雨が用意されている
雨は、いつも用意されていた
夏の終わりに
情けなく溶けだした
アスファルトの上に
生き延びた午後の渇きに
焼き場の長い煙突に
ひとすじの
細く白い煙に
(鉄の塊
 ....
僕たちの知らないところで
今は何かが起きている
地球的な規模で
歴史的な規模で
今何かが起きている
地上で
地中で
海で
空で
そして人間の中で
今何かが起きている
人間の知 ....
 余った腕は力を脱いて 指をかるく握る
 人さし指だけすこし立てて
 みぎ足 引いてひだりはそのまま
 そう ずらした軸を忘れないで
 鏡 ここに置いておくから

 そこで足を組むならもっ ....
わたしはふるさと
私が還るべき処

ワタシ、

私は私の故郷 ぎゅっとぎゅっと抱き締めて

 (彼女は子を産めない、
 凛として涼やかに
 冷徹威厳の匂い
 柔らか漂わせ
 石女 ....
花々よ花々よ、咲き乱れお前たち
紫に白にいよいよ群れなし沸き起こる
それら命の躍動広がる貪欲な光の放熱

わたしには未だ未だわからない、

咲き乱れるお前達という象徴

そのひそやか秘 ....
さざめきざわめくのは風の太陽
「今日もお暑い一日で」
風の太陽、さざめきざわめく光の海原

生まれる熱風、光の海原を今日に吹き広げ

 
あめ
ひと
設計図の無い
みずすましの痕
フロウ
触れて
薄い指先に
不在が
あるから
テレビジョン・
セットの
お笑い
本当はみんな
はぐれて
いきたい
末広通 ....
 やけどした瞬間は
 熱を感じるいとまもないというが
 その瞬間が延々とつづくものが
 子どもなのだとしたら

 大人になるのは
 残された痛みに苦しむ日々を云うのだろうか
 痛みにつぐ ....
人里離れた木の家で
タイプライターで小説を書いていたい

静かに、小さく、ひとりで



忘れられたピンボール・マシン
白黒写真にだけ残ってる
白骨化した遺体みたいに

静か、 ....
帰路は
新月にしずむやみのはし
こと座に一服

リリ、

(きこえた?
(ああ、きこえたよ
(鳴いてるのかな
(鳴いてるのかもしれないね

夏を野辺送りし秋がやってくる

猫 ....
タマネギスープの
味覚の渦巻いて
巨きな花咲く
匂い在る物、

水の絹の凍結した滝流れ
切迫する無機の浮き立つ

 (鉱物、植物、動物、人間
 貫通する線ひたすら伸び)

タマネ ....
帰宅途中の
夕雲の群れに
滴るように
求めながら
どこにも空きは
現れない
千切れそうな
心持のなかで
言葉だって
ひとつもない
              じっとしていろ
子供のころはよく言われた
      じっとしているのが苦手で手脚が     鶏
                        僕  みたい
 ....
汚れた指で、
鳥を折って飛ばしていました。

虚ろな指輪を覗き込むと、
切り口は鮮やか、琺瑯質の真っ白な雲が
撓みたわみながら流れてゆきました。

飛ばした鳥を拾っては棄て、拾っては棄て ....
夕べサマルカンドといえば聞こえもよく浮かんでくるのは撥弦に響く白い砂と一面の青さだろう

つい眼を奪われてしまいたくて昨日閉じたカーテンを少しだけ開けて眺めてしまう癖に

薄い夜の帳には光 ....
ハイビスカスの花開き
水の面掠め飛ぶ原色の鳥、
燃える太陽の瞬間に凍結され
大地を包み込む天空の濃密な青。


私の内にすべては込められ
私は想い出すことを意志する、


太古から ....
にゅうどうぐも、
せいいっぱいの、
わかさ、
おおきく、
りょううでをひろげて、
しろいけむりのように崩れながらも、
なお、
秋にぶりかえした、
みずいろの夏空を占拠する、
牧草地の ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている

地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない

花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって

さまよえるその ....
 アオギリの葉を鳴らして
 秋がゆく
 時雨ている空にさえ
 時折 輝いている空しい灰色の雲

 風、強かったショーウインドウの前に
 私を待っていた人
 月並みな愛の言葉
 優しげに ....
情報に味や匂いを感じさせる
わたしはわたしという一つの牢獄を手にとった
わがままな肢体を結んだり解いたり
憂鬱な楽園では狩るものもなく
自他の見分けのつかない愛の残滓が
ネズミの群れとなり這 ....
丸い朝が
四角いビルにやってきて
直角三角形の僕は
平行四辺形に駅で出会って
無数の三角錐をごみ箱に捨てた
朝からブラックホールだ
  *
なんだかんだと言って
あれやこれやと言い返さ ....
laughing moon


soft moon


crazy moon


candy moon


windy moon


talking moon


 ....
暗闇の中で働く
囁く
声と指は一定の距離が保たれている
そのために肉体がある
肉体のために空港がある
滑走路に置かれたピアノは
調律が三時の方向にずれたまま
夜明けの離陸を待っている ....
いなくなった人へは
何も書けないから

妻へ

前略

草々

としたため
渡した手紙は
洗濯されて
入道雲の下に干してあった
立ち上がる
背伸びをした
その、もっと上に ....
 角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
 仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
 くもりひとつない飾り棚は
 そんな町が好きだった

 ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
 蟻や落ち葉を運んで ....
あやとりのはじめ。そらへとんでいくともしび。たいようのまわりに。さいているわが。まじわるときは、いっしゅんのまたたき。 ひとすじのつむじかぜが
ひとりの短距離走ランナーとなる


そのように秋が
いちまいの枯れかけの葉となって
もうコーナーを曲がってゆく


いつのまにか 私が秋である秋、
みうしなう凋落された子 戻り鮭見ゆと
漲(みなぎ)り撓(しな)う 我ならなくに


遠き昔の記憶たち 過ぎ去りし光の中
心の中に佇む 言葉なき思いを        Inkweaver
   こえは たましい

  漂っ ている

      こえは

     森の

   乾けない

   空

 ひきずられる 影


    あ 

      ....
(曙)

 薄暗い部屋の中、光のはしごがすうっとか
けられ、それは、雨戸の隙間から漏れてい
て。僕はふとんから起き出て手を翳した。掴
むことはできない。ああ、それでも、光に触
れることがで ....
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