浅い春が来て
きみの肩先から
ふたばが芽吹く

冬の熱量が
熱ければ熱かったほど それは
あどけなく
ふるふる
ほころぶ

目をはなしたすきに
ひとひらの蝶になって
とびたった ....
今眠りに落ちる私
なるものが本当
に存在するもの
かは分からない
が      私
なるものがなけ
れば落ちていけ
ぬのが夢の中で
その夢の中で愛
でた花の香だけ
が本当であるか
 ....
 あるとき、atom、つまり、「原子」という言葉が、ディキンスンとホイットマンの二人の詩人の詩に使われているのを発見して、これは、おもしろいなと思ったのである。それというのも、当然、この二人の詩人 .... 一行目が二行目ならば二行目は一行目ではないこれは偽である

二行目が一行目ならば一行目は二行目であるこれは真である

三行目が一行目ならば二行目は二行目であるこれは偽である

四行目を平行 ....
財布の中に右耳を見つけた
最近コインの音ばかりするな
と感じたのはこれだったのか
お金を取り出して
代わりに草原を入れておいた
これでいつでも
風にそよぐ草の様子を
聞くことがで ....
 眼に泳ぐ精子たち      
                     電子を帯びたきみの姿見
 幾数年もわたしの前を歩いている
               ひとりごちに浴する勝手が ....
瀬音に秒針の音紛れ込む冬日

金魚がいると思ったら、赤いプラスチック容器

PayPayと鳴く鳥がいるらし

ジャンボ機から見れば小人のような私の暮らし
街に雨が降っている
いくつかの記憶が断片のまま転がっている
  僕は君に呼びかける
  かえってくるものが自分の谺にすぎないと
  知っていても
  それは君がいなければ
  生まれなかっ ....
排気口からとめどなく産まれる風船。バスの行列、タイヤをラメで塗る。
正方形の庭、日付のないカレンダー、海。
「もう一度最初から話してくれませんか?」
髪の毛を耳にかけるしぐさ、紫色の砂。ポリカー ....
蝶々結びになっていた指をほどいて、

今はとてもあわくしろい、

わたしたちから剥いでいったシーツをヒシと掴んで、
数珠繋ぎになった看護師たちが、
屋上へ舞い上がっていく、

手垢でも ....
古傷が痛むことだってある
それは仕様がない
要はそれを伸び代にして
成長していくしかない
季節が巡れば
必ず花は咲く
 いま、わたしは、西院というところに住んでいるのだが、昨年の三月までは、北山大橋のすぐそば、二十歩ほども歩けば賀茂川の河川敷に行けるところに三年間いた。その前の十五年間は、下鴨神社からバスで数分の距離 .... ねえ、おかあさん
どれがいい?
大人になったら買ってあげるね
これ、ダイヤじゃん
ガラスみたいでつまらないよ
こっちの赤とか緑のとかがいいよ
この紫の綺麗だな
高いんだろうな
 ....
わたしはいなかった。  {ルビ形象=フオルム}を一つ一つとらえ、それを書物のなかに閉じこめる人びとが、私の精神の動きをあらかじめ準備してくれた
(マルロオ『西欧の誘惑』小松 清・松浪信三郎訳)

 言葉ができると、言 ....
人生を捻じ曲げる、
まっすぐに終わりへとむかう
ひどく短絡的な直線を
乱暴にぐいっ、と曲げる

きっと皆は、この僕が
まっすぐ進むと思っていただろうな
でも突然、進路を捻じ曲げたから
 ....
「私の生涯を通じて、私というのは、空虚な場所、何も描いてない輪郭に過ぎない。しかし、そのために、この空虚な場所を{ルビ填=うず}めるという義務と課題とが与えられている。」(ジンメル『日々の断想』66、 ....  

