に流せる涙はなく

乾く日と湿る日とに思う{ルビ変化=へんげ}のこと

庭の木が短夜にさらさらと鳴れば

眠れずに午前四時過ぎ暑き日や

 ....
日付が変わったくらいから、雨が降り始めました。昨日は日中もそれほどの暑さではなく、扇風機などかけていると涼しいくらい……お昼過ぎくらいからうとうとと寝ていたのですが、午睡のさいちゅうに母方の叔母が父を .... 今日は何の花?
白い花
線香花火、みたいね
名前はなんて?
名もない花、知らない花
ナモナイバナ? シラナイソウ?
ん?
そんな名前があってもいいね
雨降りお月さまは、どこへ行く?
それは雲の上、星の彼方。
わたしたちには見えないものも、
宇宙飛行士なら眺められるね。

雨降りお月さまは、どこにいる?
きっと今は、隠れんぼの途中。
彼 ....
明後日の予定をずっと気にしていたんだね。
だから、馬鹿だったんだよ。
今はとおくもちかくもない死を見つめながら、
そんな死にからかう。

ああ、こんな運命の思いやり。
眠れない夜の慰めに、
温かなハーブティーを飲んだ。
夜はまだまだ続く。
老いた父は眠っている。
目が、覚めるようなシャワーを浴びる。
コーヒーを飲み、

わたしは死んだよ。

死んだのだから、そっとしておいて。
何を話しかけるんだ、
何を!

あなたはわたしの何すらわかっていないというのに。

わたしはわたしの何 ....
& Next then :


 それから、わたしたち二人はどうなったでしょうか。果林とは前よりいっそう親しくなったの? と、聞いた子がいます。どう答えていいのか、分からない。
 ....
     &


  男の子たちはみんなばか
  あたしを置いて、どこかへ行っちゃう


 果林が奇妙な歌を歌いはじめたのは、それに連なる日からです。
 わたしはディオールの服とかを見 ....
Introduction :


 冬の風がもうひたひたと吹きつけています。そんな季節になったのかと、なんだか意外な思いのように感じながら、書き始めています。いま、コンタクト・レンズでは ....
寂しさの星座へ向かう一月半ば

諦めを一つ手持ちて鬼は外

もう良いと言ってほしいの冬銀河

冬の雨寂しいという合言葉

父がいないわたしは起きる寒き朝

かけがえのない思い出に浸 ....
牡蠣鍋をまた作り父は不満顔

寒さに負けて今日はただふるえるよ

今日は日付変更線を迎えたの

歯医者の帰り冬の寒さは身に染みて

ポテトサラダ父のために作る小寒の日

悲しみに無 ....
そっけない冬に迎える一周忌

寒さなどなんでもないと呟いて

緩やかな上り坂なり我が冬は

初夢は霧と消えゆくそんな朝

さよならを言いたいのだけれど冬の暮れ

年末のチンジャオロ ....
三が日いつもとは違う道を辿ろうと

お節もなくただお寿司だけ買って来たる

父と酔いわたしも酔って三が日

悲しいと一言言えぬ年の明け

白鳥の鳴いて過ぎゆき朝涼し

忘れられ二度 ....
コーヒーを飲んで眉根を寄せる冬

隣り合う慈しみなり冬木立

手袋をなくしてひとつ溜息ついて

一人ゆく孤独は友かミソサザイ

木枯らしに問うても答えはないままで
おはようを再び言う日冬至前

鍋の具を買いに行くけれど鍋はなし

一年が再び巡り冬至来る

カーテンを閉めて迎えるクリスマス

悲劇とは名ばかりなりて真冬の日

ため息に混じる希望 ....
降り積もる雪に足元を攫われて

ジャケットの前をはだけて{ルビ寒=かん}に酔う

クリスマス迷い路のごとまた来る

北風にしかめっ面してペダル漕ぎ

猟人の夢見る果てに獣ありて

 ....
粉雪散るふと滑稽さ感じさせ

水涸るる言葉は遠き我が家ぞ

クリスマス待ち望む我は背信の徒

人形が笑いて顧みる冬の夜は

思い出の街を彩るポインセチア

新宿はクリスマス模様マネ ....
自転車のライトが照らす粉雪や

冬の夜は汚れっちまった悲しみに

冬日とて洗濯物は疾く乾き

漱石忌わがはいはまだ猫になれず

傘をさす日も遠くて傘買う冬の日

師走路の道の半ばに ....
手袋を持ってポケットに手を突っ込むの

冬空がゴッホの絵のごと渦巻いて

小雪に現実の時間が追いすがり

玄冬や一歩踏み出す勇気はなく

強風で息もできずに冬駆ける

天邪鬼綿虫と ....
初雪の山並み煙る北の峯

粉雪はぱらぱらぱらと肩に降り

初雪にまたひとたびのイリュージョン

冬ジャケットの汚れて洗濯もできず

湯冷めして体{ルビ顫=ふる}える午前午後三時

 ....
おぼろん(895)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
クールラントの詩文書グループ23/7/24
読むことのスリル──ひだかたけし小論文書グループ23/3/25
投稿作品
ポエム自由詩8*24/8/22 22:35
自由詩4*24/8/22 22:34
自由詩5*24/8/22 22:34
自由詩3*24/8/21 2:01
自由詩3*24/8/21 2:00
自由詩4*24/8/21 1:58
ひだかたけし氏の「熱の同心居」を読む散文(批評 ...4*24/8/7 11:44
つれづれと俳句俳句5+*24/8/3 14:49
俳句7*24/8/2 16:02
俳句5*24/8/1 15:38
つれづれと散文(批評 ...4*24/7/18 18:08
名もない花自由詩8*24/6/26 14:53
雨降りお月さま自由詩5+*24/6/8 12:33
死にからかう自由詩9*24/5/16 18:23
夜の薬箱自由詩7*24/5/16 18:23
無題自由詩5*24/5/10 20:49
いんとろだくしょん&アレグロ③散文(批評 ...1*24/3/6 20:59
いんとろだくしょん&アレグロ②散文(批評 ...1*24/3/6 20:57
いんとろだくしょん&アレグロ①散文(批評 ...2*24/3/6 20:52
つれづれと俳句俳句6*24/2/4 18:57
俳句2*24/2/3 20:02
俳句1*24/2/2 18:56
俳句1*24/2/1 19:31
俳句3*24/1/9 17:48
俳句3*24/1/8 16:50
俳句3*24/1/7 16:57
俳句3+*24/1/6 16:36
俳句3*24/1/5 16:47
俳句2*24/1/4 17:17
俳句2*24/1/3 13:38

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