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 遠くサイレンの聞こえる朝
 会社の広い敷地内にある
 コンビニエンスストアのごみ箱へ
 がらん! 落とし込まれる
 リポビタンD の空き瓶

 心地よい冷気を後にして
 配属先の建屋ま ....
 駅から出るとバスターミナルを
 陽が独占する
 発車して行くバスの後ろ姿へ
 あつかましく輝きながら

 瞼を伏せて立っているバス停の
 シェルターで、高校生ぐらいだろうか
 少年と少 ....
 青空が遥か高く張りつめた時
 草も花もない地上に
 私は頼りなく立っていた

 掌の感触は忘れていない
 あなたの爽やかな顎をなで
 たくましい肋骨を数えた
 奇妙に光る瞳で私を縛 ....
 透けていくからだの
 根っこのどこかで
 何かが心を穿つ
 目の前はかすむのです

 小さな水槽の水草をちぎって
 置き石の陰で横たわり
 フロートガラスの壁に立ち上る
 気泡をゆっ ....
 西風が吹きつける
 白い塗装の剥げかけた
 木枠の窓

 嵐の前の雨が胸をつき
 かえるべき場所を見失った心は
 ぐるりぐるり
 過去の幻をめぐるだけで
 固くなる

 あなたは ....
 大洋の波は疲れを休めに
 小さな湾へ入る
 湾を取りまいた山々が厳しく空を区切り
 空は益々、高く逃れ
 大洋の波を冷たく見下ろす

   ⭐︎

 姿を取りえない青春の彫像を打ち立 ....
 待ちかまえていたのか
 折悪しく雨がぱらついて
 遠くない駅までの道を濡れていく

 JRで一駅先の改札を出ると
 もう雨は止んでいて
 踏切の向こう、陽ざしが流れおちている
 滝のう ....
 地上のある一部の上を
 浮遊しているシジミチョウ
 少し伸びている青芝には
 いちめんの陽射し

 こめかみを撫でる風と
 こうしていま、私はひとりで
 ビルの壁際に沿った歩道を歩き
 ....
 おとつい買ったばかりの
 ミドル丈のレインブーツ
 人気のない舗道に目をやりながら歩く
 おおきな水たまりもへっちゃら

 雨はアジサイの植え込みを揺らして
 色づく花房に打ちつける
 ....
 三輪車コロコロ転がして
 ゆるやかな坂を下る道、
 わづかに小石遊ばせて入る
 梅林

 手の届かない
 白くかすんだ花
 ちらつき始めた小雪が
 桃色のカーディガンに降り
 いつ ....
 指先に透き通って
 春の朱の血潮が浮かびあがる
 女は白雪の様な顔を両手で隠し
 泣いていた

 あれ荒んだ心のあなたは
 客の少ないバーで何故か気さくに語る
 笑顔の背後に宿る夜更け ....
 足許濡らす時雨の冷たさ
 夕刻に立ち寄るスーパーで
 野菜売り場の陳列棚から
 外れた隅へ歩み寄る

 (やあ、おかえりなさい!)
 わたしに呼びかけて来る
 焼き芋機
 鼻先へ ....
 
 昨日届いた喪中葉書
 十二月が、いそぐ街道で
 歩むわたしの跡に光っている
 薄いオリエンタルブルーの粘液

 これは体のタンパク質と
 多糖分と大量の水分
 角が右も左も交互に ....
 冴ゆる風にこぼれて舞う
 レモン色した木の葉のひと翳り
 そういうもので
 詩を書きたいとおもう

 心に満ちる平穏な日常は、
 わたしの気付きもしない情景のなかで
 なにものとも く ....
 閉じたビニール傘から飛び散る
 雨滴
 会社の広大な敷地内を車と自転車が往来する
 東の正門で守衛室に社員証を提示しても
 配属先の建屋へは延々と
 アーケードの歩道を歩き続ける
 
 ....
 
 鈍色の民家の瓦と重なって見えた
 黒味帯びる朱をのこすだけの
 散り落ちぬ大輪のバラ

 秋立つ日
 貴女はうつむいて想いに耽り
 天蓋の星たちが数回瞬く間の短い夜を
 すごして ....
 
 窓の外は雨あがりの道端に
 もう夏が振り向きもせず
 透けた背中をみせている

 昨晩干した洗濯物の柔軟剤が香る室内で
 好きな音楽を聴きながら
 刻み始めるキャベツ

 レッ ....
 