水滴が窓にみえても
この部屋はしろい光が
寂しさをかるく引き裂き
古いいき新しくする

新しいとしを迎えた
夜だっていまは明けたわ
悲しみがすこし残って
なんとなく蒼空を ....
 青い 空に
 梢がしがみついている
 かなしいことは いつも
 庭の木の柿のようにみのる
 世界の端のほうに 僕は坐っている
どこで夜ははじまるのだろう?
(リルケ『愛に生きる女』生野幸吉訳)

夜は孤独だ
(ブロッホ『夢遊の人々』第三部・七七、菊盛英夫訳)

めいめい自分の夜を堪えねばならぬのである。
(ブラ ....
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている

正 ....
春になると京都加茂川沿いの桜は淡い桜色に染まる。
そのなかでも、北山橋と北大路橋の中間に位置する賀茂街道で咲く枝垂桜は特に有名で、 日暮れ時でもわざわざ見物に訪れる花見客が後を絶たない。
他の ....
──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して




ころげよといへば裸の子どもらは波うちぎはをころがるころがる

 相馬御風の歌である。それにしても、「この音は何だ」( ....
冬の温かい陽だまりの中で

背中を丸めて眠っている

猫になりたい
――私はきいてゐる、さう! たしかに
  私は きいてゐる その影の うたつてゐるのを……
                立原道造「真冬のかたみに・・・・」

――耳をひたした沈黙(しじま) ....
大晦日の夜から元旦にかけて
年神さまが誰も知らない山から降りてきて
健やかな子どもの足裏に
ひと粒の種を植えてゆく
今年はせいちゃんの番かもしれんねえ
そう言って祖母は細い目をいっそう細くし ....
なぜ 巡り合うのかを
私たちは何もしらない

   「糸」中島みゆき


言葉にリズムとライムを求めて怨霊を封印しようとしてきたのは日本語だけではないけど東洋の島国という地政的な環境と ....
○「光と影」

年老いたときに わかる
青春の輝きが

入院したときに わかる
健康の有り難さが

就職したときに わかる
稼ぐ苦労が

子どもをもったときに わかる
親の愛情 ....
地図も時計も捨てた時
人間が現れた

日が暮れる
人がどうなろうが
宇宙には関係ない

葉っぱは叫んだ 葉っぱの言葉で
枯れ葉が、自分のいた場所を見上げていた。
木馬は、ぼくか、ぼくは、頭でないところで考えた。
切なくって、さびしくって、
わたしたちは、傷つくことでしか
深くなれないのかもしれない。
あれは、 ....
ryinxさんのおすすめリスト(1375)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はなうた- そらの珊 ...自由詩13*25-1-20
逸脱- 雨宮吾子自由詩225-1-19
語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン- 田中宏輔自由詩10*25-1-19
百行詩- 田中宏輔自由詩11*25-1-19
- たもつ自由詩325-1-19
無線紙- アラガイ ...自由詩8*25-1-17
小人の暮らし- 紅茶猫俳句4*25-1-17
call- 塔野夏子自由詩6*25-1-17
ラメ付きバス- はるな自由詩225-1-17
あわくしろい日々- パンジー ...自由詩525-1-17
- 渡辺亘自由詩325-1-16
THE_GATES_OF_DELIRIUM。_──万の川より ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-15
トロイメライ- たもつ自由詩225-1-15
地球最期の日- すぬかん ...自由詩325-1-14
LET_THERE_BE_MORE_LIGHT。_──光の詩 ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-14
- atsuchan69自由詩24*25-1-14
WELCOME_TO_THE_WASTELESS_LAND。 ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-12
しろいひかり- 秋葉竹自由詩225-1-11
梢と果実(2024.12.12)- 草野春心自由詩325-1-8
IN_THE_DEAD_OF_NIGHT。──闇の詩学/余白 ...- 田中宏輔自由詩10*25-1-8
青い涙- atsuchan69自由詩15*25-1-7
桜花の舞- 栗栖真理 ...散文(批評 ...225-1-6
ATOM_HEART_MOTHER。- 田中宏輔自由詩13*25-1-4
- HAL自由詩4*25-1-4
天国は展開の極意- 菊西 夕 ...自由詩1*25-1-3
年神さまのこと/花の営み- ちぇりこ ...自由詩12*25-1-3
耳を澄ませばまた詩と巡り合えるのだろうか- 足立らど ...散文(批評 ...425-1-3
元日独り言b- zenyama太 ...自由詩4*25-1-1
冬眠- 空丸自由詩1325-1-1
むちゃくちゃ抒情的でごじゃりますがな。- 田中宏輔自由詩17*25-1-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46