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朝になりかけた夜、
わたしは
わたしとあなた以外のすべての存在に(当然そのとき窓の外にいた月や引力にも)
気がつかないのだった
あなたの吐いた
荒れた ....
今も昔も
景色は何も変わらなくて
変わってゆくのは自分だけ
さみしいけれど
少しずつ大きくなっている気がする
昨日も今日も
いいことは何も無くて
変わってゆくのは時間だけ
悲しいけ ....
私は起き上がるとその光を見つめる
澄んだ空気と張り詰め思いつめた心は
虚空に浮かびあがるあの少し欠けた月のよう
暗い夜道を照らし出し闇のモノの存在を
影として知らしめる
そ ....
月曜日は新聞当番なので
いつもより一時間早く出勤する
業界紙も含めた各紙を切り抜き
部長室分もあわせて十三部コピーする
厳密に言えば著作権違反という議論も
今ではどこかに行ってしまった
そ ....
ほらこんな風に
指と指で窓をつくる
その空間に映し出されるのは
きっといつか見た事のある
冷たく水を{ルビ湛=たた}えた青い空
耳をそばだてて そして
聞くのはなつかしい声
冬から冬へと ....
3月30日の夜空に あなたは「さよなら」を書いていました
11月10日の青空に 私はあなたの優しい筆跡を読みました
空の高みに遠く離れて 二筋のヒコウキ雲
交わらない線よりも 同じカンバスに ....
こんなに寒い夜は
こうやって電車を待っていると
たくさん思うことがある
このホームから見える海の向こう側
そこには皆がいる
僕の目にうつる町の光
あれは人が生きているということの印
....
やさしいひとはすぐに
かなしくなる
やさしいから
かかえこんでしまって
もっともっともっと
かなしくなるのに
だれかのことばかり
おんなじこころに
しまってしま ....
さわやかな風吹くこの丘で君と巡り会えた
ざわめく都会を抜けて飛び乗ろうぜ俺のトレインに
僕がいつでも傍にいるよ
君が笑ってる時でも
君が悲しみにくれている時でも
....
賑わった砂浜は
今では自分の足音しかなく
しかもそれは
波風とともに消されてゆく
目の前に見える海は
今の海ではなく
遠い昔に見た記憶の海
狭かった砂浜は
今では自分の足跡しか ....
心がもう
使い物にならなくなってしまった
と言いながらも
あ、
涙 流れてる
何もかも捨てたつもりでも
夕陽は
別腹らしい
酒に足を取られながら
君と手を繋いで
唄って
雨の匂い
とか言って
笑って
そういえばさっき
笑った顔が
可愛いな
なんて言えないし
言わないんだけど
雨の匂いなんて
....
かがり火も
見えないくらい
深く深く
もぐってる
もう
息はつづかないけど
底まで
もう少しなんだ
紅葉の気配が深くなった
山の端も入れず
ただ 高くなる青の中に
馴染めないこの身の
煩わしさを
どのようにして
拭えばいいのだろうか
右端から赤とんぼ
群れをなし
やがて青に融け ....
あれは大阪長居の安アパートに転がり込んできた僕みたいに
公園の木の上で啼いているのを 当時、純朴だった妻がみつけ
憐憫の情が働いたのかどうか
拾ってきた、傷だらけの尻尾のちぎれた子猫だった
....
弾んで跳ねて
笑って泣いて
眠って起きて
笑って食べる
早くて遅くて
忙しなく飛び回る
居眠りをする
オレンジジュース飲む
踊って踏んで
生きて死んで
泣いて笑って
謎め ....
朝焼け前の海に小船を浮かべ
冷たい海水から網を揚げる
その人の背中は何も語らず
先代の想いを受け継ぐ船
傷痕が静かに海面を滑り
明日に繋ぐ
夜が明ければ港に帰ってくる
今日も無事 ....
未だ、全く汚れなき綺麗な魂
一点の曇りもない空のように広い心
それが、純粋な魂
知らなくて良かったものを知っていく子供
知っていても嘘をつく大人
可能性があれば信じ続ける子供
可能性があっ ....
雨が通り過ぎた朝
ちいさな秋が浮かんでいた
ひとひらの紅葉
雨が上がったばかりの空の中
道ばたの水溜りに
ちいさな秋が泣いていた
黄色い紅葉
地に落ちるのなら
土の上に
草の ....
ちょっとだけ
はにかんでほしくて
悪戯するから
だから
傷つくって知ってるのに
私たちは
じゃれあう
「もうやだ」
何回も言ってごめん
「こらこら」
口癖になってる ....
人生はめぐりあわせ
かたちあるものは必ずいつかはこわれてゆき
同時に精神の壁も崩落してしまわぬように
ぼくたちは両手首をコンクリートの中にぬりこめる
押し戻そうとしてもできっこないのに
....
愛してくれとは言いません
でも愛してもいいですか
あなたの今日の幸せを
明日も笑顔であるように
祈る自由を私にください
あなたの言葉に耳を向け
おどける姿を ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
今夜の酒の肴は
過去の思い出を
ひとつまみ
味は さまざま
香り いろいろ
ただ
口へ運ぶと
懐古が 膨らむ
今夜の酒の肴は
未来の想い出を
ひとつまみ
....
ついでだからそれも(どこか遠くへ)
捨てておいてよ
使い切れなかった、使い捨ての
積み残していく、観覧車
(あの景色はどう見ても、空回りしていた)
夏は、どこを切り取っても夏で
僕はい ....
夕涼みに飽きて
地平線へ君を沈めた
ぬくもりと共に沈めた
幾つもの日々を沈めた
夕涼みに飽きて
突き抜けた夜の先を想った
ぬくもりを求めて
冷えた心に息を ....
世界が終わる
何も言わずに
世界が終わる
全て隠して
世界が終わる
嘲笑うかの様に
世界が終わる
祈りを溶かして
だのに あぁ
見よこの世界の美しさを
果てしなき地平を
何と ....
毎日流されながら
何かにこだわりながら
狭くなった世界に地に這いずりながら
生きることを諦めずに
遠い地平線の向こうを眺めながら
限りある心臓の鼓動とともに歩いてる
....
車の中で二人は眠り続け
伸びる陽射しが顔に掛かり
眩しくて目が覚める
波音が耳の奥の方で響いて
君の声は擦れて聴こえずらい
本当に少しだけ優しくなれたら
傷付けずに同じ道 ....
生暖かい風を受けて
君は眠りについている
世界のリズムを君だけは止めたみたい・・・
緩やかに雲は流れて
静かに時は刻まれて
未来に進んでいる
水面を優しく撫でて
....
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