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抜けるような
美しさが
花開き
時が経過する
微かに
彼女の息遣い
ふるまわれる
原色の舞い
高揚し
忘却して
上昇する
下降する
もう一つの朝
もう一つの夜
もう一つの可 ....
異郷の地に立って
根こそぎにされ 
もう何も残っていない
荒涼としたノスタルジア
魂の奥底から滲み出て
北の国より吹く風になびき
遥かコバルトの海底に沈む

日を追うごとに
紋様はこ ....
抜けるような
美しさを保ったまま
時が経過する
微かに
彼女の息遣い
振る舞われる
原色の舞い
忘れさられて
過ぎ越して
上昇する
下降する
もう一つの世界
もう一つの夜
も ....
かなしみは
雨降るなかに
浮き上がり
泣いているのは
誰なのか
こころの奥処で震えている
遠く遥かな心象を
雨が静かに消していく

冷たい雨は降り続け
街はけぶり霞んでいき
救わ ....
ああ
初々しい顔して
夜が来た
ひんやり涼しい
風も吹く
向かいの家では橙の
灯りが点り
人影が
それは忙しく動いている
わたしは独り寝の床を整え
さっきからじっと座っている
昼 ....
真夜中が近づいている
ゆるやかな風が吹いている
ベランダに出て夜風にあたる
街灯の列が何処までも続く
なんて素敵な夜だろうと思う
昼間森で見た紫陽花の群落が
今頃青く光っている
風は優し ....
あめいろの
時が過ぎ行く
この夕べ
わたしの孤独は宙に溶け
一閃する光の海
瑪瑙の渦は天を駆け
静かさだけが降って来る
気の遠くなるよなこの時に
静かさだけが降って来る



 ....
降り続ける雨に
深く
深く秘められた瞳

まだ夜明け前に

音もなく迫り来る
もの
群れをなし
閉じられ、見開かれ
保たれ、放たれ
瑪瑙のように
深く渦巻き
浮き上がる

 ....
紅いつつじの花びらに
雨滴が留まり
艶やかに
膨らむ、透明の
二滴、三滴、
輪になり
映える
灰の空に

やがて
緩やかに吹く風に
揺られ
つつじの花弁から
零れる雨滴
紅 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る

「寂しいのか」と尋ねると

鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる

と、

足許でカタ ....
また一夜が明け
光溢れる一日が来たよ
風はそっと穏やかだし
空はぼうと水色だし
街は花の香に包まれて
実に飄々と軽やかに
ステップ踏んで春は行く
おれはのそっと鬱だけれど
六十一回目の ....
更けゆく夜はひたすらに
孤独の深い陰影を
白けた顔して曝け出し
薄い涙がつと流れる
薄倖の人、天破り
漆黒の闇に降下する

幼い記憶の光景が
眼前に広がり来たるまで
ひたすら遡行し孤 ....
骨を動かすと
神様が降りて来る
筋肉を震わすと
宇宙が唸る

みんな、みんな
大好きなんだ
生きて息して
居て下さい

突き抜ける青、天空に
たましいは今日も饒舌だ



 ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。 

その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。

膨ら ....
降り止まない雨が
心の奥底に言葉を溢れさせ
魂の隙間から
零れ落ちるような光滴たち
無数に煌めき散逸する
終わらない旅路の果てに
訪れるもの一つ
想い描けないなら
何億もの地上の眼を掃 ....
開けた窓から雨の匂いが流れ込み
濡れていく遠い森のざわめき始めて
貴女の声は透明な水底に沈んでいく

ああ、
こんなに澄んで囁き交わす時ばかりなら
詩を書くことすら要らないだろうに
僕は ....
腐乱した犬の
うつくしい歯が
その人の口から語られた時、
男根たちは騒然となり
子宮たちは安らいで
世界の終わりを迎えていた
から だった
前進しようと思えば未だできたが
から だった

寝ても覚めても
あんまりカラカラと鳴るばかりで
もう嫌気がさしちまった

(なのに夢の空はまた
淡い淡い紅に染まり
何 ....
一つの生をたずさえて
一つの詩をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く

)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ

 ....
腹底から
ヒンヤリと突き上げて来るモノを
ナイフの刃先に乗せる
熱く紅い血の滾り

)際の際に時を遡行すれば

緑と湧水の大地に到達する
沢登りの記憶の壁突き抜け
唐突にプスップスッ ....
近く微かに揺れる紅葉
呆けた顔して立ち尽くす人

全てが忘却された雨上がりの朝、

男は綺麗に髭を剃り
キャベツを買いに街に出た
ふわふわ漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら、
わたしは貴女を知らなかった

[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]

あの青い青い宇宙の大海原を
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わ ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
開く ....
月は夜空に煌々と
波は浜辺に打ち寄せて
酔いどれ共が歌っていく
銀の夜道に眩めきながら
酔いどれ共が歌っていく

波は白波
満月の
光に照らされ
行くあてなく
土塊と化した酔いどれ ....
眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ
遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている

僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上
何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ
終に ....
坂道に
水の流れ、
大量に 
夜の透明、
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人

君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地 ....
宣井龍人さんのひだかたけしさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとり(改訂)- ひだかた ...自由詩7*22-4-22
ノスタルジア- ひだかた ...自由詩822-1-18
ひとり- ひだかた ...自由詩822-1-13
夜のスケッチ- ひだかた ...自由詩921-9-30
独り寝の夜- ひだかた ...自由詩521-6-17
夜の意識- ひだかた ...自由詩621-6-11
この夕べ- ひだかた ...自由詩821-5-29
春の残酷- ひだかた ...自由詩421-4-21
雨滴ースケッチ- ひだかた ...自由詩721-4-14
ヨラさん(再録)- ひだかた ...自由詩9*21-4-12
無音の夜- ひだかた ...自由詩821-4-6
うっとり鬱で- ひだかた ...自由詩13*21-3-23
孤独の檻- ひだかた ...自由詩1221-3-19
たましいと骨- ひだかた ...自由詩521-3-15
見えるもの・見えないもの(改訂)- ひだかた ...自由詩921-3-12
Across_The_Universe- ひだかた ...自由詩5*21-3-2
無垢と復讐- ひだかた ...自由詩1121-2-20
うつくしい歯の神話- ひだかた ...自由詩721-2-16
から_ガラ- ひだかた ...自由詩521-2-10
一つの生を、一つの詩を- ひだかた ...自由詩621-1-26
遡行- ひだかた ...自由詩521-1-15
お買い物- ひだかた ...自由詩620-12-13
金の花びら- ひだかた ...自由詩520-12-7
ハレル- ひだかた ...自由詩920-12-2
酔いどれ共の歌- ひだかた ...自由詩820-11-23
無垢と大地- ひだかた ...自由詩920-11-22
水の街- ひだかた ...自由詩12*20-11-9

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