すべてのおすすめ
青いオートモビル
湖の岸に沿った道を
わたしたちの青い車は走る
空は澄み、とっても暑い日が
ずっと続いている
西武百貨店で
妻がワンピースを買った
黒い布に白の細かい模様
七 ....
おとこに捨てられた、
だからノラ猫になった
夜空をみあげにゃあと啼いては
まんまるお目目に三日月うつし
うろついた夜の街には
千鳥足の奴らがい ....
私は弱いから
貴方に頼ることしか出来なくて
私が弱いから
みんな 私に頼っても
結局何1つ 変わらなくて
どうすればいいの?
声をあげるけど
誰にも聞こえなくて
空回り ....
晩夏の夕焼けを歩く
視界には赤い雲
心なしか涼しい風
40にして惑わずなんていうけれど
オレは惑いまくっているよ
今日も君に逢えた
やがて雲が
夕立を連れて来るとしても
オ ....
記憶の中
焼き付けて
この言葉、
口に出したら
消えてしまうから、
紙の上
記しておこう。
怨みの言葉も
愛しい言葉も
全部、全部、全部
蔑みの言葉も
忌ま ....
昨夜は
本当にありがとうございました
あのとき私は言葉に対して
恐怖しかなくて
期待して絶望する私がとても滑稽で
言葉を拒絶して
足掻いていました
切りそう
切りそう
....
土曜日の午後
コーヒーショップに子象が入ろうとしたが
ドアに胴体がはさまって
そのまま動けなくなってしまった
店の外から象使いの少年と通行人が
しっぽを掴んでエイヤッと引っ張っている
....
こどもが
しょくばにやってきた
こんにちはといって
やってきた
このくつのひといますかと
しょくばのひとにきいた
おこさんきてるよと
しょくばのひとがいった
....
ボールペンの芯が折れて
染み出した真っ黒いインクで
書いていた詩は読めなくなって
僕の中からも消えていった
謀ったかのように
産まれた贋作に埋もれながら
僕の部屋はボツになった ....
からだが
前に前に傾き
おおいかぶさる
眠りつづける
四つんばいの少女
自分もそのまま
眠ってしまう
ぶおう ぶおう
ざば ざば ざば
自分もそのまま
....
僕の小さな幸福論
TSUTAYAでアランの幸福論を探した もちろんヒルティの幸福論でも良いのだ
幸福な気分になりたかったんだ しばらく味わっていないような気がするんだ
幸福は乾いた日 ....
今夜の月は何か変だ
と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている
えっ ひよこ?
一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
....
壁にピンナップされた僕らの写真を見ている 時々締め付けられるように過去が蘇るのだが
時間の不可逆性は 僕の味方ではないようだ
一人静かに時を消費することにも慣れてしまった もちろん本意ではない ....
それぞれの理想の楽園で、ただよう魂を見よ。
君たちにも見えるだろう。
笑っているのに目にはたくさんの涙を浮かべているんだ。
なぜって、それはわからないよ。
わから ....
ケチャップ切らしちゃってと
大人の笑顔で彼女は言った
僕の目の前に置かれたのは
ケチャップがのっていない黄色い肥満体だった
まあいいさとスプウンを入れたのだが
腹から出てきたのは ....
肌をなぞってください、つーっと、
電気がはしるまで
そしたら、きっと忘れてあげるから
身体のなかにわだかまっているものたちが心を刺す
なんだかチクチクして気色悪いのだが我慢する
もういいさ年貢の納め時だと何かが言ういや違うと別な声もする
人間はこうやってせめぎ合いながら生きてゆく ....
夜、本から紙魚が出てきて
僕を食べる
文字じゃない、と言うけれど
紙魚はお構いなしに
僕の身体を食べる
だから負けずに
僕も紙魚を食べる
本当は枝豆の方が好きなのに
食べ続 ....
回転寿司屋の板前のブルースとか
山手線の運転手のブルースとか
今でもそんな事ばかり考えているんだ
この前の事なんだけど
風呂場の鏡に捨てられた犬みたいなのが写ってたんだ
誰だって聞いたら ....
昆虫が窓を開ける
五月と
そうでないものとが
出て
入って
混ざり
離れる
言葉の中で
空はまだ
青く
美しいのだ
日用品と
出来立ての虹を買って
君が帰ってくる ....
男の妖精もいるのか
いつまでも
生身。
の、おんなでいたいと願うなら
恋をするべきなのだろうか
けなげにもまだ疼く
下はらの臓器
ここにあるの
と主張する
と、裏腹に 枯れてゆく ....
バチバチ
ステージが変わるよね
「ババーの乳首が湯船をたゆたう」って言われても
萎んで来たけれどまだたゆたうほどじゃないし
てか、
ボーイ!
乳首がたゆたう湯船をどこで見た ....
ちいさなちいさなわたしだけど
ここでわらっていることしかできないけど
あなたにあげたい
かけがえのないえがお
ほんのすこしのやさしさ
あげられるものなど
なにもないこと
わかって ....
先生が僕を卑怯者と呼んだ
その名前はおでこに貼りついて
やがて
僕の皮膚になった
月日が過ぎて
周りが誰も気づかなくても
僕の耳には
先生の声が時々聞こえた
先生 僕は先生のよ ....
杉の木から 吹き降ろされた雪が
荒れる風に乗り 空気になだれる
開けた戸から数歩
白く 冷たく
散らされる雪と
ふらり 共に立つ
お迎えに参ります 春
背中にかぶさる重さも
....
今夜もまた誰かの悲しみが裂けてしまった
梟の眼が光る孤独の森
冬の尖った爪が人の夢を引っ掻く
日が昇れば
何も聞こえなかったように
白い雪の舞い
光が冬の仮面となり舞踏会
....
ショッピングセンターの駐車場でカレーパンと牛乳でお昼を済ました
なかなか家に帰れない
僕の家って本当は彼処じゃ無いんじゃあないのかなんてねときおり思うんだ
誰も待ってないし読まない新 ....
右足が重いと
おもっていたら
いつのまにか
根が生えていた
しかたがないので
歩きまわる
根をおろさずに
....
煙草やめれてよかったね
痛みにはセロリだよ
予防にはストレッチ
きみはアスリートだったから
桜餅みたいな匂いの町を
強く清々しく
爽やかな別れの日にゆくだろう
....
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