35度線
霜天

僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いていて

遠い稜線で空が揺れた
昇る熱風のせいなのか
この瞳のせいなのか
充満する夏の気配を
吸い込んで実感しながら
まだうつむいているだろうか
距離は隠してしまう


僕の隣を35度線が貫いていて
その間には折り重なった夏が横たわっていて


自由詩 35度線 Copyright 霜天 2004-06-23 01:37:13
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