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ペンキ職人
天野茂典




青いペンキ


台詞のない声
遠くからやってくる海
炎の青空
どこにも出てゆかない砂
ぼくの病棟が乾燥している
シマリスとあそんでいる
ナキ ....
声帯で
黙殺された孤独は
肺に
積もったようでした


声帯で黙殺された孤独は肺に積もったようでした
そして、やがては
床板に屈した体を
どうしても規則的に置いてゆく呼気に乗 ....
王子様は来ない。
おたまじゃくしはカエルになるけれど
何度キスしたところで
カエルは王子様にはならない。


眠り姫は絶対に目覚めない。
夢の中で僕は愛されていないから。
シンデレラは ....
  

守られないことを知りながら
またひとつ約束をする


もう切る指をなくしてしまったらしいので
嘘つきなのは僕のほうだよ

嘘をつく


今日はしゃがみ込んだ君の足もと ....
90%知りたい
だけどそれはやめておく

死ぬのはいくつの歳か
それを聞きたいけど
聞かないことにする

と、57歳のおじさんが言った



ぼくの座る
駅前の公園のベンチの前 ....
捨て猫は泥濘で踊る

お婆さんの膝の上の心地好さを思い出しながら

捨て猫は泥濘で踊る

水たまりに映る汚れたトモダチと共に


雨降りの病みは、月明かりを遮り
大好きなトモダチを ....
僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いてい ....
カーテンレールを外れた布が
窓枠で首を吊っている
身動きもしない


六畳に寝かされた
汗ばんだシーツの皺
墜落した蚊
赤い斑点

タールに濡れた壁
照り返し象牙色
のなかに陰 ....
夜の汀に
静かに打ち寄せる旋律が
月を濡らし
とびきり無垢なくらやみ
豊かな潮騒に包まれる
すべての静かなあなたたち
今はただ
波間に映りこんだ月のように
やさしく揺れて
なにも持た ....
(1)

高校生のとき、
まだJRが国鉄だった時代、
三十日間三十万円日本一周鉄道の旅を計画した。
青春18切符があれば、不可能事ではなかった、
東京を通過しないとどこにも行けない関東圏、 ....
日が暮れていく、僕の脆弱な血管の中を
翼よ、あれがパリの灯だ
けれど、僕の翼はじゃがいもでできている
ポム・ド・テール!
大地のりんごよ、大空を飛べ、飛べったら飛びたまえよ

   ....
あいまい【曖昧】(形動)

ディティールはベールに隠す、たしなみ

真実は自分でもわかっていないことが美徳




いま【今】(名)

常に最優先させる感情の所在

 ....
信号を無視してあらゆる交差点を渡った 緩慢な自殺未遂もことごとく失敗に終わり
裁縫バサミで刺した腕の傷も今はもうほとんど目立たない


つながれた大型犬が吠える それにつられて隣の家の
つな ....
あなたがするり
と躱す度に

僕の身体は
曲がっていきます

人を遠ざけそうです
喉が貼りつきそうです

薄い枯葉のようです
水を飲ませてください


あなたがひらり
と逃 ....
その時のぼくには
どんな光も
光 だった


高層ビルのあちこちでは
松明が焚かれ
人はそれを
空から眺めては
都会などと
よぶ


灯台ならば
向かうべき先を
教えてく ....
そらばかり
みあげてたら
すいこまれたり
おっこちたりして
ときどき
こわくなる

そらのあつさと
ぼくのうすさを
シーソーで

ぐいぐい

ぎったん

するする ....
沈んでゆく亡き王女のためのパヴァ−ヌにさみしい初夏の夕ぐれ
ピアノは巨大にリビングしているけど
きみのいないみぎてもいないし
きみのいないくすりゆびもいない
どうしようもない僕はしっとりと
 ....
呼吸したり
成長したり
引き潮を待ったりしてたら
20億年
あっという間に過ぎた


海底では
あらゆる生物が
地球を
ぐるりとくるんでいる

海はまた
それをまるごと
く ....
青い扉を開けば
ぼくたちの思い出が始まるだろう

ぼくはゴキブリを
ゴキジェットプロで倒す

君は何をする?
こんなに日が昇ってるいるのだから
1時間の誤差はみんな気づかないだろう

ぼくたちも気づかない
使いが来たら
病院へ行くことになってた
アル中のあなたが
最後に入院した病院へ

肝硬変
だけ
じゃ
ないみたい
だね

いろんなこと教えてくれた
年上のひと
体に心に
消 ....
砂漠のニコニコ
僕の肩を叩く

右手にレモンを握って
僕の瞳を覗き込んだ


砂漠のニコニコ
ポーンと高くレモンを
空に放り投げた

レモンは太陽にぶつかって
数えきれないほど ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう

 ....
いつまでも
と誓いをたてるにはあまりに幼すぎたのだ
姉は朝食の後片付けをしながら
思い出し笑いをする
覚えてもいない妹は
今年初めて夏服に袖をとおした
 雨をよけて駅の構内で
 ジッポを売る君

 駅構内でのセールスはいけないけど
 雨に濡れてひもじそうにしていては
 誰も買ってはくれない と
 合理主義者の君の哲学はいつも正しい
 ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 .... ろくがつの洪水の夜に
しばらくぶりに泳いでみたが
溺れるすべを知らない僕は
たいへいようおうだん
とうとう魚になってしまった
今となってはもう
せめて、魚大好き!な君に食べられたいと
だ ....
自動ドア
が開いた途端もうなにも聞こえなくなるくらい饒舌の坩堝なのだった
新参者が特等席でハバをきかせている
いたるところで人が出逢い
魅了され きつく絡み合い 約束を交わし 駆け引きをし 嫉 ....
家の真ん中に ドードーの巣があるのです

絶滅させた張本人として歴史書に残りたくないので
バスルームには大きく迂回しなければなりません
慣れないうちは何度も卵を踏み潰しそうになりました
彼ら ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと 
もがいているようで
かなし ....
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