[平手みき② 佛道歌十首]
地獄と云ふこなれた概念坐右に置き修羅行く人は分かり易くて
羅漢如何に行基菩薩に問ふたれば沈黙やがて黙殺と分かる
衆生みなみなの顔など覺えをる良寛の如き雑魚 ....
膨らんだ
腹と裏腹の虚しさが
溢れて伝う
涙一筋
誤魔化せず
開き直るが正解か
職場で漏れる
五十路のおなら
何度でも
プリントし直す
履歴書を
日付あちこち
書き直す度
人は只
病として在り
この事を
認め識ること
詩想の始め
ソレーユはおいそれとみせぬ素顔でも昔からみな知つてるわけで、、、
花咲(はなさか)のジジババばかりものがたり主人公らの居ぬところ 子へ
海鳴りを昭和のドラマに聴いてゐる 鬼籍に入りし人偲びつつ
肉食のメスの齧るは頭から愛する夫生きていく為
だれからの
希みも祈りもことわれないなら
哀しい感じの《博愛の女(ひと)》
さらさらと
風に吹かれて揺れる髪
天に三日月汚れた悲しみ
泣く猫の
よう ....
[平手みき① 飯食ひに]
人はたゞ遊びせんとや生まれけむ遊ばぬ心に飛翔なかりき
夭折の人力プロペラ飛行機よ材質脆き事を悲しむ
鏡見てとくと異星の客人マラウドを思ふこんなだこんな顔し ....
店棚にかはず飾られ賑やかに
楽器抱えて今や奏でぬ
舞い落ちる桜乱れて水溜まり
鮮やかなるは憐れなりけり
平らかな水面を刺して君の指
これはたしかな愛に為りうる
冬の澱
蝶ちょは部屋で凍えてて
あなたの指は光を集める
わかちあう方がいいのか悲しみは一人で受け取る方がいいのか
あの宵の記憶が僕をいまだってガンダム好きな大人でいさせる
警告は絶対したわ最初にね ....
冬山の
白い姿が美しく
想える部屋で朝を迎える
まっすぐな
視線にすこし惚れている
生きてゆくってこんなもんかな
新婚で
過ごした遥か過去 ....
昔の現場 知る人も減り
一輪の花の前にてお辞儀する
なぜですかながしそうめんとした題 つまり集まり 黙して食べろ
うつむいて
幸せ色のチキンみて
南に消えたひとを想う夜
あのころは
まさらな紙を埋めていた
銀貨みたいなメルヘンだった
あちこちに
こぼれる希望の果 ....
香ばしい指が私の道を行く
だからわたしは地図として鳴く
触れるとも触れずとも落つ肌の上
あるかなきかの道標など
つまらない日々の余白を奪い合い
鳴いて見せたらああおもしろい
....
ため息を小瓶に溜めて息をする
浅はかでしょ?嫌いになってね
早起きは
一本はやめのバスに乗る
ためだったんだ君がいるから
駆ける犬
甘い香りの風を追う
花びらみたいな雪とじゃれてる
夏山に
でっかい夕 ....
椎茸と茄子をあんなに嫌ってたあのころ世界は輝いていた
インコ食べ吾食する夕餉には一抹の寂しさが漂流す
寒空の満月に心奪われ瞠目すあと何回やかやうに見るのは
鉢植えの
ポインセチアに
夢を見る
物憂い日々に
色褪せつつも
年の暮れ
街に溢れる
煌めきは
路地裏の陰の
迷い子に届かず
不 ....
詩ハ詩デス透明タイプニ打刻シテ星ノ光ヲタヨリニ帰ル
あの言葉
こころに刺さり傷口が
甘い感じで痛む快感
メガネして
さぐりあてるわ『嫉妬目』で
ネクタイゆるめて首すじをみて
麦ちゃんが
まとわりついてく ....
アルコイの
バイオリン弾きのメロディーは
たびびとたちのこころを乱す
陽だまりの
ピアノの前に君は立つ
うつむきなにを忘れたいのか?
白樺を
子リスが登るバ ....
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