 パサパサの餌をたべて
 噛み砕けども詩にはならず

 烏輪の光を受ける郷も今宵、雲裏から出ぬ草はらで
 落ちてるひらがなを拾いあつめて
 ぴん とお耳を立ててみる
 霧が匂う
 隠された風景の先を見ている
 霧はたえず
 その気配でただようしかなく
 歩み出れば崖っぷちに咲く野の花の細い茎を
 つかむような愛ならば

 もはや私に 
 緑なき ....
 雲よりも
 高いところの虚ろな光
 欠けた兎影に 目を凝らす
 背後で、製紙工場の正門から細い通りへ出る
 大型トラックのタイヤが路面に擦れる

 緑色の金網が張られたフェンス越しに ....
 衣装ケースの底に今も蔵って有る
 レトログリーンに白ドット柄の
 スカート付き水着

 もう 着れる歳でなくなってからも
 ずっと処分せずにいた
 これが一枚の写真の様だから

 眩 ....
 
 クスノキのそば
 芒漠としたまひるまの陽光に
 蝉の ヒビキ

 離れて住まう年老いた父の声が、
 聞きたくなって
 
 
 冷蔵庫から取り出した
 ガラス小鉢の紅茶ゼリー
 ノンシュガーのルベウスに
 ちょっと多めにのせる生クリーム

 リビングには尖った葉を上向きに茂らせる
 アンスリウムが、柘榴石のような ....
 日照りつけて
 前方に霞む百日紅には
 二匹のクマンバチ

 ふと足もとを
 蜻蛉のちぎれた一枚羽が
 微風に 晒される
 
 古道の低い石積みの傍、
 生い茂る樹木の根元で
  ....
 嵐の夜
 いく本かの北山杉が
 悲鳴もあげずに倒れた

 十四歳だった私が
 暗い峠を越えた山間地の
 北山杉は
 鋭く尖ってざわめいて
 無垢な翼を持った時代のおもいで

 嵐 ....
{引用=たった一杯のカクテルに託した夢物語}{引用=月の流れのように見えたのは
私が酔っていたから
あなた自身の美しさを知らないあなたの
金糸雀の様な笑い声を
頭上高くに聞く}{引用=そのシル ....
{引用=ハイヒールの足許が男の鼻先を嘲笑う
  「欲しければ尾を振ってついておいで」

街の角で ふと女の姿が消えた
  「欲しければ、そこで涙をお流し」}
      ※

  天上か ....
 鳥の声もなく
 くちなしの花だけ白く小さく
 風もなく 
 空に 色はなく
 ひたすら降りこめる小さな庭

 かつて花にも心はあった

    ※

  あなたへ

 あの子 ....
 百合の木の茂る蔭
 煤けた石畳で
 黄緑色した小さな毛虫に
 小型のキイロスズメバチがのしかかっている

 目に飛び込んできた
 両者のカラダの彩は暗がりから浮き上がって
 もだえる毛 ....
 かつてお酒の好きな詩人が
 青い背広を着て旅に出ようと言った
 夏の来るのを待つ短い ひと時
 休日の真昼間
 私の心はスーツケース持たず旅に出る

 海もあった
 太平洋の波の音に吹 ....
ryinxさんのリリーさんおすすめリスト(104)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
机の引き出し- リリー自由詩11*25-7-25
In_the_shade_- リリー自由詩10*25-7-24
ノイバラ- リリー自由詩13*25-7-22
骨魚- リリー自由詩14*25-7-16
凍った雨- リリー自由詩14*25-7-7
海辺- リリー自由詩10*25-7-5
レモンサワー- リリー自由詩12*25-6-28
蜆蝶- リリー自由詩14*25-6-21
通行人- リリー自由詩11*25-6-17
不香の花- リリー自由詩13*25-2-2
雪女- リリー自由詩6*24-12-19
焼きいも- リリー自由詩10*24-12-11
街角のかたつむり- リリー自由詩10*24-12-7
プロフィール- リリー自由詩9*24-11-29
赦されて__- リリー自由詩10*24-11-9
落日- リリー自由詩6*24-11-2
The__Holiday_- リリー自由詩10*24-9-29
五行歌_うさぎ- リリー自由詩7*24-9-23
Reason- リリー自由詩13*24-9-20
炎昼- リリー自由詩12*24-9-17
波の思い出- リリー自由詩8*24-8-4
五行歌_一首「烈夏のこえ」- リリー自由詩6*24-7-31
灼夏のいろ- リリー自由詩11*24-7-30
陽炎- リリー自由詩14*24-7-23
北山杉- リリー自由詩9*24-7-14
モヒート- リリー自由詩11*24-6-24
氷紋[改訂]- リリー自由詩9*24-6-23
くちなしの花- リリー自由詩6*24-6-18
朝の月【改訂】- リリー自由詩9*24-6-15
パセリ- リリー自由詩10*24-6-8

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