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昔からの友人が
タバコをやめることにして
最後の一本を吸った
けむりだ
僕は朝方のベランダで
でたらめなCMソングを歌い
世界のはじまりを祝福した
....
早朝
台風の影響か
東の雲はとても分厚く暗く
灰色の上空に視線を回すと
西の空にすみやかな光源が
薄雲を満たしていた
それは
まだ記憶に新しい
昨日の光景を再現していた
坂の上のミラ ....
空中庭園の夜で
零れそうな月が
溶けて朧に霞む
夜は秋みたいに
更けてゆくよね
いつの間にやら
緑が赤に変わり
枝から剥がれて
足元に転がって
粉々に消えても
何も変わらず ....
心臓に星型の穴が空いた
星型はあの子しかもっていないから
世界でたった一つの特効薬は
二度と手に入らない
人と別れるということは
四角や三角や楕円なんかの穴が
心臓に空くということ
....
「自動販売機に並ぶ
ペットボトルの色水達は
どうも買う気がしないねぇ・・・」
そう友達に話した昨日は
蝉時雨の降りそそぐ
残暑に湿った一日でした
翌日一人で出かける僕 ....
ここに歩き疲れた兵士が独り
ただ前を見て歩いてきたけれど
突然前が見えなくなった
暗い闇に引きずりこまれて
ふと気付くと
ただの独りぼっち
友人も ....
誰も知らない
丘の上に
時計台があった
誰も知らないから
動いても
止まっても
知らないのに
時計台は
時を刻み続けた
真夜中
僕らが見てる
夢の時を
正確に
....
生きているのが辛い
でも死ぬのは怖い
君を、想えなくなってしまう
わたしがどれだけ泣き叫んだところで
世界は何一つ変わらない
世界は変わってくれない
そんなことを考えることさえ
意味 ....
ペン先に積もる黒い雪
世界は四角い
丸くない
背中の違和感
なんて静かな夜だろう
夏の夜の静けさのなかには震える孤独な生き物がいる
そいつは虚無と星の光の混合物だ
いつまでもいつまでも震 ....
今 空を見上げたタイミングが
一緒だったらよかったのに、なんて
ベタなことを考えた自分を嘲笑った
(だってそれだけで僕は今日を生きれる)
胸が苦しいよ
君に会いたいよ
そこにはほんの少 ....
いろんなものを詰め込むと
結局最初にもどっていく
真っ黒と真っ白が同じなように
実は僕ら
常に始まって
常に終わっているんだ
僕がここにいるとして
君がそこに ....
電線を流れる夕焼け
僕の身体には巡って来ない
手元にある一枚の写真
空はモノクロ、
下のほうはほとんど黄色
真ん中を女の子が何気ない顔で走ってる
赤毛のアンみたいな格好で
麦わら帽子に
色のうすい髪
一枚のエプロンみ ....
大海原
ただ海だけが広がる海に
降り注ぐ日差し
何処から渡ってきたのか風
今ここで
生まれたものか風
まどろんで
飛沫
ふと舞い上がってしまう
水蒸気たち
塩粒たち
....
僕らが死んだとき
その手に握られたものを
そっと次の人へ手渡す
リレー選手のように全力疾走できないけれど
手渡した瞬間
思いも
願いも
約束も
希望も
全部託 ....
楽しく生きよう
毎日大切に
色々試そう
直そう
勇気を出して
困難にぶつかる
安楽を避け
小さな喜びに浸る
トボトボ歩いていると
声をかけてくれる
苦労は買って出よ
逃げ ....
どこでもドアがあったなら
ダイエットして
新しい服を買って
メイクをして
キレイになって
君の街まで。
きっと、君の街は広いから
簡単には会えないだろうけ ....
車が好きだ。
それも改造車が。
一般的には嫌われる
改造車が好きだ。
親父も
そんな改造車に乗っている。
うるさいエンジン音。
本人は気持ちがいいんだよ。
好きなものに ....
あまりよく、覚えていない
ふらふらと適当に帰りついた夜
白く重たいドアの先で
お父さんが
ガチガチに冷凍されていて
あれ、しっかり保存されていたんだ
そうドアの前の過去に
気が付つい ....
メールに添付された
君の写真ばかり眺めていたけれど
「さっきはごめんね」
そのメッセージが 愛おしい そっと
撫でた
そうやってぼんやりしていたら
ノートパソコンはいつのまにかシャ ....
今日やるべきことを終えると
はるか銀河に旅する
銀河のあちらには
君がいる
こちらは
遠くて
話せない
抱きしめられない
それでも
おたがいの瞳の輝きは
銀河の ....
銀河の星々よ
教えて欲しい
いつの時代も
男と女は
男と女なのか
出会い
見つめ合い
惹かれ合い
愛し合い
別れあう
それが
心の根深い傷になるというのか
そし ....
数多(あまた)の田は
既に水が張られ
夜ともなれば蛙が鳴き、
やがて狂おしいほどの肌の火照り、
野鯉を釣った後の
烈しい血の騒ぎも抑えがたく
儀式は、六月のうちに
さも義人を装って
....
{画像=090909004233.jpg}
現場監督が路面に
配管図面をトレースした
作業の痕跡
解かれることを意図しない暗号が
街の中に密かに生きている
それはシンプルな記号 ....
例えば誰かに伝えたい
綺麗な風景
恋心
押し込めたままじゃ伝わらないよ
上手く口に出せないこと
言葉にならない言葉は消えるの?
例えば誰かに伝えたい
苦しい痛み
流す涙
思い ....
傷をなめあえば
特別になると思っていたかも
川を見ると飛び込みたい私は終わり、ただそのゆらぎに見習いたい。
褒められて伸びる私は卒業し、缶コーヒーの絵柄が渚カヲルであることに笑う。
着物を着ている今の私では簡単にトイレに行ける ....
入場料を奢って貰ってラムバックで吐く
あたしは恐らく悪いことをしたのだろう
入場料まで奢ってもらって夕食まで
あたしは悪いことをしたんだろうラムバックでラムバックでラムバックで吐く
....
{引用=
しらないことを
反芻して、
反芻して、
のみこむ
ひさしぶりに
読んだ日記が
このあいだと
同じだった
変わらないのは
止まった時計
時差がまったく
ないのです
....
救いあれ 救いあれ
放埓にさんざめく声を抱いて
孤児は野に追い出され
弧を描いては石を投げられた
掬いあれ 掬いあれ
韜晦に失笑で返し
道化師はサーカスで独り
ブランコの漕ぎ手を待っ ....
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